村西とおる「華やかさとはほど遠い侮蔑の人生絵巻」ストリップ劇場3部作の最終章!『愚か者のブルース』11月公開

加藤雅也と横山雄二の共同企画によるストリップ劇場3部作の最終章『愚か者のブルース』が7月29日より広島先行公開、11月18日より全国順次公開されることが決定した。併せて、広島版ポスタービジュアルと、角川春樹、村西とおるなど著名人からのコメントがお披露目となった。

2019年、夏。広島先行上映で大ヒットを飛ばした加藤雅也主演、横山雄二企画プロデュース作品『彼女は夢で踊る』(時川英之監督)が、2020年4月より全国公開を実現。ローカル発のスマッシュヒット作として快進撃を見せ、映画人を驚かせた。その先行上映初日に加藤雅也から発せられた次作への提案を受け、再び広島を舞台にした作品作りが始まった。横山雄二が手掛けた広島発のストリップ劇場作品1作目が2015年に公開された『浮気なストリッパー』、2作目は前出のヒット作『彼女は夢で踊る』、そして本作が最終章を飾ることになる。劇中に登場してきた広島に実在するストリップ劇場・第一劇場は、多くのファンに惜しまれながら2021年に幕を閉じた。本作には、時代の移り変わりを象徴するかのような劇場解体時の貴重な映像が収められている。

前作に続き、本作でも主演を務める加藤雅也の役柄は街と女と映画を愛した男。30年前に伝説の映画を監督したが、今はすっかり過去の人となってしまった冴えない映画監督の日常は「ヒモ」のような生活へと落ちぶれていた。その「ヒモ」を健気に支えるピンサロ嬢・タマコ役をテレビやグラビアで活躍中の熊切あさ美が捨て身の演技で新境地を開拓。加藤に女を寝取られたチンピラ役に実力派・仁科貴。加藤と熊切が逃げ込むストリップ劇場の館長には、本作で監督・脚本を務めた横山雄二。広島の歓楽街に息づく風変わりな仲間たちに、今や日本映画界を代表する女優となった筒井真理子。その他、お笑いコンビ・デンジャラスのノッチ、ストリッパー役で登場する元AKB48の小原春香、個性派女優として活躍が目覚ましい佐々木心音など多彩な顔ぶれが揃う。更に、タマコの母親役には39年ぶりの映画出演となるピンク・レディー未唯mieが注目を集め、横山雄二との交流から爆笑問題の太田光が友情出演を果たし、作品に色を添えている。そして前作で華麗な踊りを見せた現役ストリッパーにして女優の矢沢ようこがステージのダンス監修を務めている。個性派&実力派の豪華キャスト陣が広島の歓楽街を大暴れする昭和の香り漂う泣ける大人の物語が誕生した。

▼著名人 コメント

■角川春樹(『犬神家の一族』『復活の日』『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』などをプロデュース)
退屈な大人にならなかった横山雄二。かつての映画少年、野球少年が中年になって生みだした瑞々しい監督作品。前作の「浮気なストリッパー」は、つかこうへいの「ストリッパー物語」を連想させたが、今度の「愚か者のブルース」は紛れもない横山雄二の世界!本年度の邦画の中でも、一番こころに響いた作品。映画としても、一冊の小説としても充分に成立するドラマだ。

■村西とおる(前科7犯、抱えた借金50億。「昭和最後のエロ事師」全裸監督)
広島の場末のストリップ劇場を舞台に、落ちこぼれの映画監督とその情婦と借金でクビが回らなくなった劇場主の「男は夢に死に、女は愛に生きた」物語。華やかさとはほど遠い侮蔑の人生絵巻が切なく、鬼才・横山雄二監督の演出・演技に目を剥いた。ナイスですね。

■三沢和子(『キッチン』『(ハル)』『39 刑法第三十九条』『黒い家』『海猫』などのプロデューサー)
タマコからだけ常に「監督」と呼ばれている監督。2人の関係が切ない。加藤雅也さん、熊切あさ美さんは勿論、出演者全てが魂の籠った好演(横山雄二さんの演技にも驚きました)で、森田芳光のポリシー「映画は登場人物の人間を描くことが1番大事」を横山さんが忠実に実践して下さいました。監督はじめキャスト、スタッフの強い思いが作品の力となっていると思います。そして森田のロマンポルノ作品「マル本噂のストリッパー」の主人公グロリア由来のグロリアさん、男前な最高のオンナでした。

■田島隆(「カバチタレ!」「極悪がんぼ」「びったれ!!!」「マトリと狂犬〜路地裏の男たち」(ヤングチャンピオン連載中)など、漫画家)
横山雄二。地元広島では、明るくて面白い人気アナウンサーと誰もが思っているだろう。だが、私の知る横山雄二はアナウンサーの枠に収まる人物ではない。彼の正体を端的に言えばクリエイター。それもとびっきりクラスだ。そう、嫉妬心を覚えるくらいに。この「愚か者ブルース」は、クリエイターとしての彼のセンスが眩いばかりに輝く。この映画を見て後悔する者はいないと断言したい。さぁ、横山雄二の世界を堪能あれ!

『愚か者のブルース』
2022年7月29日(金)より、広島先行公開
2022年11月18日(金)より、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
監督・脚本・原作:横山雄二
企画プロデューサー:加藤雅也 横山雄二
出演:加藤雅也 熊切あさ美 横山雄二 佐々木心音 小原春香 矢沢ようこ さいねい龍二 ノッチ 仁科貴 太田光(爆笑問題) 未唯mie(ピンク・レディー) 筒井真理子
配給:アークエンタテインメント

【ストーリー】 30年前、伝説の映画を監督したが、今や過去の人となっている男・大根(加藤雅也)。大根は、ピンサロ嬢として働くタマコ(熊切あさ美)のヒモとなり空虚な生活を送っている。そんなある日、タマコの昔の男が「俺から離れられると思うなよ」と現れる。大根とタマコは大学時代の後輩が館長を務める広島のストリップ劇場に逃げ込んだ。そして二人を温かく迎え入れる館長(横山雄二)の計らいで、大根とタマコはストリップ劇場の楽屋に住み込むことになる。二人の人柄に惹かれ、歓楽街に住まう仲間たちも歓迎ムード。温かく満ち足りた時間が続いていたが、大根がストリッパー(小原春香)に手を出したことで、それぞれの関係性が崩れ始める。「あんた、格好悪すぎるよ」大根を叱責する館長の言葉にも上手く対峙できない大根。そしてヒモに成り下がった映画監督・大根の心の葛藤を優しく見守るタマコにもまた、人には言えない凄惨な過去があった。 果たして、不器用に生きる愚か者たちの未来は…。

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