水川あさみ「東京で暮らすわたしには全てが贅沢で素晴らしい経験でした」『霧の淵』2024年4月公開!

第72回サン・セバスチャン国際映画祭の新人監督部門に最年少で選出、「奥深い日本の暮らしを描いている」と称賛され、アジア最大規模の映画祭、第28回釜山国際映画祭のA Window on Asian Cinema部門招待作品としてアジアプレミアを遂げた映画『霧の淵』が、2024年4月に公開されること決定した。併せて、ティザービジュアルが披露された。

本作のメガホンをとったのは、若手クリエイターの台頭・村瀬大智監督。本作が長編商業デビュー作品となる。村瀬監督は、京都芸術大(旧:京都造形芸術大)在学中に『忘れてくけど』、『彷徨う煙のように』、『赤い惑星』を制作し、短編映画『忘れてくけど』ではカンヌ国際映画祭のショートフィルムコーナーに出品され、注目を集めた。そして卒業制作『ROLL』は、なら国際映画祭の学生作品部門NARA-waveで観客賞を受賞。本作は、同映画祭のプロジェクト「NARAtive(ナラティブ)」にて制作され、監督自ら単独で川上村に長期滞在し、現地の人々と交流することから生まれた。

本作の主演を務めるのは、オーディションで抜擢された奈良県出身の新人俳優・三宅朱莉。老舗旅館を営む家に生まれた主人公・イヒカ役を演じ、子供から大人への揺れ動く佇まいを瑞々しく表現、映画の中で存在感を放っている。イヒカの母・咲を演じるのは、『喜劇 愛妻物語』、『滑走路』でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞ほか多くの映画賞を受賞し、近作に『沈黙の艦隊』、『唄う六人の女』等に出演する実力派俳優・水川あさみ。別居中の旦那の実家の旅館を切り盛りするという複雑な状況の中、娘の成長を見守る母親を真っすぐに演じている。

イヒカの父・良治役を演じるのは、『母性』、『ケイコ 目を澄ませて』などの話題作に多数出演する映画界に欠かせない俳優・三浦誠己、イヒカの祖父・シゲ役を演じるのは、ドラマ「水戸黄門」シリーズ、ドラマ「暴れん坊将軍」といった人気ドラマシリーズをはじめ、数々のVシネマの名作に出演する名優・堀田眞三が扮する。

ティザーチラシビジュアルは、娘と母の二度と戻らない、その一瞬の時間が切り取られている。誰しもが持つ「家族の物語」が感じられるデザインに仕上がっている。

▼キャスト&スタッフ コメント

■三宅朱莉(イヒカ役)
この「霧の淵」という作品の出演が決まった時、喜び以上に驚きや不安がありました。それまで映画に出演した経験もなく、不安な気持ちもありました。ですが、いざ現場入りしてみると、監督さんやスタッフさん、共演者の方々が私のことをイヒカとして接してくれて、イヒカとして生活する事で、とても自然体で撮影に臨むことができました。奈良の川上村で過ごす、日常を切り取った様な暖かい作品です。ぜひ劇場でご覧下さい。

■水川あさみ(イヒカの母・咲役)
奈良の川上村で住むようにして撮影した日々を思い出します。山で椎茸や山菜をとったり、薪で火を焚べたり、沸騰するお湯の湯気すら愛おしい時間でした。わたし演じる咲のモデルとなった朝日館の女将から、色んな話を伺う事で役が生きてきて映画に反映される。東京で暮らすわたしには全てが贅沢で素晴らしい経験でした。それぞれ登場人物の想いや葛藤はもちろんですが、雰囲気や匂い、そんなものまで感じてもらえたら嬉しいです。

■村瀬大智(監督)
『霧の淵』は、川上村で川上村の皆さんと作った大事な映画です。2020年から川上村で長い時間を過ごさせてもらい、撮影も沢山の村民の方々にご協力やご出演いただきました。そして『霧の淵』は、過疎化が進む村で老舗旅館を営む家族の映画です。この映画の舞台となった奈良県の川上村は、2018年には人口減少率では全国でワーストになってしまった村です。僕はこの村出身でもないし、縁もゆかりもありませんでした。言ってしまえば他所者です。他所者には分からないこともあれば、他所者だからこそ感じるものもあります。村内の人が住まなくなってしまった集落、 ダムの底へと続く旧道。かつての人々の生活の痕跡。何かを永遠に保存していたい気持ちと衰退の過程の瞬間にある無常を美しいと思ってしまう矛盾した気持ちを抱きながら、この映画は出来上がりました。過去、現在、未来と、フレームの外へ伸びてゆく川上村での時間を体感していただけたら嬉しいです。

『霧の淵』
2024年4月公開
監督・脚本:村瀬大智
出演:三宅朱莉 三浦誠己 堀田眞三 杉原亜実 中山慎悟 宮本伊織 大友至恩 水川あさみ
配給:ナカチカピクチャーズ

©2023“霧の淵”Nara International Film Festiva