「人間であることを忘れなさい」薬物依存者の苦悩『命の満ち欠け』予告編

薬物依存者の苦悩、脱却を痛切に描いた魂を揺さぶる社会派ドラマ『命の満ち欠け』が、7月1日より公開される。このほど、予告編がお披露目となり、藤元明緒監督(『海辺の彼女たち』)、松本優作監督(『Winny』)ほかよりコメントが寄せられた。

薬物依存の壮絶な実態、苛烈を極める虐待の連鎖、そして隠蔽。一人の薬物依存者の「受難」を丹念に描きながら、その原因を一つ一つ暴いていく本作。やがて明らかになる「闇」に、主人公は自らの意思で立ち向かい、「光」を照らそうとする。

予告編では、薬物依存の症状に苦しむ弟と、その事実から⽬を背けて⽣きてきた兄が、薬物依存者の脳裏に焼付く葛藤とその背景に分け入り、何が彼らの救いとなるのか、もがきながら探していく姿が映し出される。小関翔太が多岐に渡る取材を通して描いたシナリオから響き渡る声の数々が、切迫感が伝わる映像と共に語られていく。

▼著名人 応援コメント

■藤元明緒(映画作家)
スクリーンに迸る命の躍動が、ボクたちに生きることを渇望させる。俳優たちの情熱が結集した奇跡の一本。ぜひ映画館で!

■矢野瑛彦(映画監督)
力作。まるでドキュメンタリーを観ているかのような感覚になった。命とは、この世に産まれ落ちた瞬間に存在するのではなく、生きていることを意識して、初めて鼓動が脈打つのだと、この映画に思い知らされた。

■福名理穂(劇作家)
主人公の表情、仕草、目線、全てを取り逃がしたくない一心で食い入るように観ました。家族の幸せを願っているけれど、正解が分からないもどかしさをヒシヒシと感じてとても切なかったです。依存症の人が取り残されない世界を私も願っています。是非、観て欲しいです。語り合いましょう。

■松本優作(映画監督)
人間であることを忘れなさい。その恐ろしい言葉が脳裏に焼き付き離れない。あちら側とこちら側。そのギリギリのラインで苦しむ主人公を中心とした本作には、人間の醜さと怖さ、そして微かな救いが確かに映っている。苦しみの中に救いはあるのか。もしかしたら、苦しみの中にしか救いはないのかもしれない。苦しみを背負って産み落とされた本作は、まさに救いそのものだ。命を削り全身全霊で臨んだ制作陣に、心からの祝福とエールを贈りたい。

『命の満ち欠け』
2023年7月1日(土)より、新宿K’s cinemaほか全国順次公開
監督:小関翔太 岸建太朗
脚本:小関翔太
出演:小関翔太 上原剛史 加藤紗希 伊藤慶徳 大塚ヒロタ 礒部泰宏 細川佳央 豊満亮 長部努 遠山雄 はぎの一 西川礼 松木大輔 大河内奏至 山田唯 清島岳 岸叶会 山口詩史 佐藤まり 順哉 前田新 梅田誠弘
配給:ユーステール 合同会社K-zone.
海外配給:合同会社Green Light

【ストーリー】 家族を忘れ自分勝手に生きてきた兄・ショウタと、薬物依存に陥り更生施設で暮らす弟・ユウサク。唯一の家族であった祖母が亡くなり、弟を引き取り共に暮らすことを決めたショウタ。ショウタは弟を救いたいが為、弟の人生を基にした映画を作ろうと、『命の満ち欠け』の脚本を書き始める。一方、新しい生活に馴染めないユウサクは、次第に薬物の禁断症状に苦しみはじめ、やがて、更正施設で起きた、ある”事件”のことを思い出していくが…。

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