テーマ20×予算20万円×20分の短編。“20縛り”のシナリオコンペ受賞作による、4編のオムニバス『20祭』が、7月29日より公開されることが決定した。併せて、予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となり、キャスト&スタッフよりコメントが寄せられた。
『ディアーディアー』『馬の骨』のオフィス桐生が設立20周年を迎えたのは、コロナ禍で活動自粛中の2022年初頭のこと。重苦しいムードを払拭すべく、「20周年だから20縛りにしよう!」というユルい発想から『20祭』(ニジュッサイ)はスタートした。『20祭』とは、テーマを数字の「20」に限定し、予算20万円で制作可能な20分の短編映画シナリオを発掘しようというニッチで実験的なコンペだ。
審査員には『ディアーディアー』の菊地健雄(映画監督)、杉原憲明(脚本家)、桐生コウジ(プロデューサー)など。受賞者には「少年ジャンプ+」に掲載決定の桝本力丸ほか、若手有望クリエイターが揃いました。
出演者も是枝裕和監督作『奇跡』『海街diary』の前田旺志郎はじめ新進気鋭のフレッシュな顔ぶれ。
このほど映画化された受賞作4本は、20にまつわる4編のオムニバス映画『20祭』として、2023年7月29日から池袋シネマ・ロサで公開されることが決定した。
▼キャスト&スタッフ コメント
■前田旺志郎(『二十才の夜』主演)
主人公の青嶋役を演じさせていただきました前田旺志郎です。この映画は、青春という誰しもが通る時期の事をふわぁっと思い出せるような作品なのではないかなと思ってます。映画や漫画みたいな美しい青春じゃなかったかもしれませんが、いざ終わって振り返ってみたらすごくかけがえのない時間で、あの頃の感覚や心情はあの頃にしかないものだったなぁと、僕はそんな事を思い出しました。今よりも繊細で脆くて知らない事が沢山あったからこその輝きと尊さを改めて感じられた気がします。
■菊地健雄(『20祭』審査員)
僕たちが厳選した4本の脚本が一体どんな映画になったのか、今からとってもワクワクしております!そして、拙作『ディアーディアー』も上映していただけるとのこと、本当に光栄ですし嬉しいという気持ちしかありません。しかし、これできっとライバルがまた増えてしまうに違いないという予感が自分の胸をざわつかせます。もしこれで仕事が減ってしまったら、オフィス桐生30周年の際には是が非でも自分がまた映画を撮らせてもらおうと密かに企んでいます。桐生コウジさん、次は新人発掘ではなく再生工場ということで何卒よろしくお願いします!
■桐生コウジ(『20祭』プロデューサー)
きっかけは新型コロナ。2020年4月、新作のクランクイン間近に緊急事態宣言発令。もちろん中止。延期ではなく中止を即断。普通ならば、資金をストックして次作に備えるものだけど、不思議とそういう気は起らなかった。自粛中に“コンセプトは遊び心”という原点に戻りたい瞬間があって。大々的な20周年もいいけど、ささやかな若手支援も悪くないかなと。自社よりも他者なんて、そもそもの自分にはあり得ない発想なんだけど。コンペもポスターデザインも予告編も終始遊んでみました。これくらい力を抜いた方が断然イイものができるんだという発見。初めて会う若手たちとの交流は新鮮で刺激的。独りよがりで頑なオジサンにならないと誓うこともできた。災い転じて──とか言うけど、まさにそれ。『20祭』とは成り行きの産物であり、単なる20年の通過点に過ぎない。
また、『20祭』と共に、『ディアーディアー』『馬の骨』が一夜限りのリバイバル上映決定している。
『20祭』
2023年7月29日~8月4日、池袋シネマ・ロサにてレイトショー
プロデューサー:桐生コウジ
企画・製作・配給:オフィス桐生
『Smoky-Story』
脚本:安藤圭吾
監督:粟井モネ
出演:まぶキ 畑中惟吹 山本萌々香 内田竜次 山下諒 岡田翔
【ストーリー】 すれ違う6名の男女を20本のタバコが繋ぐクリスマスイブ
大阪芸術大学OBユニットの安藤圭吾(脚本)と粟井モネ(監督)による共同作品。
『ツチノコの蒲焼き』
脚本:桝本力丸
監督:井上優斗
出演:飛葉大樹 土師野隆之介
【ストーリー】 自分探しの二十歳の青年が、ツチノコ探しの謎の男に出逢う。本コンペ唯一のコメディ。脚本:桝本力丸(日本大学芸術学部)、監督:井上優斗(玉川大学芸術学部)の学生コンビ。
『二十才の夜』
脚本・監督:平田雄己
出演:前田旺志郎 遠藤健慎 福永拓海 綾乃彩
【ストーリー】 仲間が逝った、やるせない二十歳の長い一夜のできごと。全編ナイターによる、平田雄己(日本大学芸術学部を経て東京藝術大学大学院)脚本・監督の意欲作。
『春の結晶』
脚本・監督:安川徳寛
出演:中澤実子 櫻井成美 さくら 鎌田らい樹 松崎未夢 宮澤美保
【ストーリー】 残り20枚となったカメラのフィルムに映る友情の行方。本コンペ最年長、助監督歴も長い安川徳寛(脚本・監督)が描く、オール地元長野ロケでの短編デビュー作。
©2023『20祭』事務局