『タクシードライバー』(76)『レイジング・ブル』(80)など、これまでに数々の傑作を手掛けてきたポール・シュレイダーが監督・脚本を手掛け、盟友マーティン・スコセッシが製作総指揮を務めた最新作『カード・カウンター』が、6月16日より公開される。このほど、日本版予告編と場面写真がお披露目となった。
元上等兵のウィリアム・ティリッチは特殊作戦兵士として自らがアブグレイブ捕虜収容所で犯した罪に苦しみ、刑務所で服役した後、ギャンブラーとして出直そうとしている。しかし、彼は今も過去に犯した行為に心が苛まれている。孤立と絶望を断ち切り、愛と人とのつながりを手にした後でさえも。唯一の解決策は自らの過去に向き合うことだった…。
⽇本版予告編は、モーテルの家具を白い布で全て覆う主人公ウィリアム・テルの奇妙な日常から幕を開ける。彼は刑務所に収監されている間に習得したカード・カウンティングの技術を駆使し、ギャンブラーとしてカジノを渡り歩いていたが、「過去の行いが作った重荷は永遠に取り除けない」と語り、出所後も罪に囚われ禁欲的な生活を自身に課し過ごしていた。しかし、ある日、偶然に出会ったカークと名乗る青年に、かつて自分に罪を被せた男への復讐を持ち掛けられたことで運命の歯車が動き出す。
華やかだが、どこか物寂しさを感じさせるカジノの景色や、モノクロの映像で差し込まれた彼の忌々しい過去、「あなたが過去に何をしてても構わない」と告げるギャンブル・ブローカーのラ・リンダとのロマンスを予感させる、ネオンの光が鮮やかな場面などを切り取った本編への期待が高まる映像に仕上がっている。無表情で迷いなく拷問行為を行う姿や、刑務所で口に血を滲ませて相対する男を挑発する、狂気を感じさせるオスカー・アイザックの演技にも注目だ。
場面写真は、ウィレム・デフォー演じるウィリアム・テルの人生を狂わせた元上官ジョン・ゴード少佐の姿や、カークが自分の連絡先をテルに渡すまさに運命が動き出す瞬間、ラ・リンダからのデートの誘いを断りモーテルの部屋で一人机に向かうテルの姿など印象的な場面が確認できる。「理性を失ったプレイヤーは暴走する。誰だってそうなる可能性はある」と語る、彼が最後に選ぶ運命とは?
『カード・カウンター』
2023年6月16日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほかにて全国順次公開
監督・脚本:ポール・シュレイダー
製作総指揮:マーティン・スコセッシ
出演:オスカー・アイザック ティファニー・ハディッシュ タイ・シェリダン ウィレム・デフォー
配給:トランスフォーマー
© 2021 Focus Features. A Comcast Company.
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