MC:宮沢賢治が文字を書くところは、あれは菅田さんの手ですよね?しかも、はみ出るぐらいで書いているっていう。
菅田:宮沢賢治さんが書いた実物が残ってるんですよね。それも花巻市の宮沢賢治館に売ってたりするんですけど、それを買って練習して、執筆中のシーンとかは、ここで間違えて消してとかっていうのがいっぱいあるんで、そういうのは監督に見てもらいつつ、日夜みんなで「こういう間違いじゃないか?」みたいに作ってましたね。でも、たくさん原稿を見させてもらったんですけど、すごいかわいい文字というか、おしゃれというか、誰かに自分の原稿を見られるつもりでいたのかなぐらい美しかったです。全ページとても雑に書いたと思えない。それが不思議でした。宮沢賢治記念に売ってるので、ぜひ(笑)。
MC:ありがとうございます。さて、ここで皆さんに共通質問です。この作品は親バカとバカ息子っていうところも一つのテーマにもなってるんですけど、皆さんご自身が自分はバカだなあと思ったエピソードを教えてください。
役所:小学校5年生のときにですね、ちょっと色気ずくというか。運動会のマスゲームの練習があったんです。体育の時間に。みんなで手をつないでやってるんですけど、こんな馬鹿らしいことやりたくないなと思ったんですよね。で、運動会もあんまりやりたくないなと思ってたんです。で、その運動場に小さな穴があって、それでちょっと(足を)グリッといったんですよ。で、瞬間的に「これで運動会出なくても済むかもしれない」と思って、「痛い痛い」って言ってたら担任の女の先生が病院に連れてってくれて、レントゲンを撮られて。これで嘘がバレるなと思ってたら、「ヒビが入ってます」って言われたんですよ。俺、全然痛くなかったんですけど(笑)。それですごいギプスをされて、先生におんぶされて家に送ってもらう時は、本当に「ごめんなさい」と思って。一ヶ月ぐらいですか?そのギプスの中がかゆくてかゆくて…、バカだなと思いました(笑)。
MC:菅田さんはどうですか?
菅田:中学一年生の時に、理科の時間があったんですよね。いつもの教室は違う実験室みたいなところで、僕も「なんかつまんないなあ」と思ってたんですよ。で、そのときにピンセットを使って顕微鏡を覗くみたいな授業で、ピンセットを片手に持って授業を聞いてたんですよね。で、ピンセットの先がなにか当たるのが楽しくて、後ろの壁にカラカラやってたら、なんか引っかかるところがあって、引っかかるなと思って「ここぴったりそうだな」と思って、パッとやったらそこコンセントで、次の瞬間「バン」って爆発が起こって、学校が停電になりました。5分後ぐらいに明るくなって、「菅田!」って怒られて、俺、気づいたらなんか泣いてて、ピンセットはこの世からから消えました。バカすぎますよね(笑)。一瞬の出来事すぎて訳わかんなかったですけど。放心状態というか。その時に、コンセントにピンセットを差しちゃダメなんだと学びました(笑)。
MC:森さんはどうですか?
森:最近の話なんですけど、旅行用に詰め替えるじゃないですか。化粧水とかシャンプーとか色々あったんですけど、旅行用なんで先に使い切っちゃおうと思って、化粧水を小さい容器から毎日出して使ってたんですよ。で、この化粧水ちょっといい感じみたいに思ってて、そしたら1週間ぐらい使った後に顎の下からピリピリ皮がむけ始めて、好転反応かな?みたいな感じで思って使ってたんですよ。でも使う時に小さい泡が立つ感じで、変わった化粧水だなーみたいに思ってたんです。で、あんまりにも皮がむけるから、もしかしてと思ってお風呂場に走ってその化粧水を手に出して、わしゃわしゃってやったらモシャモシャって泡が立って、後から分かったんですけどシャンプーだったんですよ。シャンプーを毎日化粧水として使って、丁寧にクリームをして寝ていたっていう。しばらくここから痕が消えなくて。それは結構バカとしか言いようがないというか、結構しょげましたね、悲しかったです(笑)。
MC:豊田さんはありますか?
豊田:僕も最近なんですけど、すごくシンプルで。今年に入ってから2回、家の鍵をなくしました。ただ、2回なくしたんですけど1回目は見つからなくて、もらいに行って、2個目になくした時は絶対に見つけなきゃいけないと思って、道を探しまくって最終的に見つけたんで、単純に鍵をなくしておバカだったなっていうエピソードはありますね。
菅田:みんな過去の話だけどそれちょっと怖いね。歩いてて落としたってこと?
豊田:それが分かってたら多分無くしてないから…。
菅田:…お前、賢いな。確かに。
豊田:僕も思ったんですよ。どっかで落ちたのかなと。でも分かんないからどうなんだろうと思って。だから大きいキーホルダー、今つけてます。
MC:坂井さんはどうでしょうか?
坂井:私は「真紀」という名前で、両親が嘘がない子に育つようにって付けたって聞いてたんですけど、そのおかげなのか結構まっすぐな性格になりまして、小学校6年生の時に、その年から入ってきた担任の先生がいて、私たちも5年間もその小学校にいるので、なんとなく関係性がうまくいってないかなーみたいな雰囲気になったんですね。そしたら先生がそれを気にされたのか、白い紙を全員に配って「私に対して何か悪いと思うこと、先生の悪い部分でも何でもいいから書いてください」って渡されたんですね。それで私は正直に「先生のこういうところを直した方がいいと思います」と、言われたから全部書いたんですね。そうしましたら書いてるのが私たった一人で(笑)。私以外の人は社会というものを分かっていて、その時に私は社会の厳しさと、そういうふうに生きていかなきゃ、書いちゃいけなかったんだなっていうことを知り、両親も校長先生に呼び出されてしまって(笑)。バカ娘ですよね(笑)。
役所:それは先生が悪いね(笑)。
MC:田中さんはいかがですか?
田中:あまりに長くたくさんバカなことをやってきているんで、これと言ってピックアップする能力がもはやなくなっているんじゃないかと。本当に、ドキドキするぐらいに順番が来なきゃいいのにって思ってました(笑)。ずっとバカでした。これからもきっとバカが続くと思います。その中で一番っていうのは、僕は一番が苦手で、2番目からだったら話せたかもしれません。終わります(笑)。
MC:ありがとうございます(笑)。それではお時間です。最後にメッセージをお願いします。
役所:成島監督の元に集まったスタッフキャストで一生懸命作りました。本当にこの映画が皆さんの心に届くといいなと心から思ってます。どうぞゆっくり笑ったりハラハラドキドキしたりして、この映画を楽しんでください。今日はありがとうございました。
菅田:笑えるところもたくさんありますし、悲しいところもありますけど、ちゃんと両方ある宮沢家の愉快な家族の話、僕は素直に試写を観て感動しましたし、知れて良かったなと思った映画でした。どうか好いてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。
成島:今日皆さん本当にありがとうございました。この日を迎えられて本当に今、感無量です。胸いっぱいです。この素敵なメンバーとこの映画を作れたこと、本当に映画の神様に感謝してます。今日は楽しんでいってください、映画を最後まで楽しんでください。ありがとうございました。
『銀河鉄道の父』
2023年5月5日(金)より公開
監督:成島出
原作:門井慶喜「銀河鉄道の父」(講談社文庫)
主題歌:いきものがかり「STAR」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
出演:役所広司 菅田将暉 森七菜 豊田裕大 坂井真紀 田中泯
配給:キノフィルムズ
【作品概要】宮沢賢治の父・宮沢政次郎。父の代から富裕な質屋であり、長男である賢治は、本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は適当な理由をつけてはそれを拒む。学校卒業後は、農業や人工宝石、宗教と我が道を行く賢治。政次郎は厳格な父親であろうと努めるも、賢治のためなら、とつい甘やかしてしまう。やがて、妹・トシの病気を機に、賢治は筆を執るも…。宮沢賢治の生涯を、父親の視線を通して活写する、究極の親子愛を描いた傑作にして、第158回 直木賞受賞作の『銀河鉄道の父』、待望の映画化。
©2022「銀河鉄道の父」製作委員会