【全文掲載】菅田将暉「“チェロ:菅田将暉”って書いてほしい」オファーと違う!?予定外の弾き語りに「ヘトヘトな顔してましたね」

MC:そして成島監督が、ぜひお父さん役には役所さん、そして賢治役には菅田さんと言うオファーがあったと聞いてるんですけれども、お二人初共演にだったんですよね。共演されていかがでしたか?

役所:最高です(笑)。

菅田:最高です(笑)。

役所:もともと、菅田ファンでしたし、いつか一緒に現場に立ちたいなと思ってまして。また、宮沢賢治という役が菅田くん以外には思いつかないぐらい、菅田くんに合ってる役だなと思っていました。

菅田:恐れ多いですよね。“役所広司教”なんで、僕は。本当にこんな幸せな時間はないっていう感じでしたし、宮沢賢治役で成島組ですから、すごい楽しみでした。

MC:共演は楽しかったですか?

菅田:楽しかったです、すごくずっと。

役所:喧嘩もしてなくて(笑)。

MC:宮沢賢治像っていうのを勝手に作り上げていたんですけれども、皆さん自身は、この作品に出会う前と出会ってから印象は変わりましたでしょうか?

役所:変わったというか、僕は宮沢賢治という作家のことはあまり知らなくて、作品のこともあんまり知らなかった。だから、この作品に関わって、原作を読ませてもらって政次郎役をやって、宮沢賢治の作品とか詩とか、宮沢賢治という男の作家の人生が全部詰め込まれていて、作品の深さを感じたような気がしました。イチという母親が子供たちに「人というのは人のために何かをしてあげるために生まれてきたんだ」と教えて、その教えを子供たちがちゃんと生かして大人になってきていますので、宮沢賢治の詩っていうのはものすごく美しいものに感じましたね。

MC:菅田さんは、今回の宮沢賢治像はどうでしたか?

菅田:身近に感じました。家族として描かれている宮沢賢治っていうものは見たことなかったですし、全然詳しくないですけど、童話作家とか物語のイメージでしたけど、家族の話とか、身近に起きたものの心情を書いた作品も多いんだみたいな。それを読むと、また全然違う印象だったので、人間味に触れられたのは良かったですね。

MC:森さんはどうですか?

森:私はこの中でも学生から卒業して間もないこともあったので、教科書の中の偉人というイメージが強くて、少し硬く考えていたんですけど、台本を読んだ時にこんなに面白かったんだっていう。宮沢賢治の周りに居る人たちのことをあまり考えたことがなかったけど、こんなにユーモアのある人たちに囲まれて生きている人だったんだなと考えたり、それで改めて作品を読んだりすると、何倍も面白く見えてくるというか。これが、高校生の時だったら本当に楽しく教科書を開けていたのになあっていうのは思って(笑)。ぜひ今、高校生の方とか、教科書を開きづらいって人も気軽に観に来てほしいなあっていうのは、完成してからもその原作を読んでからもすごく思ってます。

MC:菅田さんが宮沢賢治さんだったわけですから、また違った発見とか楽しさってあったんじゃないですか?

森:すごく楽しかったです。菅田さんとは二回共演させていただいたんですけれども、一回目の時は今ほど近い距離ではなかったので、少し不安もあったんですけど、現場に入ってみる?と菅田さんが本当にお兄ちゃんのように感じてくるんですよ。すごい細かなところで気遣いをしてくださったりとか、私より年下の弟たちもいるんですけど、そういう人たちとも楽しく話をしているのを見てたりすると、本当に菅田さんって何人いるんだろうな?ぐらい(笑)。今回は宮沢賢治としての姿をたくさん見せてもらったので勉強になりましたし、一緒に兄妹役をできたことがすごく幸せに感じていました。

MC:豊田さんはいかがでしたか?

豊田:僕も森さんと同じで、教科書の人っていうイメージがすごく強かったんですけど、台本読んですごくマルチに活躍されてる方だなあっていうか、チェロを弾いたり、詩を書いたり農業やったり、本当に菅田さんと通ずる部分があるんじゃないかなって僕は勝手に思ってしまって、お兄ちゃん役だったっていうのもあるんですけど。宮沢賢治を知らなかったんですけど、こんなにマルチな才能がある方なんだなっていうのを知れて良かったです。

MC:坂井さんはどうですか?

坂井:私も「雨ニモマケズ」の作品のイメージがとても強かったので、すごくストイックなイメージを持ってたんですが、この作品に関わって、すごく人間味があって好奇心旺盛で、心の中にロック魂があるような。それを知ってから作品を読むと、すごくロックなところがいっぱいあるなって改めて感じました。

MC:田中さんはいかがでしょうか?

田中:若い頃からよく作品には触れてました。僕はたくさんの人に憧れて生きてきたんですけど、そのたくさんの憧れの人のかなり上位を占める人で、僕が役者をやってるのもその影響かなと言えます。おじいさんが、この映画の中に出てくるんですけども、お父さんと息子の話でもあるんです。そのお父さんにもお父さんがいるということが、ご覧になれば、きっと分かっていただけると思います。大役です(笑)。