「裏切り者がうようよしてるわ」第二次世界大戦下の愛憎劇『未来は裏切りの彼方に』予告編

新進気鋭のスロバキア人監督ペテル・マガートが、デブリス・カンパニーの舞台劇「EPIC」をベースに、北アイルランドの脚本家ユエン・グラスが手掛けたオリジナル脚本を映画化。ナチス・ドイツに対して起こったスロバキア民衆蜂起を背景に描いた愛憎劇『未来は裏切りの彼方に』が、4月14日より公開される。このほど、予告編、追加場面写真がお披露目となり、キャストらよりコメントが寄せられた。

1944年、スロバキア第一共和国。第二次世界大戦下、仲間たちが楽しむ娼館を後に、部隊から脱走した一人の若い兵士がいた。彼は、流産後田舎の軍需工場で働く妻の元に身を寄せ、脱走兵であることを隠しながら妻と共に工場で働き始める。しかし、運命のいたずらか、娼館にいた謎の美女が工場経営者と結婚するために村にやってきて……。

流産したばかりの妻・エヴァ役を演じた、スウェーデン生まれの『ザ・クーリエ』(2019)出演のアリシア・アグネソン、部隊から脱走して妻の元に帰った夫・ジャック役を演じた、イギリス出身で『リジェネレーション』(2015)でも主演したラクラン・ニーボア、主題歌『人間らしくありたい』(”Zachovám si svoju tvár”)を担当したシモナ・マグシノヴァーのコメントが届いた。なお、主題歌のオフィシャルMVには、映画本編の映像がふんだんに使われており、登場人物たちの喜怒哀楽の表情が垣間見える。

▼主題歌『人間らしくありたい』(”Zachovám si svoju tvár”)オフィシャルMV

▼キャスト&スタッフ コメント

■アリシア・アグネソン(エヴァ役)
強い女性や、困難に負けずに生きていくことについての素晴らしい物語を描いています。今でも、昔と変わらず重要なテーマだと思います。ぜひ見に来てください。きっと素敵な時間が過ごせるでしょう。

■ラクラン・ニーボア(ジャック役)
この映画は、困難な時代に生きる人間たちについての、豊かで多層的な物語です。私が演じるジャックは複雑なキャラクターで、戦時中の国への愛と家族への愛の間で引き裂かれ、彼は家族を選びます。この物語は、強いキャラクターが時にどのように妥協しなければならないかを、美しく、誠実に描いています。ぜひ楽しんでご覧ください。

■シモナ・マグシノヴァー(主題歌)
人間は困難な状況に陥ると、意識的あるいは無意識的に自分を失い、否定し、歪め、壊し、変化します。でも、困難な状況でも自分をなんとか保とうとする人、あるいは立ち戻ろうとする人もいます。この映画の主人公のそういうところや映画のテーマが好きです。それは私の人生の励みにもなりました。だからこそ主題歌『人間らしくありたい』(”Zachovám si svoju tvár”)まで作ってしまいました。この主題歌も私にとって個人的で、リアルなものです。この映画は、キャストたちの演技が素晴らしいのはもちろんのこと、時代の違う私たちを映しだす鏡として、見る価値があると思います。

『未来は裏切りの彼方に』
2023年4月14日(金)より、アップリンク吉祥寺、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都、あつぎのえいがかんkiki、4月15日(土)より新宿K’s cinemaほかにて全国順次公開
監督:ペテル・マガート
脚本・原案:ユエン・グラス
出演:アリシア・アグネソン ブライアン・キャスプ ラクラン・ニーボア クララ・ムッチ ヤン・ヤツクリアク クリスティーナ・カナートヴァー アビゲイル・ライス エイミー・ラフトン 
配給:NEGA

【ストーリー】 第二次世界大戦末期、スロバキア第一共和国の歩兵部隊は森の中に佇む娼館を見つけ、ひと時の休息を楽しんでいた。仲間たちが娼婦と個室に消えるなか、流産したばかりの妻エヴァ(アリシア・アグネソン)から届いた手紙を握りしめていたジャック(ラクラン・ニーボア)は娼館を抜け出し、夜の森を走り出す。銃声の音を耳にしながら軍から脱走したジャックは、エヴァとの再会を果たし、エヴァが傲慢な男バール(ブライアン・キャスプ)が経営する田舎村の軍需工場で働いていることを知る。脱走兵であることを隠し、工場で働き始めるジャック。そんな中、戦後の工場経営に危機を感じていたバールは、注文確約の条件して政府の役人ハナーチェク(ヤン・ヤツクリアク)の愛人との結婚を要求される。その女とは、ジャックが逃げた娼館にいた美女・キャット(クララ・ムッチ)だった。

©2020littlekingdom