祖国と家庭どちらを愛しているか?『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』予告編

1967年に放送され、放送直後から抗議が殺到し、閣議で問題視されたTBSドキュメンタリー史上、最大の問題作と呼ばれた作品が半世紀の時を経て現代に蘇る。『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』が2023年2月24日より公開される。このほど、予告編がお披露目となった。

サブカルチャーの先駆者であり劇作家の寺山修司が構成を担当し、街ゆく人々に「日の丸の赤は何を意味していますか?」「あなたに外国人の友達はいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」といった、人々が普段考えないような本質に迫る挑発的な質問を、次々とインタビューしていく。長年タブーとされていた本作を、「現代に同じ質問をしたら、果たして?」 という思いから、ドラマ制作部所属で、本作が初ドキュメンタリーとなる若干28歳の佐井大紀は、1967年と2022年のふたつの時代を対比させることにより「日本」や「日本人」の姿を浮かび上がらせようと、自ら街頭に立った。

予告編では、「TBSドキュメンタリー史上最大の問題作が現代に蘇る」というセンセーショナルなナレーションとともに、街ゆく人に“日の丸の赤は何を意味しているか”や“祖国と家庭どちらを愛しているか”といった、挑発的で無機的なインタビューを矢継ぎ早に行う様子が切り取られる。55年前に寺山修司が構成を手掛け、テレビという公共の電波を使った壮大な実験であった番組である「日の丸」を現代に蘇らせるというのだ。真摯に答える人、いらだちを露わにする人。そこに映し出されるのは、過去、そして現代の日本と日本人の姿―。「国家」とは何かを追い続けていた寺山修司による「挑発」に込められた思惑や驚異のトリックが、当時を知る関係者から赤裸々に語られる。情念の反動化に対する挑戦とは?詩的なアジテーションとは?そして、日本人の正体とは?予想外の急展開に我々はきりきり舞いしながら、テレビの限界に挑んだ人々の思いに触れ、激動の現代における自らの存在を考えさせられる映像となっている。

『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』
2023年2月24日(金)より、角川シネマ有楽町、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督:佐井大紀 
出演:高木史子 村木眞寿美 金子怜史 安藤紘平 今野勉
語り:堀井美香 喜入友浩(TBSアナウンサー)
配給:KADOKAWA 

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