余命宣告を受けた父親と一人息子の“家族探しの旅”『いつかの君にもわかること』2023年2月公開

ヴェネチア国際映画祭4冠『おみおくりの作法』のウベルト・パゾリーニ監督が7年ぶりに監督・脚本を手がけた、実話から生まれた希望と感動の物語『Nowhere Special』が、邦題『いつかの君にもわかること』として、2023年2月17日より公開されることが決定した。併せてメイン写真がお披露目となった。

世界中の映画祭で絶賛され、日本でもわずか1館での公開から最終的に100館を超え異例のロングランヒットを記録した『おみおくりの作法』。日本でも今年に阿部サダヲ主演『アイ・アム まきもと』としてもリメイクされ話題を集めるなど、今もなお愛され続けているヒューマンドラマの傑作である。その生みの親である名匠ウベルト・パゾリーニの待望の最新作では、余命宣告を受けたシングルファーザーが、自分が亡き後に息子が一緒に暮らす“新しい家族”を探し求める物語。監督が実際の記事から着想を得たという本作は、力強く紡がれた父子の絆を通じて、ヴェネチア国際映画祭をはじめ世界中で涙と感動の評価を受け、米映画レビューサイトRotten Tomatoesでは驚くべきことに100%フレッシュ!を記録している「生」と「死」という普遍的なテーマから新たに誕生した感動作が、日本中を優しい涙で包み込む。

父親のジョン役を演じたのは、『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』のジェームズ・ノートン。我が子のために過酷な運命に立ち向かう姿を寡黙な演技で体現し、内面に抱える複雑な感情までをも見事に表現している。息子のマイケル役には、本作がデビュー作となるダニエル・ラモント。100人以上に及ぶ候補者から見出された逸材であり、生まれながらの感性と天才的な表現力で、本物に見間違えるような親子を演じ切った。

ウベルト・パゾリーニ監督はメロドラマや感情主義とは最大限に距離をおいた繊細かつ“控えめ”な撮影手法を採用。余計な情景描写や登場人物の会話などを極力排することによって、父子の心情の移ろいを丁寧に描き出そうとしたのは、敬愛する小津安二郎の影響を受けているという。『おみおくりの作法』では真心を持って他人の死を弔い、あの世に送り出す男を描いたパゾリーニ監督。本作では自らの死と向き合う父親が、愛する息子と“新たな家族”を探す物語を通して、全く異なる視点から再び生と死という普遍的なテーマを観る者に投げかける。

メイン写真は、父親のジョンと息子のマイケルが、青いベンチに並んで座っている姿が切り取られている。ジョンの表情からは、自分の死後に一人残されてしまう息子を想い、考えに浸っている心情が伝わってくる。そして隣で座るマイケルは父親の深刻な様子を察して、心配そうに見つめているように思える。

『いつかの君にもわかること』
2023年2月17日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
監督・脚本:ウベルト・パゾリーニ
出演:ジェームズ・ノートン ダニエル・ラモント アイリーン・オヒギンス
配給:キノフィルムズ

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