古川琴音「人間そのものの存在が怖くなるような居心地の悪さ」清水崇総合プロデュース『みなに幸あれ』2023年公開

昨年第1回が開催された、日本で唯一のホラージャンルに絞った一般公募フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」(主催:KADOKAWA)の初大賞受賞作品である『みなに幸あれ』が、清水崇を総合プロデュースに、古川琴音を主演に迎えて2023年に映画化されることが決定した。

本作は、「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」という、人類の宿痾と言ってもいい根源的なテーマが根底に流れる作品。とある村を舞台に、この世界の特異な成り立ちに疑問を持った古川演じる主人公が行動を起こすが、逆にどんどん追い込まれていく様を描き、「この世界にはある法則が存在する。それを知らないと死ぬことになる…」という得体の知れない恐怖と対峙することになる。

主演は、今最も旬な俳優の一人で、若手俳優の中でも抜きんでた演技力で評価の高い古川琴音。古川自身初めてのホラー映画への出演となり、先ごろクランクアップした撮影現場では、真に迫った心の底から恐怖を感じる演技を見せている。

メガホンをとるのは、「日本ホラー映画大賞」にて同名タイトルの短編映画として大賞を受賞した下津優太。下津は本作にて商業映画監督デビューとなり、誰も観たことのない斬新な恐怖の世界を創り上げることに挑んでいる。そして、総合プロデュースを手掛けるのは、日本ホラー映画界の重鎮である清水崇。清水のホラー映画への豊かな知見を活かし、新人監督への強力なバックアップを行っている。

企画の成り立ちは、ホラージャンルの先駆者企業・KADOKAWAが昨年から主催する「日本ホラー映画大賞」の大賞受賞作品の映画化の第一弾作品となり、同大賞の審査委員長を務めるホラー映画界の巨匠・清水崇監督が映画化へ向けたバックアップに入り、ホラージャンルの新たな才能の発掘と支援を目的とした取り組み。「日本ホラー映画大賞」は大賞授賞監督に商業映画デビューが約束されており、第1回で大賞を受賞した下津監督の原案の短編を長編へとグレードアップさせ新たに制作した作品となる。また第2回となる作品一般公募は11月末日まで応募を受け付けており、実写、アニメーションともに意欲的な作品が集まっている。次回作の制作へも益々期待が高まっている。

本作の撮影は主に福岡県田川郡の各所で行われ、筑豊地方の優美な自然の風景を逆手に取り、不穏な空気感を随所からすくいあげている。現在は撮影を終え、23年の公開を目指しポストプロダクション中となる。世界市場も視野に入れた、誰も見たことのない新しい感覚のホラー映画に期待したい。

■古川琴音(主演)コメント
今回、映画の主人公、ある家族の“孫”役を演じることになりました。本作は誰かの犠牲の上に誰かの幸せは成り立っているのだといったことをテーマに、人間の幸せの核心に迫る、新感覚の社会派ホラーです。私が演じる主人公は、社会の仕組みに抗おうともがきますが、そこに逃れられない恐怖が迫ってきます。映画を観ている間はもちろん、観終わった後、人間そのものの存在が怖くなるような居心地の悪さというか、根源的な新しい恐怖を感じてもらえればと思います。『みなに幸あれ』ぜひご期待ください。

■下津優太(監督)コメント
理想ばかりを描いているだけでは何も解決しません。現実と向き合い受け入れることは非常に苦しみを伴う作業です。私は監督として、キャスト・スタッフを信じて、この企画と何より自分自身を信じて、今より1ミリでもよい社会になることを信じて、映画の持つパワーを信じて、懸命に取り組んで参りました。消費される映画ではなく、残る映画を作りたい。必ず作り手の想いは、受け手に伝わると信じています。映画『みなに幸あれ』ご期待ください。

『みなに幸あれ』
2023年公開予定
総合プロデュース:清水崇
原案・監督:下津優太
脚本:角田ルミ
主演:古川琴音

【ストーリー】 看護学生の孫は、ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いに行く。久しぶりの再会、家族水入らずで幸せな時間を過ごす。しかし、どこか違和感を覚える孫。祖父母の家には「何か」がいる。そしてある時から、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が迫って来る…。

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