第70回読売文学賞を受賞し、累計19万部を超える平野啓一郎のベストセラー小説を、『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督が妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝共演で映画化する『ある男』が、11月18日より公開される。このほど、10月27日にユナイテッド・シネマ豊洲にてジャパンプレミアが開催され、キャストの 妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、眞島秀和、柄本明、そして石川慶監督、原作者の平野啓一郎が登壇した。
別人として生きていた人物を描く本作にちなみ、「もし別人になれるとしたら、誰になりたいですか?」という質問が。これに窪田は迷いなく「妻夫木さん」と即答し、「撮影のシーンはあまりなかったんですけど、共通の趣味でボクシングとか一緒にやらせてもらったりして、ベネチア(映画祭)に行かせてもらったり。学びを止めない人というか、すごく周りに人がいる人っていう印象」とコメント。続けて「妻夫木さんの韓国の親友の俳優であるハ・ジョンウさんと一緒に御飯をさせてもらった時に、気軽に呼んでいただいて、僕はすごく嬉しくて。壁みたいなものが一切なくて。大先輩なんだけど、垣根とか境界線っていうものが本当にない人で、すごくリスペクトが高いです」と妻夫木を絶賛した。
さらに窪田は「ボクシングも僕は他の人と一緒にできないけど、進んでいろんな人とトライされるんですよ。僕はその精神力が全くないから。この前もプロの方と軽くスパーリングしたって聞いて。どういう精神力なんだろう!?」と、妻夫木の行動力に驚きを隠せない様子。これに妻夫木は「好きなことやってるだけなんですけどね…」と苦笑いで、「ボクシングもこの映画がきっかけで始めたんです。僕と柄本佑でよく一緒にやってるんですけど、佑と僕だけボクシングに関する役が決まってなくて。だけど一番練習している僕たちは、一体何を目指してるんだっていう(笑)。『なんでこんな頑張ってるんだろうね』なんて言いながら(笑)。楽しんでやってるんですけどね」と楽しくボクシングに打ち込んでいる様子を明かした。
そんな妻夫木は、「誰になりたいか?」という質問に、「『ブロークバック・マウンテン』という映画が好きで、ヒース・レジャーになりたい」とコメント。ヒース・レジャーについて「そこに生きてるんですよね。演じるっていうことって何なのか、僕もよく分からないんですけど、彼はフィルムの中で実際生きてるんですよ。どんなことを考えてるんだろうって、のぞいてみたいなと思いますね」と真剣な表情で語っていた。
『ある男』
2022年11月18日(金)より、全国ロードショー
監督:石川慶
原作:平野啓一郎「ある男」
脚本:向井康介
出演:妻夫木聡 安藤サクラ 窪田正孝 清野菜名 眞島秀和 小籔千豊 坂元愛登 山口美也子 きたろう カトウシンスケ 河合優実 でんでん 仲野太賀 真木よう子 柄本明
配給:松竹
【ストーリー】 弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者である里枝(安藤サクラ)から奇妙な相談を受ける。里枝の亡くなった夫、大祐(窪田正孝)の身元調査を頼みたいと言うのだ。里枝は離婚を経験後、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う大祐と再婚。新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日突然夫が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、大祐の法要の日、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が訪れ、遺影を見て「これ、大祐じゃないです」と言い放つ。愛したはずの夫“大祐”は、まったくの別人だったのだ…。城戸は、“ある男”の正体を追う中で様々な人物と出会い、衝撃の事実に近づいていくと、いつしか城戸の中にも他人として生きた男への複雑な思いが生まれていく…。
©2022「ある男」製作委員会