「見せ物にして楽しんでいる」警官による武力行使の記録『暴力をめぐる対話』予告編

2018年からフランス全土で政権に抗議を続ける“黄色いベスト運動”。対峙、衝突、警官による武力行使の記録映像から人間や国家が抱えるジレンマを徹底追及するドキュメンタリー映画『暴力をめぐる対話』が、9月24日より公開される。このほど、予告編がお披露目となり、併せてダビッド・デュフレーヌ監督よりコメントが寄せられた。

地方都市から瞬く間にフランス全土へ広がり、マクロン政権に異を唱え立ち上がった市民活動“黄色いベスト運動”。燃料価格、生活費高騰による社会的不平等に対する怒りと不満が高まるにつれ抗議はときに破壊行為へと激化。2019年3月16日にはパリで200人以上が警察に拘束され、衝突は今日まで続いていく。監督のダヴィッド・デュフレーヌは、警官による暴力行為を市民がTwitterに投稿・報告する“Allo Place Beauvau”をWEB上で管理する中で、多くのデモが抑圧の対象となり、死傷者を生む凄惨な武力鎮圧の増大を目の当たりにする。はたしてその「暴力」は正当な行為と呼べるものだったのか。いまも世界中の国々で警察と市民の衝突から血が流れる事件が起きている。民主主義国家の存続をかけた重要な問題に対して、本作は傷を負った市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストほか24人にデモの現場を映した数多の映像を提示して、対話を促し、疑問を語り合いながら、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究していく。

本予告編では、2018年からフランス政府への抗議が続く黄色いベスト運動における警官隊と市民の衝突の映像をもとに、警察の暴力をめぐる出演者たちの白熱した対話が映し出されていく。「デモ隊の破壊行為を放置するのか」「みんな警棒で殴られていた」傷を負った当事者、警察関係組織、弁護士らが互いの見解を語り合い、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究していく。

■ダヴィッド・デュフレーヌ(監督)コメント
この映画が遠く離れた地で公開されることを知り、この上ない喜びを感じています。なぜなら、これこそが映画の力だから。人々の意見や視点、そしてその相違を、空間と時間の旅へと送り出すことができるのが映画だからです。私は2012年に別の作品「Fort McMoney」で東京を訪れたこともあったので、なおさらです。最高です。日本の警察の行いや市民との関係性についての知識はありませんが、ぜひ知りたいと思っています。この映画が公開されることで、ひょっとしたら反響が得られるかもしれません。一つ確かなことは、全ての民主主義国家は今まさに岐路に立っているということです。国民の前で、警察はどのように振る舞うことができ、またできないのか?警察はどんな秩序を守るのか?改めて、この映画が日本で公開されることを大変嬉しく思います。ありがとう。そして映画を楽しんでください!

『暴力をめぐる対話』
2022年9月24日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督:ダヴィッド・デュフレーヌ
配給・宣伝:太秦

【作品概要】地方都市から瞬く間にフランス全土へ広がり、マクロン政権に異を唱え立ち上がった市民活動“黄色いベスト運動”。燃料価格、生活費高騰による社会的不平等に対する怒りと不満が高まるにつれ抗議はときに破壊行為へと激化。2019年3月16日にはパリで200人以上が警察に拘束され、衝突は今日まで続いていく。監督のダヴィッド・デュフレーヌは、警官による暴力行為を市民がTwitterに投稿・報告する“Allo Place Beauvau”をWEB上で管理する中で、多くのデモが抑圧の対象となり、死傷者を生む凄惨な武力鎮圧の増大を目の当たりにする。はたしてその「暴力」は正当な行為と呼べるものだったのか。いまも世界中の国々で警察と市民の衝突から血が流れる事件が起きている。民主主義国家の存続をかけた重要な問題に対して、本作は傷を負った市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストほか24人にデモの現場を映した数多の映像を提示して、対話を促し、疑問を語り合いながら、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究していく。

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