「革命を起こしたい」深川栄洋監督が原点回帰!『42-50 火光(かぎろい)』10月公開

自主映画からキャリアをスタートさせて以降、『白夜行』や『神様のカルテ』、「桜のような僕の恋人」「和田家の男たち」など映画やテレビなど数々の作品を手掛けてきた深川栄洋監督が、2019年から作り始めた2つの異なる自主映画作品を「sideA」「sideB」と称して連続して公開する取り組み=return to mYselFプロジェクトを立ち上げた。その「sideA」として発表する『42-50 火光(かぎろい)』が、10月7日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。

本作は、子どもの頃は売れていた42歳・女優の佳奈と、脚本家の50歳の夫・祐司、ミドル世代に差し掛かった夫婦が、不妊治療というストレス、難病で死に向かう父、問題を複雑化させる姉妹、我が儘を拗らせる親たちなど切実な問題に葛藤する姿をユーモアを交えて描くヒューマン・ドラマ。
 
“子役の頃は売れていた”42歳の女優・佳奈を演じたのは、『櫻の園』の宮澤美保。そして深川がモデルとなっている、“それなりに仕事のある”脚本家・祐司役には、劇団 花組芝居の桂憲一。そのほか、日本映画には欠かせないベテラン俳優たちが脇をかためる。

深川監督と、監督の妻でもある宮澤が、結婚後3年の間に起きたことがベースの私小説的な作品となった『42-50 火光(かぎろい)』。ポスタービジュアルは、「この物語はフィクションです?」のコピーと共に、問題山積のはずの夫婦がグローブを頭に乗せたコミカルな姿が収められている。

場面写真は、不妊治療で通う病院でのツーショットをはじめ、リビングでの家族会議、お揃いのパジャマ姿で朝食を食べる夫婦の姿が見られる。

■宮澤美保(佳奈役)コメント
この度、夫である深川栄洋と映画を作りました。映画監督の妻になると言うことは、ある程度私生活をネタにされることもあるだろうと覚悟していましたが、ここまで赤裸々になるとは思ってもみませんでした。どこからどこまでが本当にあった出来事なのかはご想像にお任せしますが、あくまでもフィクションであることは強く申し上げておきます! とは言え、我が子のように愛すべき作品が出来上がりましたので、ぜひ劇場でご覧ください。

■深川栄洋(監督)コメント
私、監督の深川栄洋は自主映画の活動を経て27歳の時から映像業界に身を置いてきました。商業映画やテレビドラマを主戦場として18年のキャリアを積んで今は中堅監督です。その今の自分は、若い頃に考えて目指していた姿だったようにも思えます。ですが、その裏でどこか喪失感と焦燥感を感じている自分がいることに気がつきました。今一度。ここから次なる地平を目指して自分の中で革命を起こしたいと思います。それは女優である妻と共に、個人的な思考の探求を映画にして発表していくことです。その映画は今まで私が作ってきた商業作品とは異なり、世の中の「一隅を照らす」企画であり、社会派の映画であり喜劇であり私のポエムです。今回は初の試みといたしまして、2019年から作り始めた2つの異なる自主映画作品を、sideA/sideBとして連続で公開することになりました。sideAは『42-50火光(かぎろい)』と言って、私の経験からなる私小説のような作品。sideBの『光復(こうふく)』はダークな探求をしたR18指定の作品となっております。ぜひ、この機会にご高覧ください。  

sideA『42-50 火光(かぎろい)』
2022年10月7日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、下北沢トリウッド他全国順次公開
監督・脚本:深川栄洋
出演:宮澤美保 桂憲一 吉田幸矢 須永千重 八木さおり 棚橋ナッツ
製作・配給:スタンダードフィルム
配給協力:ポレポレ東中野

【ストーリー】 50歳、祐司は脚本家。42歳、佳奈は女優。2人は2年前に結婚した夫婦であり、夫の母と同居している。佳奈は最近、自分の演技に限界を感じていた。「子供を産んだことのない自分には、母親の役が上手く出来ない」と。夫の祐司とは積極的に子作りを意識していなかったが、家族会議で不妊治療を始めることになる。夫婦は不妊治療の現実を知ると、42歳はかなり遅いスタートになったと理解する。色んな情報や困難に悩みながらも、子供という希望が二人の日々を明るくしていく。しかし、ある時、佳奈の父、徹(69)が難病指定のALSを発症していることが分かる。夫婦の生活は不妊治療と難病の父を支える日々。ストレスが重なる佳奈は、同居する祐司の母、容子とボタンの掛け違いを生んでいく。「姑と妻の問題」に直面した祐司は、離れて暮らす姉妹に相談するが、「二人の小姑」の存在は問題をより複雑に炎上させていく。ミドル世代に差し掛かる夫婦には、若い夫婦よりも2倍3倍のストレスが降りかかる。不妊治療というストレス、難病で死に向かう父、問題を複雑化させる姉妹、我が儘を拗らせる親たち。東京で暮らす夫婦の実態を見つめた映画を通じて、観客は日本人の今(リアル)を知ることができる。結婚について、親と子について、妊娠について、死について、私たちは答えを出せるのだろうか。

sideB『光復(こうふく)』
2022年12月1日(木)より、下北沢トリウッドにて先行上映
2022年12月9日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、下北沢トリウッド他全国順次公開

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