日活による「日活ロマンポルノ」は、2021年11月20日に生誕50周年を迎えた。そのロマンポルノ50周年記念プロジェクトの一貫として、現代のさまざまな生き方や個性を認め応援する、時代の「今」を切り取った新企画「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」が始動し、松居大悟監督作『手』、白石晃士監督作『愛してる!』、金子修介監督作『百合の雨音』が、それぞれ9月16日、9月30日、10月14日より公開される。このほど、新作3作品の映像をいっきに紹介する予告編、ポスタービジュアル、メインカットがお披露目となった。
日活が1971年に製作を開始した「日活ロマンポルノ」が、2021年11月20日に生誕50周年を迎えた。「日活ロマンポルノ」は、日活が1971年に打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと、製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、監督たちスタッフは限られた条件の中で新しい映画作りを模索し、さまざまな表現に挑戦した。製作終了した1988年までの17年間に、約1,100本もの作品を公開し続けた結果、多くのスタッフ・キャストが育っていき、映画史においては、最もセンセーショナルな作品レーベルとして、現在も国内外で高く評価される。
1作目が封切られて以降、数々の名作が誕生し、昨年の第78回ベネチア国際映画祭のクラシック部門(ヴェニス・クラシックス)では『秘色情めす市場』が初選出された。日活は、これまで以上にロマンポルノ作品の多様性・エンタテインメント性・芸術性を訴求するために、ロマンポルノ50周年記念プロジェクトを実施している。プロジェクトの一貫として、現代のさまざまな生き方や個性を認め応援する、時代の「今」を切り取った新企画「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」を立ち上げ、新作3本を製作した。個性派の監督たちが、多彩なジャンルで女性を強く美しく描く。
予告編は、50周年イヤーに相応しくお祭り感のあるアップテンポな音楽とともに始まり、次から次へと映し出される映像には、3作品のキラーカットが収められている。松居大悟がリアルな男女の関係を描いた『手』は、さわ子(福永朱梨)と森(金子大地) が、隣の同僚を気にしつつも足元でこっそりじゃれあう姿や、2人だけに流れる甘いひとときが切り取られている。SMをコメディタッチに昇華させた白石晃士の『愛してる!』は、主人公のミサ(川瀬知佐子)が女王様カノン(鳥之海凪紗)に縄で縛られながら、鋭い眼差しを向けられている。大人の女性を艶めかしく映し出す金子修介の『百合の雨音』は、葉月(小宮一葉)と栞(花澄)が一線を越えてしまい戸惑いながら激しく求めあう表情にも注目。それぞれの作品をまとめて楽しめる予告編だ。
ポスタービジュアルは、「そろそろ愛について話さない?」のコピーの通り、多彩なジャンルで女性の強さや美しさを描き、現代のさまざまな生き方や個性を応援する、時代の「今」を切り取った新企画「ROMAN PORNO NOW」に相応しいポップなものになっている。
「ROMAN PORNO NOW」
『手』
2022年9月16日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:松居大悟
原作:山崎ナオコーラ「手」
出演:福永朱梨
配給:日活
【ストーリー】 おじさんの写真を撮っては、コレクションするのが趣味のさわ子(福永朱梨)。これまで付き合ってきた男性はいつも年上ばかりなのに、父とはなんだか上手く話せずギクシャクしていた。そんな時、同年代の同僚・森との距離が縮まっていくにつれて、さわ子の心にも徐々に変化が訪れる…。
『愛してる!』
2022年9月30日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:白石晃士
出演:川瀬知佐子 鳥之海凪紗 乙葉あい
配給:日活
【ストーリー】 ドキュメンタリーの密着取材を受ける地下アイドルのミサ(川瀬知佐子)は、SMラウンジ“H”のオーナーから、素質を見込まれ女王様としてスカウトされる。困惑するミサだったが、人気女王様・カノン(鳥之海凪紗)との出会いで、知らなかった快感に目覚める。そして、アイドルとSMの世界を駆け上がろうと決意をするが…。
『百合の雨音』
2022年10月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:金子修介
出演:小宮一葉 花澄
配給:日活
【ストーリー】 過去のトラウマから恋愛に臆病になっている葉月(小宮一葉)は、憧れの上司・栞(花澄)に秘かに想いを寄せている。一方、凛とした佇まいの栞もまた、夫との関係に思い悩んでいた。ある大雨の晩、お互いの心の隙間を埋めるかのように身体を寄せ合い一線を越えてしまう二人だが…。