第74回ロカルノ国際映画祭金豹賞を受賞した、インドネシア発の独創的な愛と復讐のドラマ『復讐は私にまかせて』が8月20日より公開される。このほど、予告編とメインビジュアルがお披露目となった。
本作の主人公は、向かうところ敵なしの若きケンカ野郎のアジョ・カウィルと、伝統武術のシラットを駆使する女ボディガードのイトゥン。そんな二人の電撃的な恋の行方を描くラブ・ストーリーを軸にしながら、アクション、バイオレンス、コメディ、エロス、ホラーのエッセンスを贅沢に散りばめ、怒濤の復讐ドラマへと転じていく映像世界は、まさに予測不能のスリルがみなぎっている。さらにインドネシアの著名作家エカ・クルニアワンがベストセラー小説を原作として提供し、共同脚本にも携わった本作は、第74回ロカルノ国際映画祭で最高賞の金豹賞に輝いた。
予告編は、冒頭、ケンカ野郎のアジョ・カウィル(マルティーノ・リオ)が意気揚々とバイクレースに挑むシーンから始まる。そんな負け知らずの男の前に突如現れた、シラットを駆使する最強のボディガードのイトゥン(ラディア・シェリル)。採石場を舞台に、華奢な身体からは想像できないアクションを繰り広げ、アジョを投げ飛ばすイトゥン。スタント無しの壮絶な肉弾アクション・シーンが目を引く。互角の決闘の果てに強く惹かれあっていく2人…アジョはED(勃起不全)のため、イトゥンを幸せにできないのではと思い悩むが、イトゥンのピュアで一途な愛で、とうとう2人は結ばれ、穏やかで幸せな時間が流れるのだった。しかし、イトゥンとの幸せな結婚生活を送るために、アジョは裏社会の殺しの依頼を引き受けてしまう。さらにイトゥンの幼なじみの悪党ブディが2人の仲を引き裂こうとするなど、彼らの人生の歯車は大きく狂い始める。お互いの為に奔走しあうアジョとイトゥン。運命に翻弄され、痣だらけ、傷だらけになりながら、愛を貫けるのか。また予告編の最後に映る、ベールをはいだ謎の女の正体とは…?
メインビジュアルは、イトゥンの力強い目力とシラットの手練れらしいアクションポーズが目を引く。運命の出会いを果たした最強の2人、まさに“アザだらけになりながら、恋に落ちていく”様子を想起させるビジュアルとなっている。
本作では黒沢清、沖田修一ら名だたる映画監督から絶大な信頼を受ける名手、芦澤明子がエドウィン監督からの熱烈オファーを受けて撮影を担当。コダックの16ミリフィルムを採用した映像の鮮烈な色彩、豊かな陰影、ざらついた質感が、物語の魔法めいたロマンティシズムの美しさ、暴力のまがまがしさを際立たせ、嵐のような愛と復讐のドラマを魅惑的にきらめかせている。また、往年の香港のカンフー映画、クエンティン・タランティーノ作品やJホラーへのオマージュをうかがわせる本作、エドウィン監督の独創的な映像世界にあわせた大胆なテロップ使いも光る。観客の想像を凌駕するストーリー展開と映像世界を体験しよう。
『復讐は私にまかせて』
2022年8月20日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか公開
監督:エドウィン
撮影:芦澤明子
出演:マルティーノ・リオ ラディア・シェリル ラトゥ・フェリーシャ レザ・ラハディアン
配給:JAIHO
【ストーリー】 1989年、インドネシアのボジョンソアン地区でケンカとバイクレースに明け暮れる青年アジョ・カウィルが、クールで美しく、男顔負けの強さを持つ女ボディガードのイトゥンとの決闘に身を投じ、情熱的な恋に落ちる。実はアジョは勃起不全のコンプレックスを抱えていたが、イトゥンの一途な愛に救われ、二人はめでたく結婚式を挙げる。しかし幸せな夫婦生活は長く続かなかった。アジョから勃起不全の原因となった少年時代の秘密を打ち明けられたイトゥンは、愛する夫のために復讐を企てるが、そのせいで取り返しのつかない悲劇的な事態を招いてしまう。暴力と憎しみの連鎖にのみ込まれた彼らの前に、ジェリタという正体不明の“復讐の女神”が舞い降りるのだった…。
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