フィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベックの終生の愛と友情を描く『魂のまなざし』場面写真

モダニズムを代表する画家のひとりとして、近年世界的に注目を浴びるフィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベック。その生誕160年を記念し、彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の時代を描いた『魂のまなざし』の公開日が7月15日に決定し、併せて、場面写真がお披露目となった。

シャルフベックは、ロシア帝国の支配下にあったフィンランドに生まれ、祖国の独立と内戦を経て封建的な世界が崩壊していく過程と歩調を合わせるように、画家として、女性として、一人の人間として自律的に生き、狂おしい愛に打ちのめされ生涯の友情を得る中で、自身と身の回りの存在を凝視しその本質を描きだす手法をひたすら追求した。抑圧的な母親や男性社会に臆せず、名誉よりも内から湧き出る情熱に従った。どん底にあってもやがて立ち上がって背筋を伸ばし歩んでいく。本作では、その凛としたシャルフベックの姿が、北欧の透明な光に輝く自然や街並みとともに全編美しい映像で描かれる。

場面写真には、真剣なまなざしでキャンバスに向かうシャルフベックの姿が収められる。いつも身に着ける黒いワンピースの手首部分は画家らしくかなり汚れている。左手にはパレットを抱え、右手で、構図を決めているかのように筆を縦に持つ姿は、数々の作品を残す彼女の日常を表す。

『魂のまなざし』
2022年7月15日(金)より、Bunkamura ル・シネマほか全国公開
監督:アンティ・ヨキネン
出演:ラウラ・ビルン ヨハンネス・ホロパイネン クリスタ・コソネン エーロ・アホ ピルッコ・サイシオ ヤルッコ・ラフティ
配給:オンリー・ハーツ

【ストーリー】 1915年、ヘレン・シャルフベック(ラウラ・ビルン)は、高齢の母親とともに田舎で暮らす、いわば忘れられた画家だった。それでもヘレンは湧き出してくる情熱のためだけに絵を描き続けていた。すべてが変わったのは、ある画商が訪ねてきて彼女が描き溜めていた159点のすばらしい作品を発見、大きな個展開催に向けて動き出したからだ。しかし、ヘレンの人生で最も重要な転機は、画商が紹介した15歳年下の青年エイナル・ロイターとの出会いによってもたらされる…。

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