「娘が映ってるんだ!」収容所から逃亡した囚人が、映画に1秒間だけ映る娘の姿を見ようと奔走『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』予告編

これまで米アカデミー賞の国際長編映画賞に3度ノミネートされ、多くの映画祭で華々しい受賞歴を誇る中国の巨匠チャン・イーモウ監督最新作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』が、5月20日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

文化大革命時代の中国が舞台の本作は、広大な砂漠を大胆に映し出す圧倒的な映像美を背景に、娘への父の想いを描く感動作。フィルムの中にたった1秒だけ映し出されるという娘の姿を追い求める父親と、幼い弟との貧しい暮らしを懸命に生き抜こうとする孤独な少女。決して交わるはずのなかった二人が、激動の時代の中で運命的に出会い、そして彼らの人生は思いがけない方向へと進んでいく…。

予告編は、「映画を愛する全ての人に捧げる作品だ」というチャン・イーモウ監督の言葉から始まり、「映画は終わったのか?次はどこで観れる?」と口にし、慌てて広大な砂漠の中を進む男(チャン・イー)の姿を映し出す。たどり着いた村では、村人総出で映画が来るのを心待ちにしており、「映画の上映は、この辺りじゃ一大事だ。数か月に一度の夜を、皆心待ちにしてる」と映画館の責任者・ファンは語る。しかし運搬途中の不手際で、膨大な量のフィルムがむき出しで地面にばらまかれ汚れてしまい上映不可能な状態になってしまう。その傍らには、「俺の娘が出てる」と22号のニュースフィルムの缶を手に取る男の姿が。実は彼は、そこに1秒映っているという娘の姿を見るために収容所から逃亡した囚人だった。一方、男はそのフィルム缶を盗もうとした小汚い子供(リウ・ハオツン)を捕まえる。名を問われるも「ないよ。親がいないから」という少女は幼い弟との貧しい暮らしを懸命に生き抜こうとしていた。そしてファンは、男や村人と共にフィルムを手洗いで洗浄し上映にむけて奔走する。本作は、文化大革命の混沌とした時代にあった中国で、映画に熱狂する市井の人々、そしてフィルムを巡る様々な切なる思いを描き、観客に改めて映画の持つ力を問いかけるだろう。

『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』
2022年5月20日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督・脚本:チャン・イーモウ
出演:チャン・イー リウ・ハオツン ファン・ウェイ
配給:ツイン

【ストーリー】 1969年、文化大革命真っただ中の、激動の中国。造反派に歯向かい、西北部にある強制労働所送りになった男(チャン・イー)は、妻に愛想を尽かされ離婚。最愛の娘とも親子の縁を切られてしまう。数年後、22号という映画本編の前に流れるニュースフィルムに、娘の姿が1秒だけ映っているとの手紙を受け取り男は、一目娘の姿を見たいと強制労働所から脱走。逃亡者となりながらも、22号のフィルムを血眼になって探し続け、映画が上映される予定の小さな村の映画館を目指す。だがフィルムを村まで運ぶ男の隙をついて、素早くのフィルムの1缶を盗み出す子供を目撃。ボロボロの格好をした小汚い少年だと思ったその子供は、孤児の少女・リウ(リウ・ハオツン)だった。果たして、逃亡者の男は愛しい娘の姿を見られるのか?

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