阿部寛「北村くんに怒られているような気がして…」、北村匠海の演技でリアルに落ち込んでいた!?

累計60万部を超える重松清の大ベストセラー小説を、阿部寛、北村匠海共演で初映画化する『とんび』が、4月8日に公開される。このほど、2月17日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて完成披露舞台挨拶が行われ、キャストの阿部寛、北村匠海、薬師丸ひろ子、杏、安田顕、大島優子、麻生久美子、そして瀬々敬久監督が登壇した。

本作の企画が立ち上がった時に、瀬々監督にラブコールを送ったという阿部。「『とんび』という作品は、過去にも何本か映像化されています。瀬々さんだったら、きっと違う切り口でやってくださるんじゃないかと思ったし、久しぶりにご一緒もしたかった。瀬々さんだったら、なんとかしてくれるだろうと思って」と監督へラブコールを送った経緯を明かした。これを受けて瀬々は、「“ラブ”はなかったと思います(笑)」と否定しつつも、過去に阿部と一緒に作った作品に触れつつ、「当時から阿部さんは良い人だと思っていたので、また仕事ができて嬉しいです」と照れ笑いを浮かべていた。

阿部演じるヤスの息子、アキラ役を演じた北村。阿部は北村との共演について、「本当にとんびが鷹を生んだというか。取材を受けていても、僕が言ったことを、サッとまとめてくれるんです。本当に父親思いというか、鷹だなと思います」と、息子・北村を絶賛。これに北村は「阿部さんの胸に飛び込んでいく毎日で。阿部さんの熱量を肌で感じたので、毎日全力でぶつかりに行った」と述べ、「まさに父だなと。大きい背中でした」と撮影を振り返った。

劇中での印象深いエピソードを聞かれた阿部は、「子供であるアキラに、初めて反抗されるシーンがあるんだけど、本当に一日中悲しくて、辛くて…(苦笑)。北村くんに怒られているような気がして…」と、北村の演技で本当に落ち込んでしまった思い出を苦笑いで明かしていた。

『とんび』
2022年4月8日 全国公開
監督:瀬々敬久
原作:重松清「とんび」
脚本:港岳彦
主題歌:ゆず「風信子」
出演:阿部寛 北村匠海 杏 安田顕 大島優子 濱田岳 宇梶剛士 尾美としのり 吉岡睦雄 宇野祥平 木竜麻生 田中哲司 豊原功補 嶋田久作 村上淳 麿赤兒 麻生久美子 薬師丸ひろ子
配給:KADOKAWA イオンエンターテイメント

【ストーリー】 昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。運送業者で働くヤス(阿部寛)は、今日も元気にオート三輪を暴走させていた。愛妻・美佐子(麻生久美子)の妊娠に嬉しさを隠せず、姉貴分のたえ子(薬師丸ひろ子)や幼馴染の照雲(安田顕)に茶化される日々。幼い頃に両親と離別したヤスにとって家庭を築けるということはこの上ない幸せだった。遂に息子・アキラ(北村匠海)が誕生し「とんびが鷹を生んだ」と皆口々に騒ぎ立てた。しかしようやく手に入れた幸せは、妻の事故死で無残にも打ち砕かれてしまう。こうして、父子二人きりの生活が始まる。母の死を理解できないアキラに、自分を責めるヤス。和尚の海雲(麿赤兒)は、アキラに皆が母親代わりなってやると説き、「雪が降っても黙って呑み込む広い海のようにアキラに悲しみを降り積もらすな、お前は海になれ」とヤスに叱咤激励するのであった。親の愛を知らずして父になったヤスは、仲間達に助けられながら、我が子の幸せだけを願い、不器用にも愛し育て続けた。そんなある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をついた…。

©2022『とんび』製作委員会