加賀まりこ「この映画には“やわらかな芯”がある。触ってみてください」著名人絶賛!『ゴヤの名画と優しい泥棒』新場面写真

今年9月に惜しまれながらも逝去した、『ノッティングヒルの恋人』などで知られるロジャー・ミッシェル監督の長編遺作で、197年の歴史を誇る美術館ロンドン・ナショナル・ギャラリーで起きた、フランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件を基にした感動の実話『ゴヤの名画と優しい泥棒』が、2月25日より公開される。このほど、新場面写真がお披露目となり、併せて、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

世界中から年間600万人以上が来訪し、13世紀後半から20世紀初頭までの間の2300点以上の貴重なコレクションを揃え「英国の至宝」と称えられる美術館ロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、そこでスペイン最大の画家と謳われるフランシスコ・デ・ゴヤの「ウェリントン公爵」盗難事件が起こった。この美術館の長い歴史の中で唯一にして最大の事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。彼はゴヤの絵画を“人質”に取り、イギリス政府に対して身代金を要求。TVが唯一の娯楽だった時代、その身代金を寄付してイギリスの公共放送であるBBCの受信料を無料にすることで、孤独な高齢者たちの生活を助けようと行動を起こした。しかし、事件にはもう一つの隠された真相があった…。約50年後に明かされる、イギリス中を巻き込んだ“優しい嘘”とは?

新場面写真には、椅子に腰掛けパイプをふかすケンプトン(ジム・ブロードベント)と編み物をする妻ドロシー(ヘレン・ミレン)の夫婦水入らずのシーンや、和気あいあいと朝食を共にするケンプトンと次男ジャッキー(フィン・ホワイトヘッド)の姿、そして拘置所内でサンドイッチを食べるケンプトンと敏腕弁護士ジェレミー・ハッチソン(マシュー・グード)のカットが収められる。

▼著名人 絶賛コメント

■中野京子(「怖い絵」著者・美術評論家)
アガサ・クリスティーのミステリーばりに、アッと驚くサプライズまで用意されているので、お楽しみに!

■加賀まりこ(女優)
この映画には“やわらかな芯”がある。触ってみてください。

■佐野史郎(俳優)
1960年代の映画館が蘇り切なくなった。「孤立し誰ともつながれない生き方はつらすぎる」とつぶやく老人の姿が若者と重なる。登場人物全てが主人公の極上ミステリー!!

■山田五郎(評論家)
これぞ英国!イギリス貴族の無表情な肖像画をイギリスならではの動機で盗んだ珍事件を、イギリスを代表する名優たちがイギリスらしいユーモアたっぷりに演じた名画です。

■小島秀夫(ゲームクリエイター)
1960年代のイギリスで起きた実話ではあるが、世界が孤立している今、まさに大切なものを与えてくれる作品。ラストの法廷で“良き隣人”のケンプトン・バントンが語る“優しい名言”には誰もが胸を突かれるはず。これこそ、ラブコメの傑作を描き続けてきた監督による極みの名画だ。

■石丸幹二(俳優)
名優が描き出す“老い”の姿は、わびしくもなく、切なくもない。厳しい現実に打ちのめされそうになろうとも、権力を平然と押し返し、柔らかく逞しく生きている。で、こう教えてくれるのだ。隣人を愛せ、そして、やっぱり人生はユーモアだぞ、と。

■井上芳雄(俳優)
ゴヤの名画を巡って、僕たちが日常で感じる違和感の正体を、本当に大切なものは何かを、特別に目に見える形で教えてくれる物語です。

■ハリー杉山(タレント)
寒い日の紅茶のように心温まる名作です。身体がポカポカする笑いと、愛に溢れるコメディに是非心を盗まれて欲しい。enjoy!

■岩渕貞哉(「美術手帖」総編集長)
アートを仕事にしている自分のような者にも、世の中には「歴史的名画」よりも大切なものがあると実感させてくれる、勇気とユーモアに溢れた映画。

■布施英利(美術批評家)
ロンドンの美術館からゴヤの名画が盗まれた!犯人の動機は?…この映画に、三島由紀夫の小説『金閣寺』と似た匂いを感じた。あなたは、どう思う?

■ブレイディみかこ(ライター)
「あなたが私を、私があなたを存在させる」。市井のおじさんの言葉が人々の心を動かした。「社会への信頼」という言葉を思い出させる映画だ。

■にしぐち瑞穂(英国王室研究家)
なんともダメダメな&愛しき英国人男性を描かせるならこの方、ロジャー・ミッシェル氏!見終わった後、天晴!と爽快な気分と共にとっても温かい気持ちになれる上に、自分らしく生きるパワーがもらえる、まさに今観るべき!映画です。

■ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
ジム・ブロードベントとヘレン・ミレンのような優れた性格俳優がいるからこそこういう愛すべきイギリス映画があるのです。

■中野周平(蛙亭/芸人)
たっぷりの愛と軽快なユーモア!一見破天荒なバントンは、常に何が一番大事かをわかっているようでした。立ち向かい続ける英雄の物語であり、家族の物語です。

■川瀬佑介(国立西洋美術館 主任研究員)
国立西洋美術館のトイレに窓がない理由は、これだったのか?!?!一人の人間を突き動かす正義の物語、だけれども良い子は絶対に真似してはいけません!

■大髙保二郎(『ゴヤの手紙』訳者)
我が日本国ではありえないイギリス人のユーモア。巨匠ゴヤが描いた名画の盗難には知られざる正義と善意のドラマが隠されていた。一市民の人間愛がもたらす何という爽快感!

■中井圭(映画解説者)
利他の精神が軽んじられる現代だからこそ、深く響く物語がある。当たり前のように誰かを信じられる社会が遠ざかる今、軽妙なはずの本作が、鋭く重く突き刺さる。

『ゴヤの名画と優しい泥棒』
2022年2月25日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督:ロジャー・ミッシェル
出演:ジム・ブロードベント ヘレン・ミレン フィオン・ホワイトヘッド アンナ・マックスウェル・マーティン マシュー・グード
配給:ハピネットファントム・スタジオ

【ストーリー】 世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が…。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは…!?

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