2020年のサンダンス映画祭でワールドプレミアされ、各国の映画祭のあらゆる部門で39のノミネートと15の受賞を果たしたブランドン・クローネンバーグ監督作『POSSESSOR(原題)』が、邦題『ポゼッサー』として2022年3月4日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。
本作は、第3者の脳に入り込み所有者“ポゼッサー”として殺人を行う完全無欠の遠隔殺人システムと、人格を乗っ取られた男との生死を賭けた攻防を、冷徹で研ぎ澄まされた映像美で描く。
監督は、鬼才デヴィッド・クローネンバーグの遺伝子を受け継いだ、息子ブランドン・クローネンバーグ。『アンチヴァイラル』から8年ぶりに発表した長編第2作となる本作は、その静謐さと狂気が隣り合う映像表現で、数々の映画祭で熱狂的な支持を得る。全米映画批評家サイト・ロッテントマトでは200件以上のマスコミレビューがありながらも満足度94%の高評価を獲得。父親譲りの様式美と過激描写に加え、思わず全身がこわばってしまう執拗なバイオレンス&セックス描写にスタイリッシュなカメラワーク、面妖な色彩の映像、そして誰も考えつかない冷徹かつ異常な物語と世界観で観る者の心に深い傷跡を刻む。
ある日、まるで自分が自分でないような感覚に襲われ、急遽自身の人格を再創造する必要を迫られたというクローネンバーグ。本作は、その彼自身の経験から着想を得て製作された。他人の身体に入り込み、人格をコントロールしていく過程で工作員の女と完全にコントロールされているはずの男の自我は、次第にひとつの身体の内で混ざり合っていく。SF映画の革新性を切り開く『インセプション』、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』、『マトリックス』などを想起させる斬新な設定は、クリストファー・ノーラン、あるいはドゥニ・ヴィルヌーヴに匹敵する才能と言っても過言ではない。第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」部門で上映されるや否や、その容赦ない暴力描写で観客の度肝を抜いたことも記憶に新しい。
主演は『マンディ 地獄のロードウォリアー』『ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷』などホラー、カルト系の映画との好相性を予感させるアンドレア・ライズボロー。そして意識を乗っ取られる男役には『ファースト・マン』『ピアッシング』のクリストファー・アボットが扮する。
『ポゼッサー』
2022年3月4日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督・脚本:ブランドン・クローネンバーグ
音楽:ジム・ウィリアムズ
出演:アンドレア・ライズボロー クリストファー・アボット ジェニファー・ジェイソン・リー ショーン・ビーン ガブリエル・グラハム ロッシフ・サザーランド
配給:コピアポア・フィルム
【ストーリー】 タシャ(アンドレア・ライズボロー)は、殺人を請け負う企業に勤務するベテラン暗殺者。上司のミッションのもと、特殊なデバイスを使ってターゲットに近しい人間の意識に入り込む。そして徐々に人格を乗っ取っていきターゲットを仕留めたあとは、ホストを自殺に追い込んで“離脱”する。すべてが速やかに完遂されていたが、あるミッションを機にタシャのなかの何かが狂い始める…。
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