佐津川愛美「辛いシーンを超えるたびに現場で愛を感じた」現代家族が抱える闇を描き出す『蜜月』2022年春公開!

『捨てがたき人々』など、これまで社会の片隅で生きる男たちを描き定評のある榊英雄監督が、港岳彦によるオリジナル脚本を佐津川愛美主演で映画化した問題作『蜜月』が、2022年春に公開されることが決定した。

本作は、母親との抑圧された暮しの中で歪められた少女の幼く危うい性を描き、生ぬるい家族愛映画とは完全に一線を画したオリジナル作品。PTSD(心的外傷後ストレス障害)、ヤングケアラーなどこれまで家族の問題として隠されてきた問題を、社会問題としてとらえ、家族の絆、つながりの大切さを真摯に描き出す。

脚本は、『MOTHER マザー』など一貫して社会的抑圧や差別を題材にした作品を執筆する日本映画界を代表する脚本家・港岳彦が担当。ヒロインを演じたのは、話題作に立て続けに出演し、自身でも監督をするなどマルチな才能で活躍の場を広げる佐津川愛美。傷つきながらも愛を求め疾走する17歳、秘密を抱えながら夫と支えあう32歳、過酷な家族環境下、懸命に生きる一人の女性の成長という難しい役を見事に演じきる。


▲17歳の美月


▲32歳の美月

■榊英雄(監督) コメント
10年前に産み落とされた脚本と出会った時に歪で闇の深い子供でしたが、何か気になりどうしても育てたいと感じました。自分なりに頑張りましたが、もう駄目だと思った時に佐津川愛美という伴侶と出会いました。でも子供は中々意固地で意地悪で、心を開いてくれませんでした。私は途方に暮れかけましたが、佐津川の献身的な愛に漸く心を開いてくれました。「美月」という名前の女性に成長しましたが、私は不安です。佐津川と「美月」の親子がいい関係であれば或る程、私は怖いのです。いつか彼女らに嫉妬し、家族を破壊してしまわないか。我々スタッフキャストが懸命に献身的に愛を注ぎ込んだ「美月」を何卒よろしくお願い致します。映画館の暗闇の中こそに、この家族の物語があぶりだされると信じて。皆様の光で。

■佐津川愛美(美月役) コメント
撮影まで4年かかりました。静かに待ちながら、常に彼女が気になる。突然自分の人生に入り込んできたようでした。時間が経つほどにどんどん存在が濃くなっていく。きっと、彼女はそういう人間なんだと思います。どこに惹かれたのか、未だにわかりません。港さんの作り出した世界にいる彼女をただただ演じたい、心の底からそう思いました。辛いシーンを超えるたびに私は現場で愛を感じていました。頼もしい共演者、スタッフのお陰で、ひとりぼっちではありませんでした。だからこそ、ひとりぼっちだった彼女を演じ切れました。もがき苦しんで生まれたこの作品を、榊組で完成させられたこと、役者として誇りに思います。どうかこの家族が、スクリーンの先に居る「美月」に届きますように。

『蜜月』
2022年春 テアトル新宿ほか全国公開
監督:榊英雄
脚本:港岳彦
出演:佐津川愛美
配給:アークエンタテインメント

【ストーリー】 山奥の古民家。優しい陶芸家の夫と穏やかに暮らす美月(佐津川愛美)32歳。実家で心に病いを抱える母親の面倒を看ていた弟が15年ぶりに現れ、母の死を告げる。封印していた家族の過去があふれ出す。愛する夫との暮らしを守るためにも美月は否応なく過去と対峙対決する…。

©2022「蜜月」製作委員会