「私は人間の形をしてますが、自分は白鳥だと思ってます」翼の折れた白鳥と、その世話をする男性の奇跡の物語『私は白鳥』予告編

傷付いて北に帰れなくなった一羽の白鳥と、その白鳥に自分を投影するかのように見守り、世話をし続けるひとりの‟おじさん”の交流を、美しくも厳しい富山の大自然の中、およそ4年にわたって追い続けたドキュメンタリーで、女優・天海祐希がナレーションを務める『私は白鳥』が、11月20日より富山・ほとり座にて先行公開、11月27日より全国公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

秋が深まると北陸・富山県にはシベリアから800羽を超える白鳥たちが越冬のため飛来し、やがて春が訪れると再び海を渡りシベリアへ帰っていく。2018年の春、翼が折れて飛べなくなり、たった一羽で富山に取り残された白鳥がいた。それを見つめる一人の男性、澤江弘一さん(当時57歳)。白鳥たちの美しさの虜になり、ビデオカメラでその姿を記録し続けてきた澤江さんは、傷ついて一羽になった白鳥に毎日エサをやり、見守り続ける。「なんとか生きのびて、また冬に仲間の白鳥と再会してほしい」。けれど自然界は弱肉強食、甘くはない。しかも富山の猛暑を乗り越えた野生の白鳥はこれまで確認されていなかった。あの手、この手、奥の手…。澤江さんと白鳥の命をかけた闘いが続く中、白鳥に全てを捧げる澤江さんが語る。「心の隙間がどういうわけか白鳥の形をしていたようで」、「私は人間の形をしてますが、自分は白鳥だと思ってます」、「白鳥が白鳥の世話をしているだけなんです」。人間は自然にどこまで介入すべきなのかという葛藤の中、澤江さんは奮闘を続ける。傷ついた白鳥は仲間たちと再会できるのか。そして訪れる奇跡とは?

本作は、澤江さんと傷ついた白鳥の4年にわたる命の物語。2019年5月に富山のチューリップテレビで放送され「アメリカ国際フィルム・ビデオ祭」でゴールドカメラ、「ニューヨークフェスティバル」ではファイナリスト等を受賞したテレビ版に、2年以上の追加取材の映像を加えて映画化。傷つきながら過酷な自然界で命を燃やし続ける白鳥と、それに自らを投影し見守りつつ地方都市に懸命に暮らす一人の男性の生き様を通して、現代に生きる全ての人の心に生命の在り方を問いかける。

予告編では、大自然の中で生き抜く白鳥たちと、それらを見守る澤江さんの姿が映し出され、石崎ひゅーいによる主題歌「スワンソング」が、動物たちの命の尊さを伝える。

『私は白鳥』
11月20日(土)より、富山・ほとり座にて先行公開
11月27日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督:槇谷茂博
音楽:中村巴奈重
主題歌:石崎ひゅーい「スワンソング」
語り:天海祐希
出演・白鳥撮影:澤江弘一
配給:キグー

©2021 映画『私は白鳥』製作委員会