仏の鬼才ブリュノ・デュモン監督が描くジャンヌ・ダルク二部作!ミュージカル『ジャネット』&心理活劇『ジャンヌ』12月公開!

フランスの鬼才ブリュノ・デュモンのジャンヌ・ダルク二部作『Jeannete, the Childhood of Joan of Arc(英題)』が邦題『ジャネット』、『Joan of Arc(英題)』が邦題『ジャンヌ』として12月11日より公開されることが決定した。併せて、メインビジュアルがお披露目となった。

ジャンヌ・ダルク。カトリックの聖女。あるいは魔女。神の恩寵を受け祖国を救う愛国的英雄。民衆を鼓舞する革命の偶像。異端審問の末に火炙りにされた男装の女騎士。フランス国民劇の受難のヒロイン。疫病と戦争の最中にあった15世紀初頭のフランスに実在した少女の物語は、芸術と娯楽の様々な領域で幾度も題材にされた。映画史においても枚挙にいとまがない。ジョルジュ・メリエス、カール・テオドール・ドライヤー、セシル・B・デミル、ヴィクター・フレミング、オットー・プレミンジャー、ロベルト・ロッセリーニ、ロベール・ブレッソン、ジャック・リヴェット、リュック・ベッソン…歴々たる映画作家たちがこの「歴史劇」の古典に取り組んでいる。メロドラマとして、社会風刺劇として、スリル満点のスペクタクルとして、恐れ慄くような美・崇高に迫る実験作として。フランスやハリウッドで、翻案やパロディも含めれば世界中で、時代の折々に作られてきた「ジャンヌ・ダルク映画」。その最新の変奏が『ジャネット』と『ジャンヌ』である。

監督は、現代フランス映画において一筋縄ではいかない挑発的な作品『ユマニテ』、『フランドル』などを発表してきた鬼才ブリュノ・デュモン。原作は、シャルル・ペギーの劇作「ジャンヌ・ダルク」と「ジャンヌ・ダルクの愛の秘義」。ペギーは、ジル・ドゥルーズ、ヴァルター・ベンヤミン、ジャン=リュック・ゴダール、そして須賀敦子らを魅了したカトリックの詩人・思想家であり、ジャンヌ・ダルクがイギリス軍から解放した都市オルレアンの出身。デュモンは、ジャンヌ・ダルクの生涯を特別な想いを持って描いたペギーの詩劇を、仰天ともいうべき演出・手法によって二つの映画作品に仕上げた。

『ジャネット』は、ジャンヌ・ダルクの幼年時代を描く、破壊的な歴史音楽劇。1425年、フランスとイギリスによる王位継承権をめぐる「百年戦争」の真っただ中。幼いジャネット(※ジャンヌ・ダルクの幼少期の呼び名)は、小さな村ドンレミで羊の世話をして暮らしていた。ある日、友だちのオーヴィエットに、イギリスによって引き起こされた耐え難い苦しみを打ち明ける。思い悩む少女を修道女のジェルヴェーズは諭そうとするが、ジャネットは神の声を聴く体験を通し、フランス王国を救うために武器を取る覚悟を決める。ペギーのテキストの韻律に活力を与える歌。そこに響く激烈なる音楽。そして、あまりにぎごちない舞踊…。緊張と弛緩のとめどない反復の内に時間の感覚が消失し、奇異なまでの現代性が浮かび上がる。音楽を担当するのは、デスメタル、プログレ、ブレイクコア、バロック音楽などの要素を取り込んだユニークなスタイルで活躍する異才Igorrr。振付は、現代フランスを代表するコレオグラファー、フィリップ・ドゥクフレが担当する。


▲『ジャネット』

『ジャンヌ』は、ジャンヌ・ダルクが挑んだ救国の戦いから有罪判決を受けた異端審問、そして刑が執行されるまでを描いた華麗なる心理活劇。15世紀、フランスの王位継承をめぐって、フランスとイギリスが血で血を洗う争いの時代。若きジャンヌ・ダルクは、「フランスを救え」と言う神の声に導かれてフランス王の軍隊を率いていた。神、愛、罪、福音と祈りを説くジャンヌだが、その力に畏怖と疑心を持った味方の軍内部から反発が生じる。やがてジャンヌはイギリス側に捕らえられ、教会によって異端審問にかけられる。抑圧と支配の濃密な論理で迫る「雄弁」な男たちを相手に、反駁の叫びと沈黙で応じるジャンヌ。告発に屈せず、自らの霊性と使命に忠実であり続ける。馬術ショーのような戦闘場面、言葉が累積し充満する裁判場面。あまりに奇想天外な相貌を見せた『ジャネット』と打って変わり、様式的な画面と白熱の議論に彩られた、サスペンスとアクションが華麗に展開する。『クレールの膝』、『満月の夜』などエリック・ロメール作品で知られるファブリス・ルキーニが、フランス国王シャルル7世として出演。また、フランスの歌手クリストフが劇伴の作曲を担当、異端審問の陪席者の一人として不気味に出演し、その美しい歌声を聞かせている。


▲『ジャンヌ』

両作品でジャンヌ・ダルクを演じたのは、ロケ地周辺で出会った演技経験のない新星リーズ・ルプラ・プリュドム。『ジャネット』撮影時はわずが8歳で、幼い頃の無垢なジャンヌを歌や踊りを駆使し見事に体現し、『ジャンヌ』では、まっすぐな眼差しと力強い言葉で、「雄弁な」男たちを喝破していく姿を見せた。

『ジャネット』は、カルト映画の巨匠でシネフィルとしても知られるジョン・ウォーターズ監督が2018年のベスト1に、仏の映画誌カイエ・デュ・シネマは「この小さな傑作によって彼の映画は決定的に解き放たれた!」と評し、2017年のベスト2に選出。日本ではカイエ・デュ・シネマ週間で『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』のタイトルで上映され話題を呼んだ。続く『ジャンヌ』も、ジョン・ウォーターズは2019年のベスト2に、カイエ・デュ・シネマで2019年のベスト5に選出された。

『ジャネット』『ジャンヌ』共通のメインビジュアルには、悪魔ポーズをとる羊飼いの少女と、真っすぐに正面を見つめる甲冑姿の少女が収められ、「神的少女降臨」のキャッチコピーが大きく配置されたインパクト抜群かつ迫力のある仕上がりとなった。

『ジャネット』
12月11日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:ブリュノ・デュモン
原作:シャルル・ペギー
出演:リーズ・ルプラ・プリュドム ジャンヌ・ヴォワザン リュシル・グーティエ
配給:ユーロスペース

【ストーリー】 1425年、フランスとイギリスによる王位継承権をめぐる「百年戦争」の真っただ中。幼いジャネット(※ジャンヌ・ダルクの幼少期の呼び名)は、小さな村ドンレミで羊の世話をして暮らしていた。ある日、友だちのオーヴィエットに、イギリスによって引き起こされた耐え難い苦しみを打ち明ける。思い悩む少女を修道女のジェルヴェーズは諭そうとするが、ジャネットは神の声を聴く体験を通し、フランス王国を救うために武器を取る覚悟を決める。

『ジャンヌ』
12月11日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:ブリュノ・デュモン
原作:シャルル・ペギー
出演:リーズ・ルプラ・プリュドム ファブリス・ルキーニ クリストフ
配給:ユーロスペース

【ストーリー】 15世紀、フランスの王位継承をめぐって、フランスとイギリスが血で血を洗う争いの時代。若きジャンヌ・ダルクは、「フランスを救え」と言う神の声に導かれてフランス王の軍隊を率いていた。神、愛、罪、福音と祈りを説くジャンヌだが、その力に畏怖と疑心を持った味方の軍内部から反発が生じる。やがてジャンヌはイギリス側に捕らえられ、教会によって異端審問にかけられる。

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