1950年代半ば、マンハッタンのとあるロフトで繰り広げられていた気鋭ジャズ・ミュージシャンたちによるセッションの様子を、写真家ユージーン・スミスが密かに記録していた録音テープ、写真を元に構成したドキュメンタリー映画『ジャズ・ロフト』が、10月15日より公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
写真家ユージーン・スミス(1918-1978)は、戦場カメラマンとして活動後、当時絶大な影響力を誇った雑誌「ライフ」などで意欲的な作品を数多く発表、1970年代には水俣病患者を捉えた写真集によって世界に衝撃を与え、のちにジョニー・デップ主演作『MINAMATA―ミナマタ―』として映画化もされた。そんな彼が1950年代半ばから住んでいたマンハッタンのロフトには、連日連夜様々なジャズ・ミュージシャンが出入りし、ジャムセッションを繰り広げていた。「ライフ」編集部との軋轢や家族の不和を抱え、逃げるようにこの地へ移り住んだスミスは、ただ純粋に音楽を楽しむためだけに集まった彼らの自由奔放な演奏をつぶさに録音し、シャッターを切ることに没頭する。本作は、そのむせ返るような熱気を余すところなく伝える。
予告編には、ユージーン・スミスの写真がふんだんに登場し、彼の天才たる所以がうかがえる。
ポスタービジュアルには、スミスが撮影した、ピアノを弾くセロニアス・モンクの写真が使用されており、当時の雰囲気が体感できる躍動感あふれるビジュアルに仕上がった。
『ジャズ・ロフト』
10月15日(金)より、Bunkamuraル・シネマほか公開
監督・プロデューサー・脚本:サラ・フィシュコ
プロデューサー:カルヴィン・スキャッグス サム・スティーブンソン
出演:サム・スティーブンソン カーラ・ブレイ スティーヴ・ライヒ ビル・クロウ デイヴィッド・アムラム ジェイソン・モラン ビル・ピアース パトリック・スミス
写真・声の出演:ユージーン・スミス セロニアス・モンク ズート・シムズ ホール・オーバートン
配給:マーメイドフィルム コピアポア・フィルム
©2015 The Heirs of W. Eugene Smith