“ハーフ”と呼ばれる青年二人の生活を通して、アイデンティティーや日本社会に対する複雑な気持ちを描く『WHOLE/ホール』10月公開!

日本で“ハーフ”と呼ばれる青年二人の、欠けていた半分を満たす旅を、サンディー海、川添ウスマン共演で描いた『WHOLE/ホール』が、10月15日より公開されることが決定した。併せて、特報映像がお披露目となった。

本作は、純粋な目線で、どこにでも居るハーフの日々の生活を通して、アイデンティティーや日本社会に対する複雑な気持ちを描き、多様性を目指す現在の日本社会に語りかける。第14回大阪アジアン映画祭ではJAPAN CUTS Award スペシャル・メンションを受賞し、北米最大の日本映画祭であるニューヨークのJAPAN CUTS及びソウル国際映画祭に正式出品された。

日本のメディアで活躍するポジティブな印象のハーフタレントとは裏腹に、「ハーフ」という言葉をネガティブな意味で受け止め、自らのアイデンティティーに戸惑い、苦しむ若者も存在する。日本生まれ、日本育ちで日本のパスポートしか持っていない、監督の川添ビイラルと脚本・主演の川添ウスマン兄弟は、日頃からハーフの偏ったイメージに違和感を感じていて、タレントでもない、日本で普通に暮らしているハーフを主人公にした映画を作ることを決意。知り合いの紹介で、同じく日本生まれ、日本育ちのサンディー海に出会い、春樹役に抜擢した。

■サンディー海(春樹役) コメント
「ハーフ」という言葉は、違う言語では違う言い方だったり、違う意味を持ちます。例えば英語でHalfは半分という意味になるため、よくMixed(混ざっている)という言葉を使います。そのためハーフという呼び名を批判する人もいます。春樹もその言葉を批判している一人です。彼は日本で幼少時代を過ごした時に、「ハーフ」であることでいじめにあって、家族にも否定された経験があります。しかし、誠という別の人生を生きた「ハーフ」の人に出会い、彼の持っていたアイデンティティーが揺さぶられるのです。この言葉に正解があるかはわかりません。もしかしたら正解がないのかもしれません。この映画はそういった複雑な思いを抱えて生きる二人が、出会い、ぶつかり合うことで、自らの意味を模索し、成長していく青春物語です。是非とも劇場でご覧ください。

『WHOLE/ホール』
10月15日(金)より、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督・プロデュース・編集:川添ビイラル
脚本・プロデュース:川添ウスマン
主題歌:rei brown「Wouldn’t It Be Great」
出演:サンディー海 川添ウスマン 伊吹葵 菊池明明 尾崎紅 中山佳祐 松田顕生
配給:アルミード

【ストーリー】 ハーフの大学生、春樹(サンディー海)は親に相談せずに通っていた海外の大学を辞め、自分の居場所を見つける為、彼の生まれ故郷である日本に帰国する。春樹は日本に着くやいなや周囲から違うものを見るような目に晒され、長年会っていなかった両親にも理解してもらえない。ある日、春樹は団地に母親と二人で暮らす建設作業員のハーフの青年・誠(川添ウスマン)に出会う。「ハーフ」と呼ばれることを嫌い、「ダブル」と訂正する春樹と違って、誠はうまくやっているようにも見えるが、実は国籍も知らず会ったこともない父親と向き合うことができない葛藤を抱えていた。様々な出来事を通して彼らは「HALF/半分」から「WHOLE/全部」になる旅を始める。

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