2019年のカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督の長編2作目『トムボーイ』が、9月17日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。
ジェンダーとアイデンティティーを行き来する主人公に寄り添った目線とユーモアを以て、ひと夏の挑戦が描かれる本作。主人公は、引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、新たに知り合った友人たちとの間で男の子として過ごそうとするロール。やがてミカエルに特別な視線を向ける少女リザとの関係が深まっていくと同時に、友人や家族たちとの間にも変化が訪れていく…。
本作は、長編デビュー作『水の中のつぼみ』が高い評価を得たセリーヌ・シアマ監督が、「前作とは別の方法を試したい」という志のもと20日間で撮影を行った。ベルリン国際映画祭でのプレミア上映では絶賛と共に迎えられ、テディ賞審査員特別賞を受賞。低予算のインディペンデント作品ながら、本国フランスでの劇場公開時には30万人を動員する大ヒットを記録した。
ロール/ミカエルを演じるのはゾエ・エラン。オーディションの初日に彼女と出会った監督をして「逸材だった」と言わしめる、唯一無二の存在感でスクリーン中を駆け回り、観る者を魅了する。そのほか、ロール/ミカエルの愛らしい妹ジャンヌをマロン・レヴァナ、大人びた雰囲気の少女リザをジャンヌ・ディソンが演じる。
ポスタービジュアルでは、劇中のキーワードとなる「きみの名前は?」の一文とともに、ロール/ミカエル(ゾエ・エラン)がこちらを見つめている。まっすぐな瞳に吸い込まれるかのようなビジュアルだ。
『トムボーイ』
9月17日(金)より、新宿シネマカリテほか全国公開
監督:セリーヌ・シアマ
出演:ゾエ・エラン マロン・レヴァナ ジャンヌ・ディソン
配給:ファインフィルムズ
【ストーリー】 夏休み、家族と共に新しい街に引っ越してきた10歳のロール(ゾエ・エラン)。引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、新たに知り合った少女リザ(ジャンヌ・ディソン)たちに自分を男の子だと思い込ませることに成功する。やがてリザとは二人きりでも遊ぶようになり、ミカエルとしての自分に好意を抱かれていることに葛藤しつつも、お互いに距離を縮めていく。しかし、もうすぐ新学期。夏の終わりはすぐそこまで近づいているのだった…。
© Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinéma 2011