広瀬すず「どこかずっと緊張している」、松坂桃李「全身全霊でいきます」李相日監督作『流浪の月』2022年公開!

凪良ゆうによる本屋大賞受賞の傑作ベストセラー小説を、『悪人』『怒り』の李相日監督が広瀬すずと松坂桃李のダブル主演で映画化する『流浪の月』(読み:るろうのつき)が、2022年に公開されることが決定した。

凪良ゆうによる原作「流浪の月」は、2020年の本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた傑作小説。いつまでも消えない“被害女児”と“加害者”という烙印、そして事件の契機となったそれぞれの秘密を抱えたまま、15年後に再会した更紗と文の選んだ道とは?

9歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かないさらさ)を演じるのは、今や同世代女性を代表するアイコン的存在というだけでなく、国民的女優としての地位を築き上げている広瀬すず。そしてその事件の“加害者”とされた当時19歳の大学生・佐伯文(さえきふみ)を、『孤狼の血』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、『新聞記者』で同最優秀主演男優賞を2年連続受賞するなど近年の日本映画界で圧倒的存在感を放つ松坂桃李が熱演する。

監督は『悪人』『怒り』の名匠・李相日(リ・サンイル)。先行きの見えないこの世界の片隅に確かにあると信じられる、「魂と魂の未来永劫揺るがない結びつき」を描きたいと意気込む。

本作のクランクインは8月上旬を予定している。

▼スタッフ&キャスト コメント

■広瀬すず(家内更紗役)
本当にびっくりしました。でも、いつかまた、李組に参加したいという事は『怒り』以来、ずっと思い続けてきた事でもありました。「この役の気持ちを知ってると思って」と監督に言われたその日から私は毎日なんだか、どこかずっと緊張しています。私の少しの変化を、誰よりも早く細かく気付かれてしまいます。だからこそ監督の前では絶対嘘がつけないし、ちょっとでも誤魔化そうとするもんなら…想像するだけで…今、監督の前でお芝居するのが怖いです。あ、その緊張ですかね。松坂さんは、以前ご一緒した現場でとても真面目で大らかな印象を受けました。文を松坂さんが演じると知った時も、なんだかすぐにしっくりくる不思議な雰囲気もあり、今回の役、作品で、ご一緒出来る事はとても楽しみです。

■松坂桃李(佐伯文役)
李監督とは初めてご一緒しますが、作品を拝見していて、いつかやってみたいとずっと思っていた方でした。正直今は霧の中にいる気分です。ただこの作品に文として参加できる喜びを噛み締めてもいます。全身全霊でいきます。広瀬さんは成島組以来の再会ですが、肝が据わっていて頼もしさすら感じます。改めてご一緒出来ることほんとうに楽しみです。李組の皆さんと創り上げていきたいです。宜しくお願い致します。

■李相日(監督)
痛ましい過去を背負った二人の物語なのに、悲壮感が漂わずにどこか浮遊しているような心地良さに包まれました。恋愛、友情、家族愛…名前のつけられない関係がここには存在します。魂と魂の未来永劫揺るがない結びつき。そんなものはこの世界に存在しないのかもしれません。けれど、まずは信じてみる。この物語を信じる。更紗と文、二人の息遣いを信じる。そこから、映画『流浪の月』はスタートしました。『怒り』以来ですが、広瀬すずとは必ずまた映画で再会する。疑いのない確信と、強い願望を常々持ち続けていました。松坂桃李君のこの作品への意気込みには驚嘆するばかりです。身体つきはもちろん髪や体毛の一本一本、皮膚感に到るまで役に向けて丁寧に積み上げていく執念には心が震えます。二人の眼差しが重なり、互いを慈しむ優しさに溢れた時、自分がどれほど心を奪われるのか…待ち遠しくてなりません。

■凪良ゆう(原作)
夢みたいでした。初めての映画化、さらに以前から作品のファンだった李監督に撮っていただけると聞いて、人生ってこんなことがあるんだなあと呆然としたほどです。小説からさらに広がっていく映画『流浪の月』が今から楽しみでなりません。李監督から脚本をいただいたとき、人物への理解の深さに鳥肌が立ちました。原作にはないエピソードを追加しながらも、どこまでも更紗らしく文らしい。どれだけ原作を読み込んでくださったのだろうと、李監督にお任せして本当によかったと改めて確信しています。広瀬さんも松坂さんも際だった存在感と透明感のあるおふたり。一見静かながら内に渇望を秘めた文と更紗に、どこか通じるものを感じています。おふたりに演じていただくことで、物語に込めた思いがより多くの方に伝わるよう願っています。

『流浪の月』
2022年 全国公開
監督・脚本:李相日
原作:凪良ゆう「流浪の月」
出演:広瀬すず 松坂桃李
配給:ギャガ

【ストーリー】 雨の夕方の公園で、びしょ濡れの9歳の家内更紗(広瀬すず)に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文(松坂桃李)。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、やがて文が更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後。「傷物にされた被害女児」とその「加害者」という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会し…。

©2022「流浪の月」製作委員会