型破りでエレガント、突然の引退から10年以上経った今も大きな影響力をもつ天才デザイナー、マルタン・マルジェラの素顔に迫るドキュメンタリー『Martin Margiela: In His Own Words(原題)』が、邦題『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』として9月17日より公開されることが決定した。併せて、ティザービジュアルと場面写真がお披露目となった。
常に時代の美的価値に挑戦し、服の概念を解体し続けたデザイナー、マルタン・マルジェラ。キャリアを通して一切公の場に姿を現さず、あらゆる取材や撮影を断り続け、そのすべてが謎に包まれていた。しかし本作では、初めてマルジェラ本人が制作に協力。これまで一切語ることのなかったキャリアやクリエイティビティについて、そして自身に影響を与えた祖母や子供時代について、重い沈黙を破って本人の言葉でつづる、これまでにないドキュメンタリー映画である。
不可能とも思えたこのドキュメンタリー映画を作り上げたのは、世界中で決定的瞬間を捉え続けてきた写真家集団を追ったドキュメンタリー映画『マグナム・フォト 世界を変える写真家たち』や、マルジェラ同様、アントワープ王立芸術学院出身のファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンのドキュメンタリー映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』を手掛けたライナー・ホルツェマー。これまで30本以上のドキ ュメンタリー作品を発表してきたドキュメンタリーの名手が、難攻不落と思われたマルジェラ本人の信頼を勝ち取り、「このドキュメンタリーのためだけ」「顔は映さない」という条件のもと、謎に包まれてきた“マルタン・マルジェラの素顔”を少しずつ明らかにしていく。
初めて公表するドローイングや膨大なメモ、7歳で作ったというバービー人形の服などプライベートな記録を見せ、ドレスメーカーだった祖母からの影響、ジャン=ポール・ゴルチエのアシスタント時代、ヒット作となった足袋ブーツの誕生、世界的ハイブランド、エルメスのデザイナーへの抜擢就任、そして51歳にして突然の引退…その全てをカメラの前でマルジェラ自身が明かす。
ティザービジュアルは、マルジェラのキーカラーである“白”を主役とした大胆なデザインに仕上がった。場面写真には、マルジェラの代名詞とも言えるシルバーに輝く足袋ブーツのほか、洗練されたスタイルが収められる。
『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』
9月17日(金)より、渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開
監督・脚本・撮影:ライナー・ホルツェマー
出演:ジャン=ポール・ゴルチエ カリーヌ・ロワトフェルド リドヴィッジ・エデルコート キャシー・ホリン オリヴィエ・サイヤール
声の出演:マルタン・マルジェラ
配給:アップリンク
© 2019 Reiner Holzemer Film ‒ RTBF ‒ Aminata Productions