瀬々敬久、真利子哲也が認め、国内映画祭が注目する新鋭・河内彰監督最新作『フィア・オブ・ミッシング・アウト』が、7月31日より公開されることが決定した。併せて、予告編、キービジュアル、場面写真がお披露目となり、映画界の著名人より本作を絶賛するコメントも寄せられた。
SNSスラングを題した本作は、親友を亡くしたとある女性の物語を通じて、人の心に現れる「とり残される怖さ」と悲しみ、その先に見えてくる光景を描き出す。
監督・脚本・編集・撮影を手掛けたのは、アートセンターでの仕事を通じて、人と映像の関わりをみつめてきた映画作家・河内彰。映像を「縫合」するという、普遍的とも全く新しいとも受け取れる独自の感性は、瀬々敬久、真利子哲也らに高く評価され、2017年CHOFU SHORT FILM COMPETITION 19thにて、映画『光関係』でグランプリを受賞。そして2019年池袋シネマ・ロサ「二人の作家 河内彰×松本剛」にて2週間の特集上映で劇場公開デビューし、2020年に本作がPFF(ぴあフィルムフェスティバル)ほか各映画祭にて上映され、話題となった。
キャストは本作が初演技・初主演のYujin Lee、『誰もいない部屋』の小島彩乃、『なみぎわ』のサトウヒロキら。登場人物たちの感情の震えを繊細に表現する。
劇中の大半で韓国語が使用され、キービジュアル、チラシなどでも韓国語がデザインの中に組み込まれている。キービジュアルは、観た人たちそれぞれが遠くにいる大切な誰かの面影を思い浮かべたくなるような幻想的なビジュアルに仕上がった。
■河内彰(監督) コメント
この映画のテーマは「ここにいない誰かを思うこと」で、大半の撮影は2018年に行いましたが、奇しくも今のこの、人に直接会えない世界に向けた言葉のようになってしまいました。映画を劇場で観ることも、作ることも難しくなってしまいましたが、それとは関係なく、今日も劇場のスクリーンでの出会いに思いを馳せ、映画館での上映を夢見てカメラを回す方々がたくさん居ることを知っています。私はそのほんの一端の個人の作家ですが、どうぞ少しでも気に留めて頂き、映画を観て頂けたらと思います。この大変な状況下に、映画館での上映をさせて頂けますこと本当に嬉しく思います。映画に関わる皆様に、心より感謝御礼申し上げます。
▼著名人 絶賛コメント
■大林千茱萸(映画感想家)
画面の中には映っていないはずの、人の想いの「気配」を久しぶりに感じました。もっとこの暗闇に包まれたい。圧倒される作家性。
■山﨑憲一(うえだ城下町映画祭実行委員会 委員長)
かつてヌーベルバーグが、映画表現の極みに挑戦した息吹をこの作品に感じる。全体を深く静かに抑えた画面に輝く眩しいまでの光、長回しに流れるモノローグ、2時間分を2分に凝縮した冒頭のドラマ、ローラー滑り台は絶品。
■大塚大輔(福岡インディペンデント映画祭)
折り重なる闇、灯り、会話。共鳴する心。いつまでも浸っていたい、至高の36分。
『フィア・オブ・ミッシング・アウト』
7月31日(土)より、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
監督・脚本・編集・撮影:河内彰
音楽:mu h
出演:Yujin Lee 高石昂 小島彩乃 スニョン サトウヒロキ レベッカ 藤岡真衣 横尾宏美 安楽涼 鏑木悠利 三田村龍伸
配給:Cinemago
【ストーリー】 親友のイ・ソンを亡くしたユジンは、彼女の残したボイスレコードを発見する。ここにいない友と通じ触れながら、ユジンは思い出と現在の時空を行き交い始める。街のネオン、夜のとばり、彼女の車が向かう先は…。
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