「死ぬ場所も時も自分で決める」人生の晩年をいかに生きるかというテーマをつづる『やすらぎの森』予告編

アンドレ・ラシャペル、ジルベール・スィコット、レミー・ジラールとケベックの名優たちが共演するヒューマン・ドラマ『やすらぎの森』が、5月下旬に公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

本作は、80代の男女を主人公に据え、人生の晩年をいかに生きるかというテーマを詩情豊かにつづる愛と再生の物語。カナダ・ケベック州、人里離れた深い森。湖のほとりにたたずむ小屋で、年老いた世捨て人たちが密かに暮らしていた。ある日、彼らのもとに思いがけない来訪者が現れる。その80歳の女性ジェルトルードは、少女時代に不当な措置によって精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられていたのだった。ジェルトルードは、マリー・デネージュという新たな名前で新たな人生を踏み出すが…。

予告編冒頭、神秘的なケベックの森が登場する。この深い森の中で誰とも交わらず“存在”を隠して暮らす世捨て人のチャーリーとトムは、愛犬たちと生活をともにし、薪割りやギターで弾き語りをするなど、自由気ままな日常を送る。突然現れた身寄りのない女性ジェルトルードは、厳しい父親によって世間から引き離され人生を失い、孤独を抱えていた。チャーリーらに受け入れられた彼女は、マリー・デネージュという新しい名前で第2の人生をスタートさせる。彼らの新たな共同生活がはじまり、そして傷ついた心が癒されていくマリー。森の散策や水浴びシーン、微笑ましい様子が映し出される一方で、中盤以降はチャーリーが森で暮らす理由が明かされ、トムがギターで弾き語るトム・ウェイツの「タイム」は味わい深く切ない雰囲気を醸し出す。終盤では山火事が近づいていることがうかがえ、彼らの穏やかで温かな森での生活はどうなってしまうのか、気になる内容になっている。

『やすらぎの森』
5月下旬 シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・脚本:ルイーズ・アルシャンボー
原作:ジョスリーヌ・ソシエ「Il Pleuvait des Oiseaux」
出演:アンドレ・ラシャペル ジルベール・スィコット レミー・ジラール
配給:エスパース・サロウ

【ストーリー】 カナダ・ケベック州、人里離れた深い森。湖のほとりにたたずむ小屋で、年老いた3人の男性が愛犬たちと一緒に静かな暮らしを営んでいた。それぞれの理由で社会に背を向け、世捨て人となった彼らの前に、思いがけない来訪者が現れる。その80歳の女性ジェルトルード(アンドレ・ラシャペル)は、少女時代に不当な措置によって精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられてきた。世捨て人たちに受け入れられたジェルトルードは、マリー・デネージュという新たな名前で新たな人生を踏み出し、澄みきった空気を吸い込みながら、日に日に活力を取り戻していく。しかし、その穏やかで温かな森の日常を揺るがす緊急事態が巻き起こり、彼らは重大な決断を迫られていくのだった…。

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