在宅医療のスペシャリストであり、実際に尼崎市で在宅医として活躍する長尾和宏のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」を、『禅』『赤い玉、』などの問題作を発表し続ける巨匠・高橋伴明監督が柄本佑主演で映画化する『痛くない死に方』が、2月20日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となり、併せて、キャストの余貴美子、宇崎竜童、そして“死に方”の多様性の提案を勉強するために慶應義塾大学大学院に入学したロンドンブーツ1号2号の田村淳よりコメントが寄せられた。
本作は、日々仕事に追われ、家庭崩壊の危機に陥る在宅医師・河田仁が、大病院でなく在宅医だからこそできる医療を模索し、人と向き合うことを実践していく成長物語。
■余貴美子(訪問看護師・中井春菜役) コメント
『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』など何度か他の映画でも訪問看護師の役を演じたことがあるんですが、訪問看護師は、家庭の中にズカズカ入っていってお世話をするので、桜新町のクリニックに勉強に行かせて頂いた際に、人柄や見た目を心がけて見るようにしました。春ちゃんという役を演じるにあたり、700人以上看取っているという、頼り甲斐のあるベテランの方をお手本にさせて頂きました。『おくりびと』では葬儀屋のお姉さん役でしたが、在宅医療が舞台の本作に参加して、死ぬ間際までどうやって生きていくかが重要だとまざまざと感じました。本作は、色んな立場での考え方が勉強になる作品だと思います。色んな人間に共感できて、1時間52分があっという間の映画だと思いますので、ぜひご覧ください。
■宇崎竜童(末期のがん患者・本多彰役) コメント
いつもは偽装していますが(笑)、本作では末期のがん患者役だったので、髪もヒゲも染めずに出演しました。柄本佑君演じる在宅医のケアの元、亡くなる役でした。知り合いがたくさんのパイプに繋がれて痛いと言っているのを見てきたので、パイプで繋がれた『痛い死に方』ではなく、本作のように、自宅で枯れて逝ければいいなと思っています。キャストやスタッフ等沢山の方たちに囲まれての臨終シーンの撮影は、自分の最期の疑似体験のようで、自分もあんな風ににぎにぎしく送ってもらいたいと思いました。人間、いつ死ぬかわからないので、本作をご覧頂き、死に際について考えて頂ければと思います。
■田村淳(タレント/ロンドンブーツ1号2号) コメント
大切な人の最期のとき、ただただ願うのは幸せでいて欲しいということ。死をポジティブに迎えられるくらい、満足していてほしいということ。そのために何ができるのか、結論は“意思に寄り添う事”だとわかった。
『痛くない死に方』
2月20日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国公開
監督・脚本:高橋伴明
原作・医療監修:長尾和宏
出演:柄本佑 坂井真紀 余貴美子 大谷直子 宇崎竜童 奥田瑛二 大西信満 大西礼芳 下元史朗 藤本泉 梅舟惟永 諏訪太朗 田中美奈子 真木順子 亜湖 長尾和宏 田村泰二郎 東山明美 安部智凛 石山雄大 幕雄仁 長澤智子 鈴木秀人
配給:渋谷プロダクション
【ストーリー】 在宅医療に従事する河田仁(柄本佑)は、日々仕事に追われる毎日で、家庭崩壊の危機に陥っている。そんな時、末期の肺がん患者である井上敏夫(下元史朗)に出会う。敏夫の娘の智美(坂井真紀)の意向で痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したとのこと。しかし、河田は電話での対応に終始してしまい、結局、敏夫は苦しみ続けてそのまま死んでしまう。「痛くない在宅医」を選んだはずなのに、結局「痛い在宅医」になってしまった。それなら病院にいさせた方が良かったのか、病院から自宅に連れ戻した自分が殺したことになるのかと、智美は河田を前に自分を責める。在宅医の先輩である長野浩平(奥田瑛二)に相談すると、病院からのカルテでなく本人を見て、肺がんよりも肺気腫を疑い処置すべきだったと指摘される河田。結局、自分の最終的な診断ミスにより、敏夫は不本意にも苦しみ続け生き絶えるしかなかったのかと、河田は悔恨の念に苛まれる。長野の元で在宅医としての治療現場を見学させてもらい、在宅医としてあるべき姿を模索することにする河田。大病院の専門医と在宅医の決定的な違いは何か、長野から学んでいく。2年後、河田は、同じく末期の肺がん患者である本多彰(宇崎竜童)を担当することになる。以前とは全く違う患者との向き合い方をする河田。ジョークと川柳が好きで、末期がんの患者とは思えないほど明るい本多と、同じくいつも明るい本多の妻・しぐれ(大谷直子)と共に、果たして、「痛くない死に方」は実践できるのか。
©「痛くない死に方」製作委員会