綾田俊樹「幸せの極み」、ベンガル「心に家族を抱えたホームレスのドラマ」“綾ベン企画”の舞台をドラマ化「川のほとりで」4月放送!

東京・下北沢を拠点とした劇団・東京乾電池の綾田俊樹とベンガルの伝説的演劇ユニット“綾ベン企画”の舞台「川のほとりで3賢人」をベースに、完全オリジナルストーリーで展開するホームレスコメディ「WOWOWオリジナルドラマ 川のほとりで」が、4月にWOWOWプライムにて放送されることが決定した。

本作は、多摩川の河川敷で静かに暮らすホームレスの二人、トシちゃんとBBのしょっぱく甘く、切なく笑える日々を描くコメディ。

綾田俊樹が演じるのは、人懐っこいが、結構計算高いところがある“トシちゃん”。お気に入りの女性には洗濯ハンガーにつるして乾かした出がらしの高級紅茶でおもてなしするなど、ちょっと女好きのロマンティストな役柄だ。また、ベンガル演じる“BB”は、こわもてで、一見後を引かないサッパリとした男に見えるが、物に釣られて簡単に前言撤回してしまう一面も…。使えそうなものを収集してはDIYするのが得意である。

監督は、『閉鎖病棟−それぞれの朝−』で第43回日本アカデミー賞優秀賞を11部門で受賞した映画監督の平山秀幸。平山は舞台「川のほとりで3賢人」の演出も手掛けた。脚本には、平山に加え、「川のほとりで3賢人」のてっかんマスター、『八日目の蝉』の奥寺佐渡子、『おしん(2013)』の山田耕大、『やじきた道中 てれすこ』の安倍照雄、そして阿佐ヶ谷スパイダースの⻑塚圭史とバラエティに富んだ面々が集結した。

■綾田俊樹(トシちゃん役) コメント
Q:舞台「川のほとりで3賢人」のドラマ化となり再び演じられることになりましたが、この作品への思いをお聞かせください。
ベンガルさんとは⻑い。綾ベンという形で演りだしてからも、20年以上。今までは二人が交互に作、演出という形をとってきました。2017年の舞台制作にあたり、外部の作、演出を頼もうとなって、平山監督にお願いしました。ホームレスを題材に取り上げようとなって、多摩川土手に何度も通い、実際のホームレスの人達の話を聞きました。皆さん心を開き、色々面白い話を聞かせてくれました。彼らのおかげで芝居ができ上がりました。多摩川洪水の時は本当に心が傷みました。ホームレス芝居を深めようとなって、2020年に平山監督演出の元、広岡由里子さんを加え、作には、てっかんマスターさんを迎え舞台「川のほとりで3賢人」が出来上がりました。自分達が作ってきた芝居がTVドラマになる、にわかには信じられない喜びです。美術、そしてその他のスタッフの方々の努力を目の当たりし、そこで演じられた自分は幸せの極みだと思います。皆様に感謝いたします。

Q:ご自身の役どころについて、また、撮影中に印象に残ったエピソードなど教えてください。
トシちゃんという爺さん、命名したのは平山監督です。ベンガルさん演じるBBとは対局的な色を出さなければと、まず思いました。物へのこだわり、話と動作のスピード、言葉遣い等。TVドラマ化でまず感じたのは、演出、美術スタッフの力でそれぞれの住んでいる小屋に色があり、キャラクターの紹介が半分出来ていること。そしてそれを上手く利用して、トシちゃんという人間の像を深めようと思いました。舞台でも、このTVドラマでも出てくるセリフ、「ホームレスは自分を語らない」これは大切なことだと思います、説明してはいけない。随分昔の話ですが、住んでいた街の駅裏に爺さんと娘が営む小さな古い焼きトン屋がありました、親父は大学教授か、物書きにしか見えませんでした。しかし誰が聞いても過去は語らず、素性は明かさずじまいで逝ってしまいました。娘もいつも文庫本を読んでいて、何も語りませんでした。我ら客達は、ああだこうだ、〇〇に違いない、と想像を膨らませました。トシちゃんも観た人達に、過去の生き様の想像を膨らませる演じ方をしたいなと思いました。

Q:視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。
「川のほとりで」を御覧の皆様、ひょんな事で、ベンガルさんとTVドラマのW主演ということになりました。小劇場でやってきたことがTVドラマになる、喜ばしい限りです。素敵なゲストの皆さん、そして、素晴らしいスタッフ、演出、カメラワーク。いい作品が出来たと思っています。この作品の元は小劇場の芝居でした、そちらをご覧になった方は、あれがこうなったのか?と面白がられていると思います。ご覧になられていない方は、元の芝居も観たいなと思われているのではないかしら?と勝手に思っています。この作品がヒットしパート2、3が生まれることを夢見ております。応援よろしく願います。まずはたっぷりお楽しみください。

■ベンガル(BB役) コメント
Q:舞台「川のほとりで3賢人」のドラマ化となり再び演じられることになりましたが、この作品への思いをお聞かせください。
ホームレス役を演じることは、深みがあってとても手ごたえを感じました。極限状態の中、それでも生きていこうとする彼らの姿は可愛くもあり、時に面白くもあり、とても共感できる人達だと思いました。(舞台の制作にあたり)彼らに何度も取材をしましたが、皆さん家族の話はしてくれません。逃げてきたのか捨ててきたのか誰一人語ってくれる人はいません。心に深い闇を抱えている人もいるのだと思います。今回ドラマにしていただいて、そんな彼らの心のうちの葛藤が、家族が、場面のあちこちに浮かんでみえてきました。情感のあふれる異色のとても面白い物語になっていると思います。これは心に家族を抱えたホームレスの孤独なホームドラマだと思います。

Q:ご自身の役どころについて、また、撮影中に印象に残ったエピソードなど教えてください。
メークをして衣裳を着て川辺に建てられたセットの小屋の前に立つと震えが来る程の臨場感、そして見事な川のロケーション、スタッフさんの力強さに圧倒され、ただただその中に溶け込むことが私の役作りだと思いました。本当に楽しい撮影でした。ゲストの方々が楽しんでおられる姿が強く印象に残っています。

Q:視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。
街の片隅でうずくまっている人、川辺で生活している人達。心に深い傷を背負った人にスポットを当てて芝居を作ろう。と上演した舞台がドラマ化される事になりました。毎回素敵なゲストの登場でこの深刻な設定が膨らんで謎あり不思議あり妄想ドタバタありの面白い異色のドラマになりました。川辺で暮らす人達の日々をドラマを通じて見守っていただけたらとても幸せです。

■平山秀幸(監督) コメント
Q:演出をてがけた舞台「川のほとりで3賢人」のドラマ化となりますが、この作品への思いをお聞かせください。
舞台のホームレス2部作「やんごとなき二人」(2017)、「川のほとりで3賢人」(2020)を経て映像化の始まりは去年の3月だった。彼らの口癖は「俺たちは乞食じゃない。自活するホームレスだ!」。とてつもなく自由で、とてつもなく不自由な世界。曇り空の隙間からチラッとのぞく小さな⻘空のような作品です。

Q:視聴者の皆様へメッセージをお願いします。
芸達者な役者さんが嬉々としてホームレスを演じてくれました。川のほとりの住人たちの甘味、苦味、旨味、渋味、そして珍味を楽しんでください。

「WOWOWオリジナルドラマ 川のほとりで」
4月 WOWOWプライムにて放送、WOWOWオンデマンドにて配信(全6話)
監督・脚本:平山秀幸
脚本:てっかんマスター 奥寺佐渡子 山田耕大 安倍照雄 ⻑塚圭史
音楽:安川午朗
出演:綾田俊樹 ベンガル

【第1話ストーリー】 多摩川の河川敷にブルーシートの小屋を作って暮らしている、通称、トシちゃん(綾田俊樹)とBB(ベンガル)。河川敷で暮らし始めて数年、川のほとりの住人としてはベテランの域。朝は4時から街中で缶集め、夜は電気代節約のために7時には寝るという毎日。大した収入はないが、金がないことはまったく気にしていない。「誰にも迷惑をかけず、自由がいちばん」とのんきに日々暮らしているが、「俺たちは自活するホームレスだ!」というプライドは持っている。そんな二人のもとに、ある小劇団の若手女優ナオが訪ねてくる。次の公演でホームレスのリーダーと大恋愛するヒロインを演じるので取材をさせてほしいと言うのだ。そして3人の⻑い夜が始まった…。