綾野剛「何よりおめでとう。自分の可能性を時間をかけて育んで欲しい」新成人を熱く祝福!

第43回日本アカデミー賞で主要3部門を受賞した『新聞記者』の藤井道人監督と制作プロダクションのスターサンズが再びタッグを組み、綾野剛と舘ひろしの共演で贈る『ヤクザと家族 The Family』が、1月29日より公開される。このほど、1月11日に神楽座にて完成報告生配信トークイベントが行われ、キャストの綾野剛、舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、そして藤井道人監督が登壇した。

緊急事態宣言下、無観客で行われた本イベント。劇中で演じた役柄を彷彿とさせるクールでスタイリッシュな衣装に身を包んだ登壇者一同が姿を現すと、マスコミから一斉にフラッシュが焚かれた。

共演者たちは挨拶と共に、「『ヤクザと家族 The Family』を一言で表すとしたら」というお題に挑戦。舘はヤクザという難しい問題を抱えるが、ここには「愛」があると表現した。続いて、ヒロインを務めた尾野は「今」と一文字。今現在に通ずる問題が描かれている、という意味でその言葉を選んだという。北村は「決意」。自身の経験を語りつつ、家族というつながりは責任や決意が表現だと語った。市原は「時代」。映画を観れば、そこで描かれる時代、そして今の時代でのつながり意識させられる作品だと市原らしい熱い言葉で表した。磯村は「紡ぐ」。3つの時代で世代に受け継がれていく、紡がれていく、というテーマを本作から意識したという。藤井監督は「証」。スタッフたちと長い時間をかけ、家族になってつくった、かけがえのない作品だという意味を込めてその言葉を選んだ。そして主演を務めた綾野は、なんと舘と同じく「愛」と回答。二人は全く打ち合わせなく同じ答えを書いたという。これに対して舘が「愛し合ってますから」と口にするなど、共演者の笑いを誘いながら、和やかなムードでイベントはスタートした。

続いて、劇中で綾野とは親分・子分の関係で初共演を果たした舘は「大変勉強させて頂きました。この作品は綾野君が引っ張っていたと思うんです。綾野君が山本という役を生きた、というような印象を受けました。初めて柴咲組に来たシーンでは子犬のような眼で僕を見るんですね。それが素晴らしかった」と綾野との共演エピソードをコメント。そして、綾野と共演経験が多い尾野は、撮影時の綾野について「共演はとても久しぶりなんですけど。以前は、まぁ…天然で。宇宙人みたいな人なんです。それが現場入るとみんなのケアをちゃんとしていて、コミュニケーションをして、愛情深くて。…ちょっと偉そうに言ってもいいですか?こいつ、でかくなったなって!(笑)久しぶりに会ってただ笑わせるだけの剛じゃないって思いました!」と語り、共演者の笑いを誘った。

疑似家族が描かれる本作にちなんで、「撮影の中で“家族”を感じたことがあるか」という質問に、監督は舘を父のようだと表現し、コーヒーを振舞ってくれたエピソードを披露。そして綾野はこの思い入れのある現場に対し「毎日の『おはようございます』と『お疲れ様』。自分とって帰る場所という思いがあった。そういうのが強い現場でしたね」と感慨深そうに語った。

さらに、当日1月11日が成人の日ということで、綾野は新成人たちに向けて「何よりおめでとうございます。(今のこの状況に)新成人の皆さんが今どんな思いを抱いてるのか、想像することもどこまで許されるだろうなと思うんですけど。そんな中でみなさんはどんな夢を持っているのかなって。どんな景色が見えてるのかなって。その景色ってちゃんと輝いてるのかな、楽しいのかなって、老婆心のように気になっています。家の中で夢を膨らませること、自分の可能性を時間をかけて育んで欲しい」と熱く祝福しつつ、「ここに立つ自分たちの姿をみて、今日の話を聞いて、もし映画に関わる仕事をしたいと思って(いつかそれを叶えられたなら、その時には)この話を聞いていたと是非声をかけて欲しいです。ぜひ一緒に仕事をしたいです」とエールを贈った。

最後に、綾野から作品を楽しみに待つファン、そして配信視聴者に向けて「改めて本当にありがとうございます。こうして光を当てて頂いて有難うございます。1月29日から公開します。愛を育んで作ったとても大切な作品になりました。愛を育んで作ってきました。私にとっての集大成となった映画で、そしてこれからの僕にとってのいちばんのライバルになるのだろうと予感がしています。そんな作品をみていただけたら、映画を観終わった後家族の一員になれたらなとおもうので、是非宜しくお願いします」 と本作に掛ける熱い想いを明かし、多くの視聴者に見守られる中、本イベントは大盛況で幕を閉じた。

『ヤクザと家族 The Family』
1月29日(金) 全国公開
監督・脚本:藤井道人
音楽:岩代太郎
出演:綾野剛 尾野真千子 北村有起哉 市原隼人 磯村勇斗 菅田俊 康すおん 二ノ宮龍太郎 駿河太郎 岩松了 豊原功補 寺島しのぶ 舘ひろし
制作プロダクション:スターサンズ
配給:スターサンズ KADOKAWA

【ストーリー】 1999年、父親を覚せい剤で失い、その日暮しの生活を送っている時に、柴咲組組長の危機を救った男・山本賢治(綾野剛)。自暴自棄になっていた自分に手を差し伸べてくれた柴崎博(舘ひろし)に心の救いを得て、二人は父子の契りを結ぶ。2005年、短気な面もあるが一本気さのある山本は、ヤクザの世界で男をあげていく。激化する因縁の相手・侠葉会との争い、自分と同じような境遇で育った女性との出会い、大切な家族である仲間を失ってしまうなど、人生を大きく揺り動かす激動の瞬間に愚直なまでに向き合って生きる山本、そして彼は自分の“家族・ファミリー”を守るために、ある決断をする…。2019年、14年もの年月を犠牲にした山本が出所後目の当たりにしたのは、暴対法の影響でかつての隆盛の影もなく、存続していくのもギリギリな状態に一変していた柴咲組の姿。時代の流れによる大きな変化に戸惑いながらも、愛する家族との生活を望み、新たな人生を歩もうとする山本に、状況を根底から揺るがす事件が…。

©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会