在宅医療のスペシャリストであり、実際に尼崎市で在宅医として活躍する長尾和宏のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」を、『禅』『赤い玉、』などの問題作を発表し続ける巨匠・高橋伴明監督が柄本佑主演で映画化する『痛くない死に方』。新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて今夏の劇場公開が延期されていたが、このほど、新たに2021年2月に公開されることが決定した。併せて、追加キャストとして、坂井真紀、奥田瑛二、余貴美子、宇崎竜童、大谷直子らが出演することが発表され、ポスタービジュアルもお披露目となった。
在宅医師・河田仁の新たな患者は、娘・智美の意向で、痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく、「痛くない在宅医」を選択した、末期の肺がん患者・井上敏夫。しかし結局、敏夫は苦しみ続けてそのまま死んでしまう。智美は、それならあのまま病院にいさせた方が良かったのか、病院から自宅に連れ戻した自分が殺したことになるのかと、自分を責める。在宅医の先輩・長野浩平に相談した河田が突きつけられた現実とは…。
追加キャストとして、父親のために、痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したのに、父親が苦しみ続けてそのまま死んでしまい、自分を責める智美役に坂井真紀。主人公・河田仁(柄本佑)の先輩で、「カルテでなく人を見ろ」がモットーの長野浩平役に奥田瑛二。長野と在宅医療を支える看護師・中井春菜役に余貴美子。そして、河田が新たに担当することになる明るい末期の肺がん患者・本多彰役に宇崎竜童。その妻・しぐれ役に大谷直子が扮する。
第23回上海国際映画祭でワールドプレミアを行った本作は、11月14日に第45回湯布院映画祭の秋の陣にて日本初上映され、2021年2月に全国順次公開される。さらに、本作の原作者で医療監修を務めた長尾和宏のドキュメンタリー映画『けったいな町医者』が同時期に公開されることも決定した。同作は、実際に兵庫県の尼崎市で在宅医として活躍する長尾和宏の現場を徹底的に取材し、命の駆け引きの現場をリアルに映像に収めた問題作。ナレーションは本作で主演を務めた柄本祐が担当し、監督は本作のチーフ助監督の毛利安孝が務める。
■柄本祐(河田仁役) コメント
高橋組の一員になれるだけで最高なのに、主演という一番監督と長く居られる部署にまさか呼んでいただけるとは!高橋伴明監督の骨太な「ヨーイ、ハイ!」には人を突き動かす生命力に溢れていたように思います。たくましい人間ドラマを楽しんでいただけたら幸いです。
『痛くない死に方』
2021年2月 全国順次公開
監督・脚本:高橋伴明
原作・医療監修:長尾和宏
出演:柄本佑 坂井真紀 余貴美子 大谷直子 宇崎竜童 奥田瑛二 大西信満 大西礼芳 下元史朗 藤本泉 梅舟惟永 諏訪太朗 田中美奈子 真木順子 亜湖 長尾和宏 田村泰二郎 東山明美 安部智凛 石山雄大 幕雄仁 長澤智子 鈴木秀人
配給:渋谷プロダクション
【ストーリー】 在宅医療に従事する河田仁(柄本佑)は、日々仕事に追われる毎日で、家庭崩壊の危機に陥っている。そんな時、末期の肺がん患者である井上敏夫(下元史朗)に出会う。敏夫の娘の智美(坂井真紀)の意向で痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したとのこと。しかし、河田は電話での対応に終始してしまい、結局、敏夫は苦しみ続けてそのまま死んでしまう。「痛くない在宅医」を選んだはずなのに、結局「痛い在宅医」になってしまった。それなら病院にいさせた方が良かったのか、病院から自宅に連れ戻した自分が殺したことになるのかと、智美は河田を前に自分を責める。在宅医の先輩である長野浩平(奥田瑛二)に相談すると、病院からのカルテでなく本人を見て、肺がんよりも肺気腫を疑い処置すべきだったと指摘される河田。結局、自分の最終的な診断ミスにより、敏夫は不本意にも苦しみ続け生き絶えるしかなかったのかと、河田は悔恨の念に苛まれる。長野の元で在宅医としての治療現場を見学させてもらい、在宅医としてあるべき姿を模索することにする河田。大病院の専門医と在宅医の決定的な違いは何か、長野から学んでいく。2年後、河田は、同じく末期の肺がん患者である本多彰(宇崎竜童)を担当することになる。以前とは全く違う患者との向き合い方をする河田。ジョークと川柳が好きで、末期がんの患者とは思えないほど明るい本多と、同じくいつも明るい本多の妻・しぐれ(大谷直子)と共に、果たして、「痛くない死に方」は実践できるのか。
©「痛くない死に方」製作委員会