池田エライザ「あまりにも(食事が)美味しいので私もトモロヲさんもカットがかかった後もずっと食べ続けています」

建築、旅、暮らしなどを題材に独自の世界観で多数執筆している人気作家・甲斐みのりの「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」を、「建築×グルメ」をテーマに池田エライザと田口トモロヲのダブル主演でドラマ化する「名建築で昼食を」が、8月15日よりテレビ大阪とBSテレ東にて放送される。それに先がけ、8月13日に東京・山の上ホテルにてオンライン記者会見が行われ、池田エライザ、田口トモロヲが登壇した。

Q:演じる役について。

池田:ドラマの撮り方もなかなか独特のもので、「こういう役でこういう風に動いて」というのがしっかり決まっているわけではなくて、建築をめぐっていく過程で、役も一緒に成長していくというか、台本を読んで現場に行っても建築を見てまた気持ちが変われば、監督とお話して、こういう風に気持ちが動いたんだけどいかがかな、というような会話をしながら現場で成長させていくというところがあります。性格としては、ちょっと優柔不断なところがあったりとか、でも好きなものを徹底して好きだったりとか、誰もが持っている部分、普遍的な部分をたくさん持っている女の子だと思います。でもこういう役です、というわかりやすいものがなくて、説明が難しいなというのが正直なところです。

田口:僕は植草千明という、ちょっとすると女性と間違えられがちな名前の、名建築マニアのおじさん…おっさんでございます。とにかく名建築が好きで、もう日々自分でそういうのを調べて見に行って写真に撮って、そしてSNSに上げているという。そこでSNSに載せた名前が“千明”というネーミングだったので、女性かなと思って主人公の池田さん演じる藤さんが近づいてくる、と。そしたらなんとおっさんだった、という(笑)。そんな役です。名建築マニアでその趣味に特化している。それ以外は、ミステリアス。よく言えばミステリアスですが、でも今、ミステリアスなのか?っていう。(エライザさん)首をかしげた?

池田:いつも楽しそうです(笑)

田口:いつもこうやって、年下の乙女に咎められています。撮影中も。そんな人物ですね。

Q:名建築を見るだけでなくランチをするというのも特別な気持ちになりますか?

池田:そうですね。目で見て楽しい建築を眺めながらご飯をたべることがそもそも幸せなことだと思うんですが、これが本当に毎回美味しいんですよね!昼休憩が入る前に食事シーンをよく撮るのですが、あまりにも美味しいので私もトモロヲさんもカットがかかった後もずっと食べ続けていたんですよ。ふと周りを見渡すとスタッフさんが誰もいなくなっていて…(笑)。我々が食べているのを見てお腹が空いちゃってお弁当を食べに行ったんじゃないかというようなことが起きるくらい、見た目にも美しいランチが登場します。私が保証します!

田口:撮影の後、必ずカットがかかったあとも僕は食べ続けています。全て完食。ほぼ完食してきましたね。

Q:撮影中に印象に残っているシーンやエピソードは?

田口:とにかくテストをやらないんですよ、このドラマ。ほんとに生で始めるので、それで名建築を見に行く部分はその場所を大事に、それぞれの担当者の方がいらっしゃるので、その方が説明しながら僕らが入ってという構造になっていて、せーので始まる。その担当者の人も、初めての経験ですと言いながら。それでもだんだん時間が経つにつれて乗ってくるんですよね。説明の熱量がどんどん、どんどん増えていく。それを肌で感じるのが非常に勉強になりますね。面白いなぁって。最初は緊張してたのに、リラックスしてものすごく語り出したりとか。カメラが止まってるのに僕の横から離れずにずっと話してくださったりする方もいらっしゃって、やっぱりこの場所、この建築が好きなんだと言うことに感動できたりしています。打ち合わせもなく担当者の方は説明をしているので、それで僕の千秋という役はそれを知っているという設定なんですけれども、ついやっぱりその話の面白さに引き込まれてほおほおと初めて聞いているようになってしまうので、ちょっと注意しながらやってます。

池田:この本を読んでいて面白いなと思うのは、藤はカフェを営むことが夢で、ちょうどそのカフェを営むために親友といろいろ意見を交換しながら頑張っている過程で千明に弟子入りをして建築をめぐるんですけれども、そのお芝居パートのもやもやというか、悩みと建築と絡めて、建築士の想いであったりに絡めて作ってくれるので、救ってくれる部分もあるんですが、結構撮影が前後しちゃったりすることもあるんです。台本もコロコロ変なんですけれども、ロケする場所が変わったにもかかわらず、ちゃんと助けてくれるようなセリフを生み出せるのが本当にすごいなと思っています。毎回、大丈夫かな、お話と芝居の辻褄合うかなとて不安になるんですけれども、多分この現場に複数名、乙女建築好きがいまして。スタッフの方で結構いらっしゃいますよね。そんな感じがするくらい、温かいセリフがたくさんあります。勇気づけられています。まだ取り終わっていないのでこれから強烈に印象に残るものが出てくるかもしれませんね。

Q:共演した印象は?

池田:もしトモロヲさんが本当はハードボイルドな人だったら、私が素直に答えた印象が失言になるじゃないかと(笑)。本当に物腰の柔らかい方で、進行がもたつく瞬間があっても全然わかりましたって言う方なので。でもそれを言ってしまうことが、トモロヲさんにとって負のイメージになってしまうかもしれないと言う恐怖があって…(笑)

田口:池田さんも本当に素直に、それで疑問に思った事は聞くし、演技でフリーになるときは好奇心を発揮して思いついたことを素直に聞き出すし、ほんとにそういう感じの乙女です。

Q:最後にメッセージを。

池田:私自身も身をもって経験したというか、名建築は少し敷居が高い気がしてしまうかもしれないですけど、誰かが愛情込めて作った建物なので、その細部に迫って見ると本当に人間の感情の素晴らしさ、美しさみたいなものに触れられると思うので、そこでまたランチをいただくことができて癒されると思います。何の気なしに言ってしまえば敷居の低いドラマです。どんな方でも建築に詳しくなくても見ていただけるドラマになっていると思うので、一緒に共感しながら楽しみながら見ていただけたらなと思います。

田口:エライザ、トモロヲの。ふたりともカタカナネームの。今まであったでしょうか。このバディが名建築をめぐって癒されて、許されていくという物語です。こんなに身近に名建築が存在したのか、しかもそこでランチがいただけるということなので、ぜひ皆さんこれを見ていただいて、そういう世界に開眼していただけると嬉しいと思います。本当に身近にありました。“エライザ、トモロヲの名建築で昼食を”よろしくお願いします。

「名建築で昼食を」
8月15日(土)より、テレビ大阪、BSテレ東にて放送
テレビ大阪:毎週土曜深夜0時56分〜1時26分放送
BSテレ東(BS7ch)/BSテレ東4K(4K7ch):毎週土曜深夜0時00分〜0時30分放送
監督:吉見拓真
原案:甲斐みのり「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」
監修:甲斐みのり
脚本:横幕智裕
出演:池田エライザ 田口トモロヲ

【ストーリー】 有名建築家を父に持つ建築模型士・植草千明(田口トモロヲ)はノスタルジックで可愛らしい「乙女建築」めぐりが趣味で、SNSにその成果をあげている。ある日その建築めぐりのSNSにコンタクトを取ってくる女性が…。広告代理店で働く春野藤(池田エライザ)は元カレからぬか床を預かる羽目になり、複雑な心境でかき混ぜる毎日を送っている。将来の夢である友人アヤコとのカフェ開業の参考にと、千明のSNSをフォローしていた。SNSを通じメッセージをやり取りしている中で、藤と千明は一緒に名建築でランチをすることに。出会った時に渡されたお菓子の懐かしいイラストの包み紙を大事に剥がす千明に共感する藤。そして名建築を巡っているうちに、千明の一風変わった独特な価値観やものの捉え方や視点に興味を抱いていく。起業を準備している友人アヤコとの意見やセンスの食い違い、気の遣いすぎで疲弊していた藤の心が千明の何気無い言葉から、物事を捉える視点とともにゆっくりと変わっていく…。