中村倫也「アホってことですか?」深川麻衣に「休憩中も監督の似顔絵を書いていたり…」と明かされツッコみ!

中村倫也が1人7役に挑戦し、曜日ごとに人格が入れ替わる主人公を演じる映画『水曜日が消えた』が、6月19日より公開中。このほど、7月3日にブロードメディアスタジオ月島試写室にて生中継舞台挨拶イベントが行われ、キャストの中村倫也、石橋菜津美、深川麻衣が登壇した。

MCの呼びかけで登場した中村倫也、石橋菜津美、深川麻衣。中村が「火曜日、他を演じました中村倫也です。皆さんありがとうございます。結構離れて、目の前にお客さんがいないというのも僕は初めての経験なので、どんな時間が過ごせるか楽しみにしています!宜しくお願いします!」、石橋が「一ノ瀬役を演じました石橋菜津美です。みなさん映画楽しんでいただけましたか?この反応が聞こえないという形も何か変な感じですが、楽しんでいっていければと思います」、そして深川が「瑞野を演じました深川枚です。限られた時間ですが、宜しくお願いします」と挨拶をし、舞台挨拶は始まった。

本作の監督を務めた吉野耕平監督に第一子が誕生し、この場に駆けつけることができないことがMCから発表されると、「おめでたいですね!」とお祝いムードで、最初から和やかな雰囲気で舞台挨拶はスタートした。

公開して今日で、ちょうど2週間の心境を尋ねられると、中村は「ありがたいことに、観てくださった方からの評判が良くて、嬉しい限りですね。親とかにムビチケをプレゼントしたのですが、“今日観に行ってきました!”って連絡が来たりしました。僕は友達が何分少ないもんで、暗い話になるのでやめておきます(笑)」、石橋は「姉が10年ぶりに映画を観にいった、ということでした(笑)。すごい喜んで、観終わってすぐ電話がかかってきました」、深川は「私も友達や家族から映画館で観たよって連絡もきました。私も映画館に観に行きました」とそれぞれコメントした。

主演作が公開されたことについて、中村は「主演なんですが、みんなで物作りしたもの、現場であくせくしながら作ったものが届く、という印象で。今回に関しては、吉野さんは長編初監督作品で、素晴らしい才能が日本の映画ファンや色々な人に広まっていくのが何より楽しみですね」と話した。また石橋は「吉野監督ってとても不思議な方なので、吉野監督の見えている世界が色々な人が届けばいいなと思っていたので、色々な人が見て、私と同じように共感してくれるといいなと思ってます」、深川は「この作品すごいCGが沢山使われていて、台本の時点ではどうなんだろうと思っていたものも、出来上がったものを見ると、監督の頭の中では最初からこの世界が広がっていたんだな、とすごくびっくりして、この世界観ってあんまり今までの映画ではないと思うので、たくさんの人に観ていただきたいなと思います」と監督世界観を力説した。

中村の一人での場面が多かったことについて話が及ぶと、「前半、一人家でぶつぶつやっているのが多くて、後半も自分と芝居したりと、何分初体験が多かったですね。あとはとにかく、寂しかったですね」と中村が振り返り、石橋が「寂しいってずっと仰ってましたね。(中村さんは)ムードーメーカーってほど何かしているわけではないけど、いるだけでほわっとする感じ?現場に入ると締まる感じで、不思議な方だなと思いました。ご一緒する時間も少なかったので、掴めない方だなと思いました」と中村のイメージを話すと、中村も「今日は色々な意味でディスタンスがあると」と冗談を交え、遠く離れた会場に笑いを届けた。深川も「私も今回初めましてだったんですけど、石橋さんが言ったみたいに、掴みどころがなくて、でも行動と言葉が予測できなくて、ぽっと言った言葉が現場を和ませてくれたり、優しいお兄さんという感じです」と中村の印象を口にした。それに対して、中村は「僕の方が年上なのに、(役柄から)お姉さんって感じがしていて、でもお兄さんって言われて、混乱しています」と恥ずかしがりながら返答した。

きたろう、中島歩、休日課⻑といった共演者の話になると、中村は「休日課⻑さんの吐息をここ(首を指差しながら)で聞いたのは僕だけだと思います(笑)。贅沢な、自然と鳥肌が立ちました(笑)。役作りは完璧だったということですね(笑)。中島さんは、あんなにイケメンなのになぜ怪しい雰囲気を出せるのか、現場で目が離せない存在でした。きたろうさんは、役柄が照れ臭いのか、カットがかかった瞬間に“今のシーンはね、こんな感じでね”とクッション材を挟むんですよね。それがすごくチャーミングで。大先輩ですが、個性豊かな方に囲まれて、楽しかったです。だからこそ、一人でいるのが寂しかったかもしれないですね」と熱く語った。

印象に残ったシーンに関しては、「私は(中村さんが)花束を持ってジャンプしているシーンがいちばん好きなのですが、本当に可愛くて、ファンとして見てました。ファンになるなって思いました(笑)」と石橋が中村をベタ褒めすると、中村も「何言っているんですか(笑)」と言いつつ、「アリトゥース」と回答。深川も「後半の告白のところとか、台本だとちょっと視界が途切れるって書いてあって、どうやって撮影するんだろうって思ってて、相談しながら撮影していたんですが、見事で監督さすがだなって思いました」と印象的なシーンについて話した。中村も自身で撮影するシーンに関して振り返り、「カメラマンもやっていたんですよね。別途ギャラを交渉しなきゃなって思ってたんですけど(笑)。みんなで吉野さんのイメージを共有しながら、一個一個やっていきました。役者セクションだけじゃない、作るパートもやらせていただいたので、楽しかったです」と今回の経験を振り返った。

そんな中村に対して、石橋が「一ノ瀬という役は、ただただ、中村さんの出すもので引っ張られている感じだったので、真似はできないな、という感じでした」と改めて中村を大絶賛すると、中村は「主演ってあんま慣れていないポジションなので、こんなにも自分のことを皆が話すなんて、小っ恥ずかしいですね。ありがとうございました」と照れている様子。深川も「撮影中もですが、撮影以外でも遊び心がある方で、こんなに自由でいいんだ、と発想とか引き出しとかが物凄い方だなと思いました。毎回ちょっとずつカメラが回るたびにやることが違ったり、休憩中も吉野監督の似顔絵書いていたり、なんて言うんですかね…」と言葉に詰まると、中村が「アホってことですか?」とツッコみ、ここでも会場を沸かせた。

“火曜日の僕”がルーティーンを大事にすることから、ルーティーンに関しての話になると、深川は「朝にカフェオレを飲むくらいです。シャキッてします。自分で入れるインスタントのやつです」、中村は「僕はあんまないですね。世界平和について考えるくらい?…映画のスタッフしか笑っていないですね。寝る前に動物のことを調べるくらいですね。そうして蓄積した知識の出しどころを探っています(笑)」、そして石橋は「私もあんまりなくて、窓を開ける?ですかね」とそれぞれのルーティーンを話した。

最後に、中村が「“中村倫也が7人格を演じたこと”がコアな部分ではなく、ささやかな、じんわりと手の中に残る、肌触りのある作品かなあと思います。エンドロールも遊び心あったと思います。面白かったよって誰かに言いたくなる作品になっていたら嬉しいなと思います」と話すと、3人はカメラに向かってエアーサインをし、離れた場所にいる観客にメッセージを届け、大盛況のまま舞台挨拶は幕を閉じた。

『水曜日が消えた』
6月19日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
監督・脚本・VFX:吉野耕平
音楽:林祐介
主題歌:須田景凪「Alba」
出演:中村倫也 石橋菜津美 中島歩 休日課長(ゲスの極み乙女。) 深川麻衣 きたろう
配給:日活

【ストーリー】 幼い頃の交通事故をきっかけに、一つの身体の中で曜日ごとに入れ替わる“7人の僕”(中村倫也)。各曜日の名前で呼び合う彼らの中でも、“火曜日”は一番地味で退屈な存在。今日も“火曜日”はいつも通り単調な一日を終えると、また一週間後に備えて、ベッドに入る。それは突然やってきた。“火曜日”が朝目を覚ますと、周囲の様子がいつもと違うことに気付く。見慣れないTV番組、初めて聞く緑道の音楽…そう、“水曜日”が消えたのだ。水曜日を謳歌する“火曜日”だったが、その日常は徐々に驚きと恐怖に変わっていく。残された“火曜日”はどうなってしまうのか…。

©2020『水曜日が消えた』製作委員会