松本穂香「視聴覚室でひっそり。全然人が来なかった」青春時代の思い出を告白!

ふくだももこの小説「えん」と「ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら」を、ふくだ自身が監督を務め、主演に松本穂香を迎えて映画化する『君が世界のはじまり』が、7月31日より公開される。このほど、6月29日にアーツ千代田3331にて完成記念トークイベントが行われ、キャストの松本穂香、中田青渚、片山友希、金子大地、甲斐翔真、小室ぺい、ふくだももこ監督が登壇した。

心の底で鬱屈とした思いを抱えながら学校生活を送る、えんを演じた松本。共感できるキャラについて聞かれると、自身が演じた えん ではなく、片山が演じた純だと答え、「私も親に対して、愛情があるからこそ、ツンツンしちゃうところがある」ことを告白。片山が「ちょっと意外ですね」と驚くと、「ぜんぜんあります(笑)」と苦笑いを浮かべた。

今回で松本とは二作目のタッグとなったふくだ監督は、主演を「どうしても、穂香ちゃんにやってもらいたかった」という。「今回は若いキャストと経験の少ない人もいたので、穂香ちゃんにも演出の目を持って私の方に来てほしかった。見事にやってくださった」と松本を絶賛した。これに対して松本は、「監督と撮影中にやり取りしていたので、自然とやっていた。人としての関係性が深くなってからの二作目だったので、また違うやり方が良いんだろうなと。自然とそうなりましたね」と撮影を振り返った。

劇中のキャラクターにちなんで、高校時代の一方通行な経験が聞かれる場面も。金子は「悩みがなかった。楽しかった。今楽しければ良いみたいなチャラチャラしたクソみたいな野郎でした」とコメント。軽音部だったという小室は「ライブとかも誰も見に来てくれなかったから寂しかったです」と苦笑い。甲斐は「サッカーだけしかやってなかった。僕の青春はサッカー」と話す。演劇部だったという松本は、「視聴覚室でひっそり。全然人が来なかった」と自虐的に述べていたが、「体育館でやっても音響の設備が悪すぎて、声がなんにも届かなくて(笑)。ただジタバタしていた(笑)」と青春時代の思い出を楽しそうに語っていた。

『君が世界のはじまり』
7月31日(金)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督・原作:ふくだももこ
脚本:向井康介
劇中歌:ブルーハーツ「人にやさしく」
出演:松本穂香 中田青渚 片山友希 金子大地 甲斐翔真 小室ぺい 板橋駿谷 山中崇 正木佐和 森下能幸 江口のりこ 古舘寛治
配給:バンダイナムコアーツ

【ストーリー】 大阪の端っこのとある町。深夜の住宅地で、中年の男が殺害される。犯人は高校生だった。この町の高校2年生のえん(松本穂香)は、彼氏をころころ変える親友の琴子(中田青渚)と退屈な日々を送っていたが、琴子がサッカー部のナリヒラ君(小室ぺい)に一目惚れしたことで、二人は徐々にすれ違うようになっていく。同じ高校に通う純(片山友希)は、母が家を出ていったことを無視し続ける父親に何も言えぬまま、放課後ショッピングモールで時間をつぶす。ブルーハーツを聴きながらふと通りかかった屋上で、東京から転校してきた伊尾(金子大地)と会い、求めるものもわからぬまま体を重ねるようになる。偶然ナリヒラ君の秘密を知るえん。急接近した二人を見て見ぬふりをする琴子。琴子に思いを寄せる、サッカー部キャプテンの岡田(甲斐翔真)。思いの捌け口を見つけられない純。田舎に閉じ込められた自分と義母を重ねる伊尾。変わらない町…。そんなある朝、父親殺しの犯人が逮捕され…。郊外の気怠い空気とそれぞれの感情が混じり合い、物語は疾走していく。

©2020『君が世界のはじまり』製作委員会