松本穂香の魅力とは?「猫背だけど、心の芯はまっすぐ」「自然体」「目が印象的」3人の監督が大絶賛!

文学・映像両才能を持ち合わせた新鋭作家ふくだももこの長編初監督作品で、板尾創路、浜野謙太の共演で贈る映画『おいしい家族』(9月20日より公開中)に主演する松本穂香。このほど、本作のふくだ監督と、同じく松本主演作品である『わたしは光をにぎっている』の中川龍太郎監督、『酔うと化け物になる父がつらい』の片桐健滋監督の3人が彼女の魅力について語った。

au「意識高すぎ!高杉くん」CMシリーズの“松本さん”として広く知られるようになった松本穂香。連続テレビ小説「ひよっこ」出演、日曜劇場「この世界の片隅に」でドラマ初主演を果たし、着々と女優としてのキャリアを積み上げ続け、さらに今年から来年にかけては、主演映画が立て続けに公開されることが決定しており、勢いはとどまるところを知らない。そんな彼女の魅力について、彼女を演出した3人の監督が語った。

■ふくだももこ監督(『おいしい家族』)
Q:キャスティングの決め手。
朝ドラの「ひよっこ」の生天目澄子役をみて、「おもろい顔やなあ」と思ったのと同時に、誰にも似てない、唯一無二の魅力があると感じました。プロデューサーもまったく同意見で、すぐにオファーしました!

Q:女優・松本穂香の魅力。
ただそこに「居る」ことができる人。猫背だけど、心の芯はまっすぐ。吸い込まれるような瞳。カメラを通すと、ブラックホールアイ(勝手に命名)になる。あと声も好きです。声にも芯が通ってる。とにかく大好き。

Q:観客のみなさんに注目してほしい、『おいしい家族』の松本さんの見どころ。
これからの、女優としての未来。バーで母の姿を見た後店を飛び出し「母さん」と呼び止めるところ。「強く」「囁くように」「すがるように」と、3パターンの演出をすべて一瞬で理解しやってくれた。あと犬のシーン。こちらから何も言っていないのに、ハマケンさん(浜野謙太)と二人で気持ちを作って、本気でやってくれたので、私は本番中も笑っていたし、ずっと見ていたかったです(笑)。

■中川龍太郎監督(『わたしは光をにぎっている』)
Q:キャスティングの決め手。
松本さんが上京してきたばかりの頃、知人の紹介で知り合いました。それから数年経って、彼女の変貌ぶりに驚きました。変わらないところと変わる部分とのセンスがいい人なんだな、と感じて、キャスティングさせていただきました。

Q:女優・松本穂香の魅力。
普段から、自分以外の何かを演じようとしないところが素敵だと思います。業界に入ってきて、俳優さんの言葉遣いや言い回しに染まっていく人が結構いますが、僕はそれはちょっと苦手なのです。自分が自分としてあれる、それも肩肘張らずに、そういう自然体の魅力が、すなわち俳優としての松本さんの魅力だと思っています。

Q:観客のみなさんに注目してほしい、『わたしは光をにぎっている』の松本さんの見どころ。
「立ち姿」に注目してみてください。ロングショットで風景の中に溶け込んでいる場面が多い中で、松本さんは、表情ではなく、立っている姿、そのわずかな揺らぎや身体の芯の置き方によって、主人公の心情を表現しています。

■片桐健滋監督(『酔うと化け物になる父がつらい』)
Q:キャスティングの決め手。
僕が助監督の時に、別作品のオーディションでお会いして以来、ずっといつか仕事してみたいと思っていました。その時のお芝居は俳優さんではなく代役が僕だったんですが、とても準備してきたという松本さんの熱量を感じたのを覚えています。

Q:女優・松本穂香の魅力。
普段はほわーんとしてる感じなのに、本番になった時の集中力、瞬発力が素晴らしいなと。シリアスもコケティシュも自然ですし、とても目が印象的だと思います。現場で一緒になったスタッフはみんな松本さんの人柄を好きになってましたね。僕もそうなんですが。

Q:観客のみなさんに注目してほしい、『酔うと化け物になる父がつらい』の松本さんの見どころ。
高校生から30歳くらいまでを一人で演じられているので、大変だったろうなと…。自分の内面を出さない主人公を演じることは難しいと思いますが、少しずつ変化していく感情の機微を松本さんだから具現化できたと思います。

『おいしい家族』
9月20日(金)より全国公開中
監督・脚本:ふくだももこ
主題歌:yonige「みたいなこと」
出演:松本穂香 板尾創路 浜野謙太 笠松将 モトーラ世理奈 三河悠冴 栁俊太郎
配給:日活

【ストーリー】 橙花(松本穂香)は東京で働くキャリアウーマン。母の三回忌に実家の離島に帰ると、なぜか父・青治(板尾創路)が母の服を着て生活していることを知る。びっくりする橙花を気にせず父は続けて「この人と家族になる」とお調子者の居候・和生(浜野謙太)を紹介。橙花は父を始め、様々な価値観や個性をもった人たちに出会うことで、自分が考える常識から解き放たれ、次第にそれぞれの個性を受け入れると共に、自分らしく生きることの大切さに気付いていく。
©2019「おいしい家族」製作委員会

『わたしは光をにぎっている』
11月15日(金)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
監督:中川龍太郎
脚本:末木はるみ 中川龍太郎 佐近圭太郎
主題歌:カネコアヤノ「光の方へ」
出演:松本穂香 渡辺大知 徳永えり 吉村界人 忍成修吾 光石研 樫山文枝
配給:ファントム・フィルム

【ストーリー】 なんとなく東京へ出てきたが、仕事も人付き合いもうまくいかない澪(松本穂香)。ある時から古い銭湯を手伝い始め、昔ながらの商店街の人たちとも交流するようになり、少しずつ都会の暮らしにも喜びを見出していく。だが、やっと見つけた居場所が、もうすぐなくなってしまうと知った澪は、「しゃんと終わらせる」決意をする。「閉店します」の貼り紙、一夜で壊される建物、路地から消える子どもたちの声…。今、日本は発展や再開発の名のもとに、大きく変わろうとしている。“失われていくもの”を、感謝を込めて丁寧に送り出すことで、前へ進もうとする澪は、現代に生きる私たちに大切なものが終わる時にどう向き合うかを、まっすぐな瞳で伝えてくれる。
©2019 WIT STUDIO / Tokyo New Cinema

『酔うと化け物になる父がつらい』
2020年春、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
監督:片桐健滋
原作:菊池真理子「酔うと化け物になる父がつらい」
脚本:久馬歩(プラン9) 片桐健滋
出演:松本穂香 渋川清彦 今泉佑唯 恒松祐里 濱正悟 安藤玉恵 宇野祥平 森下能幸 星田英利 オダギリジョー 浜野謙太 ともさかりえ
配給:ファントム・フィルム

【ストーリー】 一風変わった家庭で育ち、自分に自信が持てず不器用な主人公・サキ(松本穂香)。普段は無口で小心者なのに酔うと化け物になる父(渋川清彦)のおかしな行動、さらに、新興宗教にハマる母(ともさかりえ)の孤独に触れながら、なんとか日々を生きていた。自分とは正反対で明るく活発な妹や、学生時代からの親友に支えられ、家族の崩壊を笑い話に昇華していくサキ。“化け物とのたたかい”を経て気がついた、彼女の“生き方”とは?
©「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会