今もなお暗殺説が囁かれる第2代国連事務総長ダグ・ハマーショルドの謎の事故死に、デンマーク人ジャーナリストで監督のマッツ・ブリュガーが迫ったドキュメンタリー『Cold Case Hammarskjold』(原題)が、邦題『誰がハマーショルドを殺したか』として6月に公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。
マッツ・ブリュガー監督は、暗殺説がありながらも詳しい調査が行われず、未解決だったハマーショルド事故死の真相を追うヨーラン・ビョークダールの調査に参加する形で撮影を開始。調査の中で暗殺を仄めかす資料の存在が明らかになるも、当時の関係者たちは皆、口をつぐみ、追跡取材が行き詰まりをみせる…。そんな時、彼らはハマーショルド暗殺事件にとどまらない、秘密の組織による世界史を覆すような驚愕の“ある絶滅計画”に遭遇する…。
第35回サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門で監督賞を受賞、世界78もの映画祭で上映され、各地で議論を巻き起こした本作は、Hollywoodnews.comが選ぶ2019年ベストドキュメンタリーで2位を獲得。1本の映画が歴史的な新事実を発表するということは珍しく、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙でも評価を得るだけでなく、2019年映画祭での上映時には日本でも読売新聞ほか、いくつかの新聞で「新証言により長年のハマーショルド事件の謎が解明した」というニュースが流れた。
マッツ・ブリュガー監督は、北朝鮮で撮影した『ザ・レッド・チャペル』(2009)で第26回サンダンス映画祭審査員賞を受賞、その後もアフリカの政治汚職に切り込んだ『アンバサダー』(2011)と、常に潜入捜査で政治的秘密を暴いてきた。本作にも、彼の渾身の取材ルポがまとめられている。
『誰がハマーショルドを殺したか』
6月 シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・脚本・出演:マッツ・ブリュガー
音楽:ヨーン・エリック・コーダ
出演:ヨーラン・ビョークダール
配給:アンプラグド
【作品概要】 1961年9月、コンゴ動乱の停戦調停のため、当時の国連事務総長ダグ・ハマーショルドはコンゴに向かった。しかし途中、ローデシア(現ザンビア)にてチャーター機は謎の墜落事故を起こし、ハマーショルドを含む乗員すべて死亡。長らく原因不明の事故とされてきたこの未解決事件にデンマーク人ジャーナリストで監督のマッツ・ブリュガーと調査員のヨーラン・ビョークダールは挑む。その後、これは単なる墜落事故ではなく、ハマーショルドの命を狙った暗殺事件であったことを仄めかす資料を発見。ブリュガー監督とビョークダールは謎を解明すべくアフリカ、ヨーロッパ各地を旅するが、当時の関係者たちは皆、口をつぐみ追跡取材は行き詰まりを見せる。しかし彼らは調査をすすめるうちに、ハマーショルド暗殺事件の真相だけでなく、想像を絶する驚愕の秘密組織サイマーによる陰謀にぶち当たる。
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