石橋蓮司「撮影中は生前葬的な雰囲気で」自虐トークに佐藤浩市、江口洋介、妻夫木聡、井上真央ら豪華キャストが大爆笑!

『半世界』『エルネスト』『団地』の阪本順治監督が、石橋蓮司を主演に迎えて贈る『一度も撃ってません』が4月24日に公開。このほど、3月9日に有楽町朝日ホールにて完成報告会が実施され、石橋蓮司、大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、江口洋介、妻夫木聡、新崎人生、井上真央、渋川清彦、前田亜季、小野武彦、阪本順治監督が登壇した。

本作は、昼は妻にタジタジ、ハードボイルド気取りばかりで、ここ数年原稿は採用されず発行してもらえない頼りない小説家、夜はチマタで噂の伝説の殺し屋なのでは…と囁かれる御年74歳の男性が主人公のハードボイルドコメディ。

昼と夜の顔を持ち合わせるキャラ濃いめの市川進/御前零児(おまえれいじ/ペンネーム)役を演じた石橋。18年ぶりの映画主演作となるということで、「監督に付けまつ毛していいか?と聞いたらダメ。ヅラをかぶっていいかと聞いたらダメと言われて、普段どおりやった」という。本作については「ひっそりと上映して、ひっそりと評価されて終わる作品になれば」と思っていたそうだが、「とてもつもない人たちが出ることになって。どうやってこの人たちを説得したんだ」と疑問だったというが、「監督と製作部が『石橋蓮司の遺作になる』と言って集めたんじゃないかと」と疑いつつ、「撮影中は生前葬的な雰囲気でやらせていただいた。どうも皆さん、長い間お世話になりました」と自虐コメント。「これだけのオールスターが集まるなら、お正月映画だろう」と思っていたという石橋は、「4月にやると聞いて驚いている。これはお正月にやるべき」と訴えていた。

本作の企画のきっかけを作った桃井は「遺作にしようとしたんじゃなくて、死ぬと分かって撮るんじゃなくて、元気なうちに、余力がある間に、力を発揮させたかった」という。石橋の主演作で映画初出演を果たした桃井は「ずっと蓮司さんの背中を見て育ったので、こんな女優になっちゃった」と石橋を責めつつも、「この洒落た俳優を世界に出そうと」計画したが、「日本の宝としてしまっておく」案もあることを明かすと、石橋から「しまっておいて」とお願いされていた。

実際に主演として現場にいた感想を聞かれると、石橋は「大事にしてくれるわけではないし、一番朝も早いし、終わるのも最後だし。ちっとも良いことなかった。二度とやりたくない」と冗談めかして愚痴を言い放ち、会場を爆笑に包んだ。

石橋の撮影は過密スケジュールだったそうで、あまり寝ていないこと知った妻夫木は「だいぶお疲れだったようで。これだけのメンバーを集めても、2週間しか撮影期間がないことに驚いた」と述べ、井上も「酷使されて、すごく心配でした…」と石橋を気遣っていた。

『一度も撃ってません』
2020年4月 TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:阪本順治
脚本:丸山昇一
出演:石橋蓮司 大楠道代 岸部一徳 桃井かおり
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 市川進(石橋蓮司)はハードボイルドを気取っているが、今や全く原稿が採用されない時代遅れの作家。そんな彼には旧友・石田和行(岸部一徳)から依頼を請け負う、伝説の殺し屋・サイレントキラーというもう一つの顔があった。だが彼自身はもっぱら狙う標的の行動をリサーチするだけで、実際の殺しは今西友也が行っていた。ある日、石田が中国系のヒットマンから命を狙われ、市川にも身の危険が迫る。そんな市川の行動に不信を抱いた妻の弥生(大楠道代)は、夫の浮気を疑って市川の立ち回り先を調べ始める。一方、市川はヒットマンを返り討ちにするため今西を探すが、見つけた今西は酔って仕事ができない状態だった。市川行きつけのバー『Y』に現れた弥生は、市川と旧知の女性・玉淀ひかる(桃井かおり)に夫との仲を問い詰めた。そこにやってきたヒットマン。そして一度も人を撃ったことがない殺し屋・市川が『Y』に入ってきた…。

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