第13回本屋大賞にて第5位に選出され、17万部を超えるベストセラーとなった辻村深月による長編小説を、『あん』、『光』の河瀨直美監督が映画化する『朝が来る』の公開日が6月5日に決定した。併せて、特報映像、ポスタービジュアル、そして追加キャストとして、山下リオ、森田想、堀内正美、山本浩司らが出演することが発表された。
本作は、長く辛い不妊治療の末、実の子を持てなかった夫婦と、中学生で妊娠し、断腸の思いで子供を手放すことになった幼い少女を繋ぐ「特別養子縁組」によって、新たに芽生える家族の美しい絆と胸を揺さぶる葛藤を描くヒューマンドラマ。血のつながりか、魂のつながりか。現代の日本社会が抱える問題を深く掘り下げ、家族とは何かに迫る。
特報映像は、実の子を持てなかったが特別養子縁組によって新たな希望と出会った夫婦と、実の子を育てることができず悲しみに暮れる少女の対比から始まり、胸を締めつけられるような、佐都子(永作博美)や清和(井浦新)の苦悩する姿や、ひかり(蒔田彩珠)の哀切この上ない表情を映し出す。特別養子縁組で男の子を家族に迎え、3人で幸せな生活を送っているかと思えば、一転して「子供を返してほしいんです」と謎の女からの電話で不穏な空気が漂い始める。「あなたは一体、誰ですか」と深刻な表情で問いただす佐都子や、「お母さんはあなたではないと思います」と真剣に訴えかける清和…しあわせな家族に危機が迫る。はたして、突然現れた女は何者なのか、何が目的なのか?一本の電話から、二人の母と子の運命が動き出す。
ポスタービジュアルには、「あなたは、誰ですか。」という意味深なコピーと、謎の女を怪訝そうに見つめる栗原夫婦のただならぬ姿が収められる。そのほか、子供を大事そうに見つめる栗原夫妻や、温かいまなざしを注ぐひかり、優しく微笑む浅見(浅田美代子)の表情も切り取られ、ひとすじの希望の光が垣間見える。
新たなキャストとして、山下リオ、森田想、堀内正美、山本浩司、三浦誠己、池津祥子、若葉竜也、青木崇高、利重剛が参加する。
『朝が来る』
6月5日(金) 全国公開
監督・脚本:河瀨直美
原作:辻村深月「朝が来る」
共同脚本:髙橋泉
出演:永作博美 井浦新 蒔田彩珠 浅田美代子 佐藤令旺 田中偉登 中島ひろ子 平原テツ 駒井蓮 山下リオ 森田想 堀内正美 山本浩司 三浦誠己 池津祥子 若葉竜也 青木崇高 利重剛
配給:キノフィルムズ 木下グループ
【ストーリー】 一度は子どもを持つことを諦めた栗原清和(井浦新)と佐都子(永作博美)の夫婦は「特別養子縁組」というシステムを知り、男の子を迎え入れる。それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。ところが突然、朝斗の産みの母親“片倉ひかり”を名乗る女性から、「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」という電話がかかってくる。当時14歳だったひかり(蒔田彩珠)とは一度だけ会ったが、生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心優しい少女だった。渦巻く疑問の中、訪ねて来た若い女には、あの日のひかりの面影は微塵もなかった。いったい、彼女は何者なのか、何が目的なのか…?
©2020『朝が来る』Film Partners