Webサイト「日刊SPA!」で驚異的なPVを誇る連載エッセイを“恋愛エピソード”を中心に再構築した、爪切男による同名小説を、賀来賢人を主演に迎えてドラマ化する「死にたい夜にかぎって」が、2月23日よりMBS/TBSドラマイズム枠にて放送開始される。それに先立ち、2月19日に代官山 蔦屋書店にて1話先行試写会&トークイベントが行われ、主演の賀来賢人、村尾嘉昭監督、脚本を担当した加藤拓也、原作者の爪切男、そしてエンディング主題歌を書き下ろしたBiSHのアイナ・ジ・エンドが登場した。
本作は、原作者・爪切男本人のまさかの実体験エピソードを書いた同名小説を実写ドラマ化したもので、幼くして母に捨てられた男・小野浩史(賀来賢人)が、さまざまな女たちとの出会いを通じ、ときにぶつかり合い、たまに逃げたりしながら、少しずつ笑顔を取り戻していく、悲しくもユーモアあふれる物語。
そんな本作のドラマ化を熱望したという村尾監督は、「溝の口の本屋さんで(原作を)手に取って、最初の学校のブロックを読んで面白すぎて、すぐ企画書を書きました」と打ち明け、どうすれば原作権を取れるのか考えた末、爪が出演したトークイベントに会いに行ったという。爪は「サウナにみんなで入ろうというよくわからないイベントに呼ばれていて、予約者は一人しかいない集会だったのに、村尾さんがいらっしゃって…」と回顧。ドラマ化されることはドッキリだと思ったそうで、「サウナで一緒に服を着ていない状態でオファーをいただいたので、こういうオファーもあるんだなって思いました。そのときから熱意は感じていたので、気にはなりましたね」と語り、主演を賀来が務めると聞いた際は「ずっとドッキリが続いていましたね。裸でオファーしてきて、2回目に会ったときに『賀来賢人でいきます』って言われたときは、頭のやべえ人だなって思いました(笑)」と告白して会場の笑いを誘った。
賀来も10年来の知人である村尾監督から熱烈なオファーをもらったそうで、「こんなに熱烈なのは初めてですよ。あの手この手を使って、マネージャーさんが困る困る(笑)」と笑い、「どんな作品か知らなかったんですけど、とにかく“何か”やりたいということは外から聞いていて、その“何か”ってなんなんだろうって思って、やっと(村尾監督と)繋がって『読んでみて』って言われたのが今回の作品です」とコメント。最初に原作を読んだときは実話だと思わなかったという賀来は「普通のラブストーリーとか男女の話って、ご都合主義なところがあるじゃないですか。それが今回まったくなかったので即答でしたね」といい、原作を読んでの感想を聞かれると「ハードというか、関わる人も破天荒ですし、浩史という人自体も、絶望的なことが自分に起きていようが『まっ、いいか』精神で乗り越えてしまう。それを赤裸々に、悲劇を喜劇に変えて書いている爪さんのお顔を想像して、どんな人なんだろうって興味が湧きました」と目を輝かせた。
原作を脚本に落とし込む際にこだわった点について加藤は、「村尾さんからお話をいただいて、僕はもともと原作を知っていたから『原作が好き』って話から始まって、『原作を大事にしような』って話をして、決定稿を書き終えたあとに爪さんと初めてお会いしたんですけど、そのときに第一声目で『原作に忠実にするのはちょっとね』って言われてビックリしましたね」と苦笑。その後どうしたのか追求されると、「『決定稿やし知らんわ』って思ってまあええかって。でもご本人の体験談ということで、変にいじくり回すのも違うかなという思いもあったので、そこは大事にしたいなと思いました」とこだわりを明かした。
TSUTAYAプレミアム限定で独占配信される特別編「あとがき」について、村尾監督は「車椅子のミキさんという、爪さんが1番大切にされているエピソードで、爪さんの初体験の話です」と紹介し、「すごくいい話で、ミキさんが太くかっこいい生き方で、爪さんの初体験の話もすごく感動的で、めちゃくちゃ大事なエピソードで、アスカ(山本舞香)と浩史のその後もあって感動するので、特別編は絶対に見ていただきたいです」とアピールした。
続いて、どのような思いでエンディング主題歌「死にたい夜にかぎって」を書き下ろしたのか聞かれたアイナは、「私、書き下ろしというのが人生初めてで、原作がすごく好きだったので、初めてなのに全然苦しまず、爪さんの言葉を好きなように捉えて作らせていただきました」といい、「爪さんの言葉が脳裏にこびりついていたので、歌詞もいつもよりスラッと書けて、男の人目線の歌詞を初めて書いたので、それと同時にAメロBメロは自分史上1番低いところからスタートさせて、自分なりの男の人の歌を作ってみました」と吐露した。
さらに1話に2秒ほど出演しているというアイナ。ドラマ撮影への参加は初であり、演じた役柄を「浩史が(居酒屋で)歌を歌っているときに、ただただ2秒だけ見る居酒屋のお客さんです」と紹介し、「生まれて初めて演技をしたんですけど、全役者さんを尊敬しました」とコメント。そのシーンを村尾監督が絶賛すると、アイナは「一人でよく鳥貴族に行っているんですよ。だからそのままです(笑)。よかったです」と言及し、チェインストーリーではセリフありの芝居にも挑戦しているそうで、「ちょっと楽しかったです。なので、いつか(女優業を)やれたらいいなって思いましたけど、全然そんなまだまだすぎます」と恐縮した。
加えて、アイナが、アスカが毎朝、寝起きに浩史の首を絞めるというシーンがグッとくるという話をすると、賀来は「ドラマのスケジュールって大変で、同じシチュエーションだったら一日にバーっと撮らないとダメなんですね。なので一日中、首を絞められる日があって、山本舞香ちゃんがすごい集中力なので、さすがに弱く締めさせるのはかわいそうだなと思って『本気で来てくれ』と言ったら、即答で『はい!』って言われて(笑)、全部全力でした。本当に大変でしたね」と村尾監督と苦労を分かち合った。
最後に、賀来は山本との共演について、「舞香ちゃんは今、この作品にすべてをかけているんですよ。ここまで演じたいと思った役が初めてだそうで、死に物狂いで集中して、首を絞めるシーンのあとにアスカの明るいシーンを撮って、またそのあとに首を絞めて泣くアスカを撮って、情緒がめちゃくちゃな一日を何日も過ごしているんですね。それでも毎回全力投球でやるので、体ボロボロなんですけど、でも現場に来るたびに華やかになりますね」と山本を称賛し、「3日間、舞香ちゃんがいないときがあって、久々に来たと思ったら『私に会えなくて寂しかったでしょ、みんな』って言っていました(笑)。本当に現場のヒロインですね」と声を弾ませた。
「死にたい夜にかぎって」
2月23日(日)よりMBSにて放送開始 毎週日曜24:50~放送
2月25日(火)よりTBSにて放送開始 毎週火曜25:28~放送
2月25日(火)TBS放送終了後より、TSUTAYAプレミアムにて独占配信開始
監督:村尾嘉昭
原作:爪切男「死にたい夜にかぎって」
脚本:加藤拓也
オープニング主題歌:ましのみ「7」
エンディング主題歌:アイナ・ジ・エンド「死にたい夜にかぎって」
主演:賀来賢人 山本舞香 戸塚純貴 今井隆文 青木柚 櫻井健人 玉城ティナ 小西桜子 中村里帆 安達祐実 光石研
【ストーリー】 「君の笑った顔、虫の裏側に似てるよね。カナブンとかの裏側みたい」当時、高校で一番かわいい女の子からそう言われた小野浩史(賀来賢人)は、この日を境にうまく笑えなくなった…。母親には幼くして捨てられ、初恋の相手は自転車泥棒。女性に様々なトラウマを抱えた浩史が、橋本アスカ(山本舞香)と出会ったのは、音楽系のチャットルームだった。アスカが入室してくるたびに高揚する浩史の気持ち。初めて直接彼女と出会った時、アスカは変態に“唾を売って”生活していた…。その日から、人生最愛の彼女との最高で最低の6年間が始まった。
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