ポン・ジュノ監督「ビー・ガンはこの先20年間の映画界を牽引する監督の一人」長編デビュー作『凱里ブルース』4月公開!

史上最年少の26歳で金馬奨の最優秀新人監督賞を受賞した、『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』(2月28日公開)のビー・ガン監督の長編デビュー作『凱里ブルース』の公開日が4月18日に決定した。併せて、本作の予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となり、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

凱里の小さな診療室に身を置いて、老齢の女医と幽霊のように暮らすシェン。刑期を終えてこの地に帰還したときには、彼の帰りを待っていたはずの妻はこの世になく、しばらくして可愛がっていた甥も弟の策略でどこかへ連れ去られてしまった。シェンは甥を連れ戻すために旅に出る。そして辿り着いたのは、ダンマイという名の、過去の記憶と現実と夢が混在する不思議な街だった。

ビー・ガン監督は1989年生まれで現在31歳、中国貴州省凱里市出身の映画監督。長編デビュー作となる本作は26歳の時に撮られた。低予算での製作で出演者のほとんどが監督の家族や親戚、友人であり、故郷である凱里でロケを行った同作は、瞬く間に各国の映画祭で評判を呼び、スイスのロカルノ国際映画祭でワールドプレミア上映されると新進監督賞と特別賞を受賞し、各国のメディアやジャーナリストから驚きと称賛を持って迎え入れられた。その時の興奮を、後に新華社通信は「過去五年で一番優れた中国国産映画」「中国映画を五十年進歩させる」と絶賛されたと伝える。その後もフランス・ナント三大陸映画祭で中国人としては、ホウ・シャオシェン監督の『恋恋風塵』(1986)以来となる黄金の熱気球賞(グランプリ)を受賞、さらに中華圏のアカデミー賞とされる金馬奨では最優秀新人監督賞とFIPRESCI賞に輝くなど、その圧倒的な才能を世界に見せつけた。

2月28日より公開されるビー・ガン監督の最新作『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』では、革新的な後半60分の3Dワンシークエンスショットが話題となっているが、『凱里ブルース』でも後半40分間でワンシークエンスショットが使われる。その他にも、共に凱里の高低差を活かした地形でロケを敢行した浮遊感あふれるカメラワークや、過去と現在を行き来するテーマなど、両作品には共通点が多く見受けられる。

▼著名人 絶賛コメント

■ポン・ジュノ(映画監督)
ビー・ガンはこの先20年間の映画界を牽引する監督の一人である。フィルムノワールの亡霊、ウォン・カーウァイの不機嫌なブルーズ、『めまい』とタルコフスキーの時間の洞窟、ホウ・シャオシェンの長い出会い、アピチャッポンの神秘的な夢想。それらの光源は、ビーの映画館の鏡の間で反射する。

■ギエルモ・デル・トロ(映画監督)
魂の彷徨に関する驚くべき処女作。時と出来事の連鎖、そして後悔の念が描き出す、その天才的かつ詩的な映画技で、凱里一帯を40分のワンショットで追う。なぜ映画で?なぜ人生を? 

■ジョナサン・デミ(映画監督・故人)
もしも無鉄砲な初監督が、新作のほぼ半分近く、ある場所から別の場所(各々非常に離れた場所)へとカットしない決断を勇気をもってくだしたとしたら?その代わりに、めちゃくちゃ超越的な1時間半のワンテイクをあえて強行する選択をしたら?その答えは十中八九、このビー・ガンの傑作である『凱里ブルース』になるでしょう。ワンテイクは、記憶に残る映像体験のつかの間の投影なのです。

■深田晃司(映画監督)
『ロングデイズ・ジャーニー』が艶やかなメイクを拭いとりすっぴんになったような。『凱里ブルース』はそれゆえに作家の力強い個性と野心がむき出しで、地肌の息遣いに魅せられた。詩人の歩みに連れられ世界が拡がる快感!

『凱里ブルース』
4月18日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・脚本:ビー・ガン
出演:チェン・ヨンゾン ヅァオ・ダクィン ルオ・フェイヤン シエ・リクサン ルナ・クオック
配給:リアリーライクフィルムズ ドリームキッド

【ストーリー】 凱里の小さな診療室に身を置いて、老齢の女医と幽霊のように暮らすシェン。刑期を終えてこの地に帰還したときには、彼の帰りを待っていたはずの妻はこの世になく、しばらくして可愛がっていた甥も弟の策略でどこかへ連れ去られてしまった。シェンは甥を連れ戻すために旅に出る。そして辿り着いたのは、ダンマイという名の、過去の記憶と現実と夢が混在する不思議な街だった…。

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