2008年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載され話題を呼んだ、一人のラブドール職人と彼が一目で恋に落ち結婚した妻との日々を描いた傑作小説を、原作者のタナダユキ自身が監督・脚本し、高橋一生と蒼井優の共演で映画化した『ロマンスドール』が、1月24日に公開初日を迎えた。それを記念して、同日に新宿バルト9にて初日舞台挨拶が行われ、キャストの高橋一生、蒼井優、渡辺えり、きたろう、タナダユキ監督が登壇した。
ラブドール職人という役柄を演じた高橋は、「ドールの作り方から学んでいかなくちゃいけないと思っていたので、今まで経験したことのないものになるだろう」と思っていたようだが、脚本を読んで「蒼井さんとご一緒できることがとても楽しみになった」とのこと。蒼井との共演で印象的だったシーンについては、「新婚の初日、式が終わった日に『よろしくお願いします』と言うシーンがあったんですけど、役者冥利に尽きると言いますか、疑似体験できてとても幸せな気分になりました(笑)」と笑顔で語った。
また、渡辺から「高橋さんが『結婚したくてしょうがない』って現場で言っていて、『蒼井優ちゃん、独身だからいいんじゃない?アタックすれば?』って言ったら、(高橋が)『意識するから嫌だな』って言ってたら(蒼井が)結婚しちゃったから。残念でしたねという話ですよね(笑)」と現場でのエピソードが披露され、高橋が「僕だけ槍玉に上げられてすごい大損じゃないですか!そんなに『結婚したい』って言ってないですよ」と焦る一幕も。続けて、高橋が「やたらに二人(渡辺ときたろう)が蒼井さんを薦めてくる」、蒼井も「私も打ち上げの時にきたろうさんに『一生くん、独りだよ』って言われました(笑)」と打ち明け、客席の笑いを誘っていた。
本作が夫婦の10年間を描いていることから、10年前の自分に今だから言えることは?という質問も。高橋は「『まだ自転車に乗ってる』って言います」と答え、「バイクや車に乗って大人の男性になっていたかったですけど、全然自転車大好きですね」と将来の自分を想像していた。
「10年間騙された話」について語った蒼井は、「二十歳ぐらいの時に、舞台が全然上手にできなくて落ち込んでいたら、タナダさんが観に来てくれた」そうで、地井武男のファンだという蒼井に、タナダ監督がサイン入りの「ちい散歩」の本をプレゼントしたという。「すごい嬉しくて、ずっと大事にしていた」そうだが、「10年経って、タナダさんに『あの時、本当に嬉しかった。今も大事にしてるんだよ』って言ったら、『え?信じてるの?』って言われた」とのこと。「タナダさんが書いた地井さんのサインだった(笑)」とショックを受けたことを明かし、「その頃の私に『それは偽物だぞ』って教えてあげたいです(笑)」と当時の自分を悔やんでいた。
また、共演してみて一番秘密めいた人は?という質問に、高橋と答えた蒼井とタナダ監督。蒼井は「赤ちゃんみたいな時と、仙人みたいな時のギャップがすごい」と答え、「さっきも裏でポップコーンをずっとすごい勢いで食べてて(笑)。私の友達の赤ちゃん、こんな感じだなぁって思って見てました」と笑い、高橋は「ごめんなさい。全然ミステリアスでも何でもないです(笑)」と恥ずかしそうな表情を見せた。
イベントの最後には、結婚から始まるラブストーリーである本作にちなんで、1月30日の“愛妻の日”を前に、男性キャストと本作のプロデューサーから、女性キャストと監督へ花束がプレゼントされた。
『ロマンスドール』
1月24日(金)より全国ロードショー
監督・脚本:タナダユキ
原作:タナダユキ「ロマンスドール」
主題歌&劇中歌:never young beach
出演:高橋一生 蒼井優 浜野謙太 三浦透子 大倉孝ニ ピエール瀧 きたろう 渡辺えり
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 美人で気立てのいい園子(蒼井優)に一目惚れして結婚した哲雄(高橋一生)が、彼女にずっと隠し続けている仕事、それはラブドール職人としてドールを作っていること。平穏に過ぎていく日常の中、哲雄は仕事にのめり込み、恋焦がれて結婚したはずの園子とは次第にセックスレスになっていた。いよいよ夫婦の危機かと思ったとき、園子はぽつりと胸の中に抱えていた秘密を打ち明けた。純愛と性愛とドールが交錯する、大人のラブストーリー。
©2019「ロマンスドール」製作委員会