【全文掲載】蒼井優、“ミステリアス”な高橋一生は「赤ちゃんみたいな時と、仙人みたいな時のギャップがすごい」

2008年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載され話題を呼んだ、一人のラブドール職人と彼が一目で恋に落ち結婚した妻との日々を描いた傑作小説を、原作者のタナダユキ自身が監督・脚本し、高橋一生と蒼井優の共演で映画化した『ロマンスドール』が、1月24日に公開初日を迎えた。それを記念して、同日に新宿バルト9にて初日舞台挨拶が行われ、キャストの高橋一生、蒼井優、渡辺えり、きたろう、タナダユキ監督が登壇した。ここでは、本イベントの模様を全文掲載でお届けする。

MC:それでは、映画『ロマンスドール』の初日舞台挨拶を行って参りましょう。キャスト監督の皆さんの登場です。盛大な拍手でお迎えください。高橋一生さん、蒼井優さん、渡辺えりさん、きたろうさん、そしてタナダユキ監督です。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、今日集まっていただいたお客様へ向けて皆さんから一言ずつご挨拶をいただきます。まずはこの映画の主人公になります、ラブドール工場で働く哲雄を演じました高橋一生さんです。

高橋:こんばんは。ようこそおいでくださいました。もう撮影から丸々1年経ちました。この日が来るのを楽しみにしておりました。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。

MC:ありがとうございました。続きまして、哲雄の妻・園子を演じられました蒼井優さんです。

蒼井:皆様、今日はお忙しい中ありがとうございます。公開になってとても嬉しいです。よろしくお願いします。

MC:ありがとうございました。続きまして、哲雄が働く職場の同僚・田代まりあを演じられました渡辺えりさんです。

渡辺:こんばんは。本当におもしろい作品で、楽しい現場で、出演することができて嬉しく思っています。今日は楽しみにしてください。

MC:ありがとうございます。続きまして、哲雄の師匠的存在であるドール造形士・相川金次を演じられました、きたろうさんです。

きたろう:本日はどうもありがとうございます。エッチな男性も心美しい女性も楽しめる映画になっています。どうぞゆっくりご覧ください。エッチな男性、いないんだよ!意外と。女性が多いんだよ。(マスコミを指して)このへんだよ、エッチな男性。

MC:カメラマンの皆さんですね(笑)。どうもありがとうございました(笑)。そしてこの映画の原作者であり、脚本、もちろん監督を務められています、タナダユキ監督です。

タナダ:皆さん、今日はお忙しい中どうもありがとうございます。短い時間ですが、楽しんでいっていただければと思います。よろしくお願いします。

MC:ありがとうございます。そしてついに映画公開ということで、おめでとうございます!まず、主演の高橋一生さんにお伺いします。タナダ監督が愛を込めて紡ぎあげた、この作品の脚本を初めて読まれた時はどんな感想をお持ちになったのでしょうか?

高橋:まず、ドールの作り方から何から学んでいかなくちゃいけないと思っていて、それは今まで経験したことのないものになるだろうと思っていたので、あとは蒼井さんとご一緒できるというのがとても楽しみになった本でした。

MC:実際にドール職人さんの製造工程も見に行ったとお伺いしました。

高橋:はい。何度か見させていただきました。実際にやらせていただきましたし、各パートに分かれているんですけど、ずっとあるものを作り続けるとか、それを流して、またずっと毛を植毛し続けるとか、そういう工程を全部何回かに分けて見させていただきました。

MC:ご覧になってみて、演技のアプローチで役に立った部分もあったのでしょうか?

高橋:自分で意図してこれがこれに役だった、というのはないかもしれないですけど、実際は皆さん淡々と職人さんのように工芸品を作るような形で作っていらっしゃったので、そこはとても自分の中で残っているんだと思います。

MC:そして、念願の蒼井優さんと共演されたわけですけれども、特にご一緒されて印象に残っているシーンはどこでしょうか?

高橋:新婚の初日、結婚式が終わった日に「よろしくお願いします」というシーンがあったんですけど、役者冥利に尽きるなと言いますか、疑似体験ができてとっても幸せな気分に、1月の薄ら寒い中、僕は思いました(笑)。

MC:そう言われておりますが、蒼井さん。

蒼井:ああいうシーンってありがたいですよね。本当にあったかい気持ちになるので、私も楽しかったです。

MC:どうでしたか?実際に共演されて「こういうアプローチをするんだ」と感動した点はありますか?

高橋:蒼井さんは自然と返してくださって、ボールを渡してそのボールが返ってくるというキャッチボールじゃなくて、何個かの玉をずっと投げ合っている感じができるのが幸せな体験でした。

MC:蒼井さんは?

蒼井:大人な現場でしたね。皆さんとても温かいんですけど、完璧に仕事を、変に熱く演技論を語り合うとか、このシーンはああだこうだというんじゃなくて、準備したものを持ち寄ってパッと出して形を整えて「お疲れ様でした」という感じなのが、私もとても気持ちがよかったです。

MC:蒼井さん、園子という女性は、内面的な部分で感情の変化が機微のように出てきますが、一番どんなところが難しかったですか?

蒼井:一生さんが完璧に計算されていて…。

高橋:えぇ~?

渡辺:あれも完璧な計算?結婚式の…。

高橋:指輪のシーン?

渡辺:そうそう。あ、言っちゃいけないんだ!(笑)。すごいうまいもんね。ああいう人、いるもんね!

きたろう:計算なわけないだろう!台本読めよ!

タナダ:そこは予告編でちょっと出てるはずです。

渡辺:ああいうの、わざとらしくなるもんでしょ?でも本当にそういう人がいるっていう感じで、大笑いしちゃったもんね!

きたろう:あんまり喋るなよ。時間がないんだから!

高橋:えりさんもきたろうさんもずっと袖で喋っていらっしゃるので、出るタイミングが全然わからなくて。声がすごい大きいので全然わかんなかった(笑)。

渡辺:すいません…。失礼しました(笑)。

蒼井:本当に完璧な計算をしてくださっているので、私は一生さんから発せられるものを受け取ってお返しして、という感じだけだったので。何も難しいなぁということはなかった気がします。

MC:そこはタナダ監督のキャスティングの素晴らしさたるかと。

タナダ:私がキャスティングを全権握っているわけではないので、あれなんですけど(笑)。やっぱり今日来ていただいている皆さんはお仕事したい方たちだったので、本当に皆さんに現場では助けられました。

MC:蒼井さんとタナダ監督は『百万円と苦虫女』以来ですから、蒼井さん、タナダ監督の現場はどんなところが魅力ですか?

蒼井:さっき話したことと一緒になってしまうんですけれども、とにかくあったかい現場で、仕事をきちんとするという感じなんだけど、人情味があって、そういうところが好きです。