【全文掲載】蒼井優、“ミステリアス”な高橋一生は「赤ちゃんみたいな時と、仙人みたいな時のギャップがすごい」

MC:ありがとうございます。完成披露ではお越しいただけなかったのですが、本日は渡辺えりさんがいらっしゃっております。

きたろう:あなただけ来なかったの。みんな来たの。

渡辺:知らなかった!すいません!

MC:渡辺さん、映画をご覧になっての感想をお願いします。

渡辺:泣きました!台本見ても泣いたんですけど、とにかく泣きました。精神面も全て美しい二人、その外見だけじゃなくて、内面もピュアな人たちが愛し合っていて、私たちは引き立て役で出ているのかわかりませんけれども、女性としてすごく共感できる映画だなと。

きたろう:えりさんは…。

渡辺:聞かれてないから!私が喋ってるから!

きたろう:おばさんというよりおじさんだから。

渡辺:なんでよ!おじさんじゃないですよ!私は昔から「南極2号」っていうあだ名で、どういう意味かわからなかったわけですよ。調べたら「あ、ダッチワイフか」と思って。そういう変なイメージしかなくて…。

きたろう:ラブドール!

渡辺:うるさいって!

きたろう:ダッチワイフって言わないんですよ!

渡辺:だから変なイメージしかなかったのを、今回見て、人形たちが本当に美しくて。それで、それを作っている職人さんたちの愛情というか、本当に細やかな作業を間近で見させていただけて、ホールとか今まで見たことがないようなものも手にとって全部見て、そういう偏見がこの映画に参加したことでなくなったのと、愛って何なんだ、家族って何なんだという根本的なところ、私たちは動物として生まれて生きているんだけど、その根源的なものの神聖さを感じることができて。あまり内容は言えないからちょっと抽象的なことを言っていますけれども、本当にいい映画だなと…。

きたろう:それはお客さんが感じることでね!

渡辺:なんでよ!細かいこと言っちゃいけないからさ、自分が言ってるわけなんだよ!?だったらもういろいろ言っちゃうよ!?

きたろう:もういいよ!

MC:高橋さん、現場でずっとこんな感じだったんですか?

高橋:ずっと、今現場かなと思いました(笑)。

渡辺:でも本当に現場は楽しかったです。それで、高橋さんが「結婚したくてしょうがない」って現場で言っていて、「あ!蒼井優ちゃん、独身だからいいんじゃない?アタックすれば?」って私が言ったら、(高橋が)「そんな、意識するから嫌だなぁ」って言ってたら、(蒼井が)結婚しちゃったから。残念でしたねという話ですよね(笑)。

(会場爆笑)

きたろう:その話はするなって言ったろ!

渡辺:だめなの?相手の名前を言っちゃいけないんでしょ?

高橋:なんか僕だけ槍玉に上げられてすごい大損じゃないですか。そんなに「結婚したい」なんて言ってないですよ!

渡辺:言ったよ!言った言った!言いましたよ!

高橋:本当?そうですか…。

MC:もめないでいただいて…。

高橋:でも、やたら裏で二人(渡辺ときたろう)がすごい薦めてくるんですよ、蒼井さんを。「いいんじゃないの!?いいんじゃないの!?」って。

蒼井:私も打ち上げの時、きたろうさんに言われましたもん。「一生くん、独りだよ」って(笑)。

高橋:「今ここで言ったほうがいいんじゃないの?」って。うるっさいなぁ~と思って。ほっといてくれよと思って(笑)。

きたろう:でもいいカップルじゃない。

MC:でも、そちらのお二人も素晴らしいカップルですよね。

きたろう:やめてくださいよ。

MC:夫婦漫才かというような(笑)。

きたろう:女性じゃないの。

渡辺:ひどいよ!

きたろう:彼女は楽屋で「太ってる人はみんなストレスから太ってるんですよ」って言ったのを覚えているんだけど、あれは本当なんですか?

渡辺:どういうこと?私、太ってないもん!

きたろう:あなたじゃなくて。

渡辺:太って見えるのは眼鏡をかけたあなただけですよ!

きたろう:眼鏡かけてないだろ!

渡辺:これ、普通ですから、私の体形は。そう人を差別するのやめなさいっていうの。

きたろう:違う、ストレスで太るって言ってたの!

高橋:進めてもらっても…(笑)。

渡辺:タナダ監督、このキャスティングは素晴らしかったですね!

タナダ:素晴らしかったです(笑)。

MC:台本いらなかったんじゃないかなと。

タナダ:今のやりとりだけで映画の期待値が無駄に上がってしまったと思っちゃうんですけど(笑)。

MC:改めてタナダ監督、12年前にご自身で書き上げた物語がこうやって映画化になりまして、おめでとうございます。どんなお気持ちですか?

タナダ:感慨深いですね。12年前は自分が映画にするとは思ってなかったので、それが12年の時を経てじわじわと「映画化しないんですか?」という声があったり、あとはラブドールが美しい造形物として認知されてきたという時代の流れがあって、一番最初に蒼井さんが(本を)読んでくれていたので、ただ、読んでくれたのが20代だったから、蒼井さんにオファーはできないな、蒼井さんが30代だったらなとはちょっと思っていたんですけど、ちょうどいい塩梅になってくれました(笑)。あと、まず哲雄が誰よというところが12年前も同じく問題としてあったので、ちょうどいい具合に(高橋が)30代になってくれて(笑)。今だからできたんだろうなと思います。

MC:おめでとうございます。物語は夫婦の10年間を描いているということで、ここで蒼井さんと高橋さんに聞いてみたいと思います。この作品にひっかけまして、10年前の自分に今だから言えることは何かありますか?

高橋:まだ自転車に乗ってるって言います。もう自転車に乗らないだろうなと思ってたんですよね、10年前の僕は。バイクに乗ったり車に乗ったり、大人の男性になってるわよって言いたかったですけど、全然自転車大好きですねぇ。この間も青山通りずっと走ってましたね。

MC:見つかったりしないんですか?

高橋:全然見つからないですよ!気づかないんじゃないですかねぇ。

MC:意外とみんな「あ!」と思ってますよ。蒼井さんはどうですか?

蒼井:10年前っていう話ではないですけど、10年間騙された話があって。ここにいるタナダ監督が、私がすごく落ち込んでいたときがあって、20歳ぐらいの時かな、舞台で全然上手にできなくてすごい落ち込んでたら、タナダさんが観に来てくださった時に、もう落ち込んでるっていうのを聞いてたらしくて、私、すごく地井武男さんが好きなんですね。「ちい散歩」も大好きで、「ちい散歩」の本があるんですけど、それに(タナダ監督が)「地井さんのサインをもらってきた」って言って、すっごい嬉しくて!ずーっと大事にしてたんです。そしたら、10年経ってタナダさんに「あの時本当に嬉しかったんだ。今も大事にしてるんだよ」って言ったら「え、信じてるの?」って言われて。

タナダ:あいたー…。

蒼井:タナダさんが書いた地井さんのサインで(笑)。たしかに、ひらがなで「ち」にハートがあって、「お」の点がハートになってて!私は「地井さんってほんとにキュートな方なんだなぁ」ってすごい信じてて(笑)。

渡辺:ひどいね、それ!(笑)。

蒼井:10年前の私に「それは偽物だぞ」って教えてあげたいです(笑)。

タナダ:人って弱ってると何でも信じちゃうんだね。

蒼井:皆さんも気をつけてください(笑)。

タナダ:冗談で「バカだな、タナダさん!」っていうノリで「ちいたけお、ハート」って、まさか騙されないだろうと思って。そしたら何年後かに電話があって、何だろうと思ったら、「あれってさ、地井さんのサイン、偽物?」って言われて、「今!?」っていう(笑)。むちゃくちゃ反省しました。なんて綺麗な心の人を騙してしまったんだろうとむちゃくちゃ反省しました(笑)。

蒼井:そういうことがありました(笑)。