和田光沙「大切なものを失った場所で再び歩き出す物語」福間健二監督最新作『パラダイス・ロスト』3月公開!

詩人・映画監督として活躍する福間健二の、『あるいは佐々木ユキ』(2013)、『秋の理由』(2017)に続く長編劇映画第6弾『パラダイス・ロスト』が、3月20日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。

心臓発作で死んだ山口慎也の妻・亜矢子は、彼の死後、夢で慎也に会い、彼の残したノートの言葉を読み、ときには彼がまだそばにいると感じる。一年が経過し、亜矢子のまわりには、友人の佐々木ユキ、その恋人の川村講平、慎也の母、信代と異父弟の翔がいる。本作は、パラダイスへの夢を失ったこの世界にどう生きるのか、どう希望をとりかえすのかを、夫を失ったひとりの女性と彼女をとりまく人々に問いかける。

夫を失った女性・亜矢子を、『岬の兄妹』(2019)、『菊とギロチン』(2018)など話題作への出演が続く和田光沙。翔を、映画初出演となる我妻天湖。亜矢子の夫・慎也を、舞台から映画へ活躍の場を広げる江藤修平。ユキを、『あるいは佐々木ユキ』のユキの7年後の姿を演じる小原早織。映画作家である川村講平を、『秋の理由』に続いて、自身が映画監督でもある木村文洋が演じる。そして、この5人に関わる人物に、森羅万象、宇野祥平、佐々木ユメカ、スズキジュンゾなど福間監督が思いを寄せてきたキャスト陣が扮する。

ポスタービジュアルには、まっすぐに正面を向く亜矢子(和田光沙)が捉えられ、「ゼロからはじまる自分に会いに行く。」というキャッチコピーが。また、タイトルの下には、福間監督自身による、ヒロインの心情を表わした詩も掲載されている。

■和田光沙(亜矢子役) コメント
『パラダイス・ロスト』は、大切なものを失って立ち止まった場所で、再び人や景色や包み込む世界と出会い、歩き出す物語です。亜矢子という女性が失った楽園を漂うように、不安なときも手探りで、福間監督の作品に散りばめられた様々な言葉を手がかりに、みんなで作り上げました。すべてのことはメッセージ。ぜひ観てください。

■福間健二(監督) コメント
この地上の「いま」を抱きしめたい。パラダイス・ロスト。ミルトンの大名作『失楽園』の原題が頭に浮かんだ。同時に、木下夕爾の詩「死の歌」と原民喜の遺作短篇「心願の国」をかさねあわせて見出していた、この世の外に追われる死者の、地球への思いも。ひとりの死者が自分の去った世界を見ている。そのイメージ。映画にも詩にもある客観の視線。だれがそれを見ているのかという昔からの問いがある。そのひとつの答えになるのではないか。そう思ったとき、『パラダイス・ロスト』は動き始めた。この地上、この世界。うまく行っているように見えていたことも音たてて崩れている。パラダイスを夢見ることはもうできないのだろうか。ここで私たちはどう生きて、どう夢をとりかえすのか。生と死の境界をこえる視点から、幻想的かつリアルに、「いま」を抱きしめたいと思った。私たちの生きる場所を再発見するために。

『パラダイス・ロスト』
3月20日(金)よりアップリンク吉祥寺にてロードショー、以後全国順次公開
監督・脚本:福間健二
出演:和田光沙 我妻天湖 江藤修平 小原早織 木村文洋 森羅万象 宇野祥平 佐々木ユメカ スズキジュンゾ 松本桂 岡田潔 グラシアス小林 郷津晴彦 外山将平 吉野晶 室野井洋子
配給:tough mama

【ストーリー】 東京郊外の人気のない場所。心臓発作で倒れたひとりの男が死ぬ。彼は山口慎也(江藤修平)。仕事はネットの古本屋で、原民喜の小説と木下夕爾の詩が好きだった。妻の亜矢子(和田光沙)は、彼の死後、夢で慎也に会い、彼の残したノートの言葉を読み、ときには彼がまだそばにいると感じる。一年が経過。亜矢子のまわりには、友人の佐々木ユキ(小原早織)、その恋人の川村講平(木村文洋)、慎也の母、信代と異父弟の翔がいる。パラダイスへの夢を失ったこの世界にどう生きるのか。どう希望をとりかえすのか。夫を失ったひとりの女性と彼女をとりまく人々に問いかける。

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