西島秀俊「稀有な、天才的な女優」、西田敏行「すごい表現者が出てきた」主演のモトーラ世理奈を大絶賛!

岩手県大槌町にある天国につながるといわれる“風の電話”をモチーフに、諏訪敦彦監督がモトーラ世理奈主演で贈る『風の電話』が、2020年1月24日より公開される。それに先立ち、12月26日に東京・イイノホールにて完成披露舞台挨拶が行われ、キャストのモトーラ世理奈、西島秀俊、西田敏行、三浦友和、諏訪敦彦監督が登壇した。

本作は、2011年に岩手県大槌町在住のガーデンデザイナー・佐々木格(いたる)が、東日本大震災で死別した従兄弟ともう一度話したいという思いから設置した“天国に繋がる電話”を題材に、震災で全てを失った高校生ハルが、広島から岩手の大槌町へ傷ついた心を抱えて旅に出る物語。

主人公ハルを演じたモトーラは、オーディションで本作への出演が決まったが、「最初に台本をいただいた時は、読むのが辛すぎた」とコメント。「小さい頃から家族が亡くなってしまう話が一番自分の中で苦手で、悲しくなってしまう」と明かし、「台本を読んでいても読み進められなくて…。だから、オーディションに行きたくないなと思っていました(笑)」と苦笑い。台本に頼らない、諏訪監督作品の即興芝居にも挑戦し、「初めてやったけど、スッとできました」「自然にできたのかな」と自信を見せた。

『2/デュオ』(1997)以来の諏訪組への参加となった西島は、諏訪監督は従来の映画制作にとらわれない、「違うやり方で映画を撮れるんじゃないかと、現場で自分のやり方を生み出した方」と、当時の監督の印象を振り返った。「23年ぶりにご一緒した」そうで、「今や海外で、僕からしたらレジェンドの人たちと映画を撮っていて、その(映画制作の)やり方を確立させてまたご一緒したので、感動的な体験でした」と感慨深げ。共演したモトーラについては、「カメラの前であろうと全く嘘をつかないという才能」があり「稀有な、天才的な女優だと思います」と絶賛していた。

西田は諏訪監督との撮影について「ジャジーな気持ちで、即興を演奏するような感じで現場にいたので幸せでした」と笑顔。主演のモトーラについては「50年近いキャリアで芝居をやっていましたけど、若い女優さんでこんなに遠望していて、真実を見つめられる目力の強い表現者に出会ったのは初めて」と、驚きを感じたとのこと。現在21歳というモトーラを「人生3周ぐらい回ってるぐらいのキャリアを感じる」「すごい表現者が出てきたと思った」と称賛した。また、本作で福島県民を演じ、自身も福島県出身であることから、「やっぱり原発の事故が心の大きな痛みになっていて、そこは見過ごしてはいけない」と考えていたと言い、「あえて一生懸命、原発のことを話しました」と本作への特別な想いも明かした。

物語の舞台となった岩手県大槌町での先行上映も終え、モトーラは「大槌町で上映するのは、撮影の時からドキドキしていたこと。(観客が)観終わった後に感想を言ってくださったのが嬉しかったです」とコメント。最後に、「ハルと一緒に旅を楽しんでください」と客席へ呼びかけ、本イベントを締めくくった。

『風の電話』
2020年1月24日(金)全国ロードショー
監督・脚本:諏訪敦彦
脚本:狗飼恭子
音楽:世武裕子
出演:モトーラ世理奈 西島秀俊 西田敏行 三浦友和 渡辺真起子 山本未來 占部房子 池津祥子 石橋けい 篠原篤 別府康子
配給:ブロードメディア・スタジオ

【ストーリー】 17歳の高校生ハル(モトーラ世理奈)は、東日本大震災で家族を失い、広島に住む伯母、広子(渡辺真起子)の家に身を寄せている。心に深い傷を抱えながらも、常に寄り添ってくれる広子のおかげで、日常を過ごすことができたハルだったが、ある日、学校から帰ると広子が部屋で倒れていた。自分の周りの人が全ていなくなる不安に駆られたハルは、あの日以来、一度も帰っていない故郷の大槌町へ向かう。広島から岩手までの長い旅の途中、彼女の目にはどんな景色が映っていくのだろうか。憔悴して道端に倒れていたところを助けてくれた公平(三浦友和)、今も福島に暮らし被災した時の話を聞かせてくれた今田(西田敏行)。様々な人と出会い、食事をふるまわれ、抱きしめられ、「生きろ」と励まされるハル。道中で出会った福島の元原発作業員の森尾(西島秀俊)と共に旅は続いていき…。そして、ハルは導かれるように、故郷にある“風の電話”へと歩みを進める。家族と「もう一度、話したい」その想いを胸に…。

©2020 映画「風の電話」製作委員会