モトーラ世理奈「どうして全部奪うの!」西島秀俊らとの交流『風の電話』予告編&ポスタービジュアル

岩手県大槌町にある天国につながるといわれる“風の電話”をモチーフに、諏訪敦彦監督がモトーラ世理奈主演で贈る『風の電話』が、2020年1月24日より公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

2011年に岩手県大槌町在住のガーデンデザイナー・佐々木格(いたる)が自宅の庭に設置した“風の電話”。死別した従兄弟ともう一度話したいという思いから誕生したその電話は、“天国に繋がる電話”として人々に広まり、東日本大震災以降、3万人を超える人々が、この場所を訪れる。本作は、東日本大震災で家族を失った少女が、故郷の岩手県大槌町に行くために広島から旅を通じて“風の電話”にたどり着く感動のロードムービー。

家族を失い、故郷を失った少女ハル(モトーラ世理奈)。震災から8年が経ち、一見日常を取り戻しつつある中、ある日突然、伯母が倒れる。「どうして全部奪うの」少女の行き場の無い怒りや悲しみが、叫びとなって響き渡る。心揺さぶられる冒頭に始まり、故郷を目指す彼女に訪れる様々な出会いが映し出される。豪雨被害にあった広島で年老いた母と暮らす公平(三浦友和)、ハルと同じく震災で家族を失った森尾(西島秀俊)、かつての故郷の景色に想いを馳せる今田(西田敏行)など、旅の中で出会った人々の「それでも生きていく」という強さに触れ、ハルは次第に光を取り戻していく。「もう一度、話したい」その思いに導かれて始まったハルの旅はやがて終わりに近づき、その終着地“風の電話”へと至る。静謐な音楽と名優たちの言葉が、故郷を目指すハルの旅の情景を彩る。

ポスタービジュアルでは、映画のタイトルにもなった“風の電話”を中心に、主演のモトーラの儚い表情、そして傷を負いながらも生きていく3人の男たちの切実で温かい表情が見て取れる。

『風の電話』
2020年1月24日(金)全国ロードショー
監督・脚本:諏訪敦彦
脚本:狗飼恭子
音楽:世武裕子
出演:モトーラ世理奈 西島秀俊 西田敏行 三浦友和 渡辺真起子 山本未來 占部房子 池津祥子 石橋けい 篠原篤 別府康子
配給:ブロードメディア・スタジオ

【ストーリー】 17歳の高校生ハル(モトーラ世理奈)は、東日本大震災で家族を失い、広島に住む伯母、広子(渡辺真起子)の家に身を寄せている。心に深い傷を抱えながらも、常に寄り添ってくれる広子のおかげで、日常を過ごすことができたハルだったが、ある日、学校から帰ると広子が部屋で倒れていた。自分の周りの人が全ていなくなる不安に駆られたハルは、あの日以来、一度も帰っていない故郷の大槌町へ向かう。広島から岩手までの長い旅の途中、彼女の目にはどんな景色が映っていくのだろうか。憔悴して道端に倒れていたところを助けてくれた公平(三浦友和)、今も福島に暮らし被災した時の話を聞かせてくれた今田(西田敏行)。様々な人と出会い、食事をふるまわれ、抱きしめられ、「生きろ」と励まされるハル。道中で出会った福島の元原発作業員の森尾(西島秀俊)と共に旅は続いていき…。そして、ハルは導かれるように、故郷にある“風の電話”へと歩みを進める。家族と「もう一度、話したい」その想いを胸に…。

©2020 映画「風の電話」製作委員会